商船三井、乗組員のシフトをAIで最適化 計画の作業時間を約70%削減か

富士通と商船三井が、船員のワークライフバランスを考慮した配乗計画の最適化AIシステムを開発した。計画業務に費やす時間を大幅に削減できる見込み。

» 2025年03月17日 10時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 富士通は2025年3月12日、商船三井と共同で船員の配乗計画を最適化するAIシステムを開発したと発表した。船員のワークライフバランスを尊重しながら、最適かつ効率的な人員配置を実現するもので、2025年5月以降の実運用を目指して最終フェーズに移行する。

 従来、海運会社では各船員の職位や保有資格、乗船期間、船の種類、スケジュールなどのさまざまな条件を照らし合わせて、どの船にどの船員を乗せるかの計画を立ててきた。商船三井では担当者が個別に管理しているデータベースから情報を抽出し、計画を作成していたため、多くの工数と時間を要していた。

 今回開発されたAIシステムは富士通の数理最適化技術が適用されており、多様な条件を考慮した上で配乗計画を自動で作成する。同システムの機能は次の通りだ。

  • ニーズへの対応: ニーズに合致した配乗を計画する
  • 船員の乗船平準化: 年間の乗船期間や休暇付与期間に差が生じないよう配乗する
  • 船員個人イベントの反映: あらかじめ設定された船員の結婚や出産などのイベント時期に休暇を取得しやすい配乗を計画する

 同システムの導入で配乗計画作成に要する時間を約7割削減できる見込みだ。船員の連続乗船期間の短縮化や十分な休暇付与など、ワークライフバランスに直結する配乗計画の最適化が可能となる。

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