Orange CyberdefenseはMicrosoft TeamsとMicrosoft OneDriveに対するキャッシュスマグリング攻撃について警告した。このサイバー攻撃はWebブラウザのキャッシュを悪用してマルウェアを配布するとしている。
この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。
Orange Cyberdefenseは2025年3月24日(現地時間)、「Microsoft Teams」(以下、Teams)や「Microsoft OneDrive」(以下、OneDrive)を悪用するキャッシュスマグリング攻撃の脅威について警告した。
この手法はWebブラウザのキャッシュ機能を巧妙に悪用し、TeamsやOneDriveなどのアプリケーションにマルウェアを仕込む新たな攻撃ベクトルとされている。
通常、Webブラウザは画像やJavaScriptなどの静的ファイルをキャッシュに保存し、ページの読み込み速度を向上させる。攻撃者はこのキャッシュ機能を悪用し、不正なDLL(動的リンクライブラリー)ファイルを無害なファイルに偽装して配布する。
攻撃者は悪意のあるWebページを用意し、ユーザーがアクセスするとWebブラウザがペイロードを含むDLLをキャッシュする。次に被害者をだまして悪意のあるPowerShellスクリプトを実行させてキャッシュしたDLLを、TeamsやOneDriveのフォルダに移動する。これによってDLLがTeamsやOneDriveの起動時に読み込まれ、マルウェアが実行される。
この攻撃を防ぐためには以下の対策が推奨されている。
Webブラウザキャッシュスマグリング攻撃は正規のブラウザキャッシュ機能を利用するため、従来のネットワークセキュリティ対策をすり抜ける可能性がある。企業や組織はスクリプトの実行制限やブラウザキャッシュの管理強化を通じ、この新たな攻撃手法への対策が求められている。
楽天証券の注意喚起から考える 情報を守るために“面倒だけど絶対やるべき対策”
なぜ医療機関はランサム対策に乗り出せない? 地方病院が語る“根深い課題”
「C++」存続の危機? 生みの親が安全なプログラミング言語への転換を模索
たったこれだけでマルウェアに感染? “古くて新しい”サイバー攻撃の手口Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.