Google Cloud、次世代セキュリティ基盤「Google Unified Security」を発表セキュリティニュースアラート

GoogleはAIを活用した包括的なセキュリティ基盤「Google Unified Security」を発表した。セキュリティツール群のサイロ化といった分断構造を打破し、運用における統合的な可視化と迅速な対応の自動化を実現する。

» 2025年04月11日 07時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

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 Google Cloudは2025年4月9日(現地時間)、年次イベント「Google Cloud Next '25」において、AIを活用した包括的なセキュリティ対策の強化を発表した。仮想化環境やAIワークロードを含む広範なIT資産を対象に、脅威の検出や分析、対応を一元的に実施するセキュリティ運用基盤を提供する。

 既に幾つかの企業やシンガポール政府がこの技術を導入しており、Google CloudのML(機械学習)プラットフォーム「Vertex AI」を活用した脅威の識別と対応、証拠保全などを通じて、セキュリティの高度化と効率化が進められている。

次世代セキュリティ基盤「Google Unified Security」とは?

 この取り組みの中核に位置付けられているのが、AIを活用した包括的なセキュリティ基盤「Google Unified Security」だ。Google Unified SecurityはMandiantの専門知識やGoogle Threat Intelligenceを統合し、クラウドからエンドポイントに至るまでの可視性と対応力を飛躍的に強化する。AIによる自動化と文脈理解を通じて複雑化する攻撃対象領域に対する防御を合理化し、セキュリティ担当者の業務効率を向上させる。

Google Unified Securityのイメージ(出典:Google Cloudのプレスリリースから抜粋)

 Google Unified Securityは新たな発明というよりも、既存のセキュリティ機能群を再編・統合し、戦略的に再構築された統合プラットフォームと考えられる。

 この取り組みの本質は、これまで個別に提供されていたツール群がもたらしていたサイロ化という分断構造を打破し、セキュリティ運用における統合的な可視化と迅速な対応の自動化を実現することにある。その中核を担うのが「単一のセキュリティ・データファブリック」であり、ネットワークやクラウド、エンドポイント、Webブラウザといった多様な情報を統合的に分析・対応できるようにしている。

 この他、「Gemini」による半自律型AIエージェントやマルウェア分析機能の導入により、セキュリティ運用の根本的変革も図られている。マルチクラウド環境におけるリスク管理ソリューション「Security Command Center」にはAI保護機能やDSPM(Data Security Posture Management)機能、クラウドにおけるポリシー定義やコントロール設定などを制御する「Compliance Manager」などが追加され、AI開発ライフサイクル全体を対象としたリスク管理が可能となる。

 また、「Chrome Enterprise」や「Trusted Cloud」、ネットワークセキュリティ、アイデンティティーおよびアクセス管理といった周辺領域にも新機能が搭載されており、Google Cloud全体で高度なセキュリティとコンプライアンスの実現を支援する体制を整えている。

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