Oktaとパロアルトネットワークスは、AIを活用したセキュリティ製品統合を発表した。SSOやセキュアブラウザによるアクセス制御に加え、両社の製品統合によりアイデンティティーリスクの可視化と自動対応を実現する。
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Oktaは2025年7月15日、パロアルトネットワークスとの製品統合を発表した。AIを活用した新たなセキュリティアーキテクチャにより、企業が直面するアイデンティティーに関連するリスクへの対応力を強化する。
今回の発表ではOktaの「Okta Workforce Identity」とパロアルトネットワークスの「Prisma Access Browser」を組み合わせることにより、セキュアブラウザを介したSSOアプリケーションへのアクセス制限という新たな条件付きアクセス制御の仕組みが導入される。これにより、管理対象デバイスかどうかを問わず、全てのデバイスでWebアプリケーションアクセスの安全性が向上する。
OktaのAI搭載セキュリティ製品「Identity Threat Protection」(ITP)と、パロアルトネットワークスのセキュリティ運用プラットフォーム「Cortex」との統合により、企業全体のアイデンティティーリスクを一元的に可視化する機能が提供される。この統合は「Cortex XSIAM」や「Cortex XDR」にも拡張されており、リアルタイムの自動応答を含む包括的な脅威対策を可能にする。ユーザー行動やアクセス状況に応じて追加認証やアクティブセッションの終了、端末の隔離といった処理を自動で実行できる。これにより、従来の手動による対応よりも迅速かつ精密な対策が可能となる。
Oktaのテクノロジーパートナーシップ担当バイスプレジデントのスティーブン・リー氏は「AIによる攻撃の高度化に対応するには、AIによる防御基盤の構築が不可欠だ」と述べている。今回の統合により、約2000社の両社共通の顧客に対し、セキュリティ状態の可視化と文脈に基づくアクセス制御、強固な認証手段を提供できるとしている。
パロアルトネットワークスのテクニカルパートナーシップ担当バイスプレジデントのパム・サイアー氏は、「アイデンティティーはサイバーセキュリティの中核要素だ」と指摘し、Oktaとの連携により高いセキュリティ水準と優れたユーザー体験の両立が可能になると説明した。
両社の協業により、顧客はコストや運用上の複雑性を抑制しつつ、明確に設計されている統合的なセキュリティ対策を導入できるようになる。Oktaとパロアルトネットワークスは、今後も継続して、相互運用性の高いセキュリティ基盤の構築を推進する方針を示している。
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