三菱UFJ銀行がSalesforceのAIエージェント「Agentforce」を導入 営業活動の効率化目指すAIニュースピックアップ

セールスフォース・ジャパンは、三菱UFJ銀行が金融業界向けAIエージェント「Agentforce for Financial Services」を導入したと発表した。これは日本国内で初めての導入事例であり、営業活動の効率化と業務改善を目指す。

» 2025年08月07日 08時00分 公開
[後藤大地有限会社オングス]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

 セールスフォース・ジャパン(以下、Salesforce)は2025年8月1日、三菱UFJ銀行がSalesforceの金融業界向け自律型AIエージェント「Agentforce for Financial Services」を採用したと発表した。国内における同製品の初の導入事例となる。

三菱UFJがAgentforceを選んだ理由、具体的な用途

 Agentforce for Financial Servicesは、Salesforceが2025年6月に発表した「Agentforce 3」の一機能とされ、200種類を超える業界特化型の事前構築済みアクションを備えている。これにより、導入企業はAIエージェントを迅速に業務に適用できる。金融業界ではフロントオフィス業務の多くを自動化でき、担当者がより付加価値の高い業務に集中できるようになる。

 三菱UFJ銀行は2025年4月から、顧客データの一元化や営業力の強化、顧客体験の質向上を目的としてSalesforceの「Financial Services Cloud」(FSC)を新たなCRM基盤として採用している。今回のAIエージェント導入はその取り組みの一環だ。AgentforceはFSCにネイティブ統合されており、既存の営業履歴や顧客情報を活用することで、即時に金融業務へ適用できる点が評価されている。

 Salesforceの支援を受け、三菱UFJ銀行はAgentforce導入によって営業活動の質の向上と業務効率の大幅な改善を図る。具体的な適用例として、面談前の顧客情報の整理、面談中の情報提供支援、面談後の営業フォローなど、営業担当者とAIエージェントが連携する形での業務運用が挙げられている。

 また同行はFSC導入当初より「Professional Service」(Salesforceの導入コンサルティングサービス)を利用し、アジャイル型の業務推進とAI技術の応用範囲拡大に取り組んできた。膨大なデータを基に業務の効率を高めつつ、行員の業務スタイルの変革も支援している。加えて「Signature Support Plan」(Agentforceの運用サポートサービス)も利用し、全社的なデジタル化の進展を後押ししている。

 三菱UFJ銀行では今後、Agentforceの適用領域を順次広げていくとしており、これによりFSC上で対応可能な業務を拡充し、顧客との関係構築においてさらなる質の向上を図る予定だ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アイティメディアからのお知らせ

注目のテーマ

あなたにおすすめの記事PR