Accentureはオーストラリアのサイバー企業CyberCXを買収すると発表した。過去最大規模のセキュリティ関連買収であり、AI対応が遅れる地域企業の支援体制を強化する狙いがある。
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Accentureは2025年8月14日(現地時間)、オーストラリアおよびニュージーランドを中心に事業を展開するサイバーセキュリティ企業CyberCXを買収する合意に達したと発表した。今回の取引はAccentureにとって過去最大規模のサイバーセキュリティ関連の買収とされ、アジア太平洋地域における同社の事業基盤を強化する狙いがある。
CyberCXは2019年にメルボルンで設立したセキュリティ企業だ。現在は約1400人の専門人材を擁しており、コンサルティングやセキュリティ変革支援、マネージドセキュリティサービスなど幅広い領域をカバーしている。
同社はAIを活用したセキュリティ基盤を備えており、検知・対応サービスや主権型セキュアクラウド、トレーニングを提供するCyberCX Academy、独自のセキュリティ検証・インテリジェンスツールを展開している。Accentureはこれらの機能を取り込み、クライアント企業の事業継続性確保や重要インフラ防御、規制環境に即した安全なデジタル変革を支援する体制を拡充する。
Accentureの最新調査「State of Cybersecurity Resilience 2025」によれば、オーストラリア企業の97%がAIを組み込んだ将来のセキュリティ対策に十分な準備ができておらず、80%はデータやAIモデルを守るための実践的なセキュリティ基盤を欠いているとされる。この状況を踏まえ、CyberCXの人材と技術の獲得はAccentureにとって地域での顧客支援力を高める施策と位置付けられる。
CyberCXはMicrosoftやPalo Alto Networks、CrowdStrikeといった主要ベンダーとの強固なエコシステム連携を構築しており、2600件を超える認定資格を背景にマネージドサービスやシステム統合分野で高い評価を得ている。
Accentureは2015年以来、20件のセキュリティ企業を買収しており、最近ではMorphusやMNEMO Mexico、Innotec Securityを傘下に加えている。今回のCyberCX買収はその延長線上にある戦略的取り組みとされる。取引条件は非公開で、規制当局の承認などの通常の手続きを経て完了する予定だ。
今回の買収により、Accentureはアジア太平洋地域におけるサイバーセキュリティ事業を一段と拡大し、急増する顧客需要に対応できる体制を整えることとなる。企業や政府機関の安全確保と事業継続支援を担う取り組みが、今後強化されることになる。
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