メインフレームにも「AIエージェント」の波 レガシーシステムの概念が変わる?CIO Dive

ワークロードの管理やモダナイゼーションのために企業がAIエージェントを活用する中、レガシーなITシステムに対するユースケースが拡大している。

» 2026年01月05日 07時00分 公開
[Makenzie HollandCIO Dive]

この記事は会員限定です。会員登録すると全てご覧いただけます。

CIO Dive

「CIO Dive」について

「CIO Dive」は米国のビジネスパーソン向けWebメディア「Industry Dive」の一媒体です。「CIO Dive」が発信する情報からITmedia エンタープライズの専門記者が厳選した記事を「Industry Dive」の許可を得て翻訳・転載しています。

筆者紹介:マッケンジー・ホランド(Makenzie Holland)(「CIO Dive」シニアニュースライター)

2015年に米国インディアナ州立大学ブルーミントン校でジャーナリズムの学士号を取得。米連邦政府の技術政策担当記者、『Wilmington StarNews』記者、『Wabash Plain Dealer』記者(犯罪・教育担当)を経て現職。

 企業向けITインフラサービスを提供するKyndrylは2025年11月24日(現地時間、以下同)の発表で(注1)、AIエージェントを含むAI機能を自社のメインフレームサービスに追加すると明らかにした。

 Kyndrylが新たに提供するAIエージェント型のメインフレームサービスは、メインフレームユーザーの問題解決の迅速化や信頼性の向上、ソフトウェアライフサイクルのコンプライアンス確保といったメリットの提供を目的としている。これらのツールはスキル不足の解消に役立つとともに、新たに出現する脅威への対応時間を短縮するという。

メインフレームにおけるAIエージェント活用が拡大

 Kyndrylでコアエンタープライズおよび「zCloud」のグローバル・プラクティス・リーダーを務めるハッサン・ザマット氏は、発表の中で次のように述べた。

 「当社は、熟練したデリバリー担当者の力とAIエージェントを組み合わせ、差異化された体験と成果を提供し、顧客の成長を後押しするためにコミットしている」

 IT分野のエンタープライズ企業やハイパースケーラー、その他のサービスプロバイダーは、メインフレームサービスの高度化とモダナイゼーションを進めるために生成AIやAIエージェントを含む新たなAI技術を導入してきた。

 レガシーシステム向けソフトウェアを提供するRocket Softwareは2025年の初めに、平易な言語でのコーディング支援アシスタントを含むモダナイゼーションサービスをリリースした(注2)。一方、Amazon Web Services(AWS)はメインフレームのワークロードやその他のレガシー環境の刷新を支援するためのAIエージェント型プラットフォーム「AWS Transform」を構築した(注3)。

 IBM Institute for Business Valueの報告書によると(注4)、IT幹部の約5人に4人はAIイノベーションと価値創出を実現する上でメインフレームが不可欠だと考えている。また、同報告書では別の調査結果として、全体の78%が「メインフレームアプリケーションにAI機能を追加するプロジェクトを試験的に進めている」、または「既に立ち上げている」と回答したという。

 Kyndrylの調査からも多くのビジネスリーダーがAIに注目していることが明らかになった。調査「2025 State of Mainframe Modernization Survey(メインフレームモダナイゼーションの現状 2025年版)」の回答者の88%は「AIエージェントや生成AIを含むAIを既にメインフレーム環境に導入している」または「導入を予定している」と述べた。Kyndrylによると、メインフレームのワークロードにおけるAI活用が拡大している主な要因は、ビジネスの俊敏性向上や人為的ミスの削減、コスト削減だという。

 発表によると、KyndrylのAIエージェントを活用したメインフレームサービスは、同社の「Agentic AI Framework」が備えているデータ取り込み機能と組み合わせることで、複数のAIや業務プロセスをよりスムーズに連携および管理できるようになるものだという。

 また、Kyndrylはインテリジェントな自動化とライフサイクル管理を可能にし、顧客向けのメインフレーム提供をさらに変革するため「IBM watsonX Assistant for Z」を展開している。さらに、オープン統合プラットフォーム「Kyndryl Bridge」と連携した「Kyndryl AI Assistant for Z」もサービスに含まれており(注5)、スキル育成や人材定着に関する課題への対応を顧客が進めるのを支援するという。

 発表によると、これらのサービスは、「IBM z/OS」を利用している企業がAIを活用したサービス運用を取り入れやすくし、アプリケーションやITインフラの管理における意思決定を早め、複雑な業務をシンプルにすることを目的としている。

 IBM Z Softwareのスカイラ・ルーミス氏(ゼネラルマネジャー)は発表の中で、次のように述べた。

 「Kyndrylとの協業を通じて、企業の事業を支える基幹システムに強力なAI機能をもたらすために支援している」

© Industry Dive. All rights reserved.

アイティメディアからのお知らせ

注目のテーマ

あなたにおすすめの記事PR