SalesforceがClaudeのプラグインになる日 “SaaSの死”は現実になるのかAIニュースピックアップ

生成AIが業務アプリケーションの画面を不要にするという“SaaSの死”論争が続いている。そのさなか、SalesforceはAnthropicとの戦略的提携を拡大し、Claudeforceを発表した。自らAIの中へ入るという選択の狙いはどこにあるのか。

» 2026年09月07日 10時00分 公開
[ITmedia]

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 生成AIが業務アプリケーションの画面を置き換え、SaaSは役割を終えるのではないか――。いわゆる「SaaSの死」論争が続いている。そのさなかの2026年8月26日(現地時間)、SalesforceはAnthropicとの戦略的提携を拡大し、新たな枠組み「Claudeforce」を発表した。Anthropicの生成AI「Claude」にSalesforceのデータやワークフロー、業務ロジック、権限管理を接続し、Claudeの画面から業務データを扱えるようにする。

 両社はこれまでも、ビジネスチャット「Slack」向けのAIアシスタント「Claude Tag」の提供や、AIエージェント基盤「Agentforce」へのClaudeの組み込みなどで協業してきた。今回の提携はこれらを一つの枠組みにまとめた上で、SalesforceをClaudeの側へ持ち込む点に特徴がある。第1弾は営業部門向けで、対象部門を順次広げる計画だ。

 ただし、CRM(顧客関係管理)の参照や更新をAIとの対話に委ねるとなれば、気になるのは「何がどこまでできるのか」と「権限や業務ルールをどう守るのか」だ。

Claudeの中のCRMで何ができる?

 その答えが、営業向けに37種類のスキルを備えたプラグイン「Salesforce in Claude」だ。

Claudeの対話画面からSalesforceのデータや業務ルールを利用する「Salesforce in Claude」(出典:SalesforceのWebサイト)

 Salesforce in Claudeを使うと、営業担当者はClaudeの対話画面から商談やパイプラインの状況を照会し、記録の更新や次の行動の検討までを進められる。37種類のスキルには、商談前の準備や案件の健全性の確認、パイプラインの点検などが含まれる。初回設定時には、SalesforceやSlackなどClaudeに接続されたシステムから営業担当者の業務状況を読み取り、担当アカウントやパイプラインを一覧できるダッシュボードを自動で構成する。

 基盤となるのは「Headless 360」だ。Salesforceのデータやワークフロー、業務ロジック、権限を、AIが直接呼び出せる形で公開するアーキテクチャで、AIモデルと外部システムをつなぐ接続規格「MCP」(Model Context Protocol)を介して接続する。個別のシステム統合の作業は不要だとしている。

統制は既存の権限とルールで

 統制面では、Claudeが実行する操作を全てSalesforce側に通す設計を採る。回答も操作も既存のSalesforceの権限と業務ルールの範囲で実行され、利用者は自分に許可された情報だけを参照し、許可された操作だけを実行できる。

管理者が一度接続すれば認証と権限は一元管理され、利用者ごとの設定や権限モデルの再構築は不要だという。書き込みを伴う操作では、社外へのメール送信前にClaudeが利用者へ確認を求めるといった制御を選べる。両社が共同で取り組む保護機能「Enterprise Frontier Safeguards」も2026年秋以降に段階的に提供し、データを保持しない「ゼロデータリテンション」と重大な不正利用の検知を組み合わせる。

 提携はClaudeをSalesforce製品群へ組み込む方向でも広がる。ClaudeはAgentforceの推論エンジン「Atlas Reasoning Engine」の推論モデルとして利用でき、「Agentforce Vibes」や「Agentforce Coworker」を標準で動かす。

「Amazon Bedrock」を通じて、Salesforceのセキュリティ境界「Salesforce Trust Boundary」の中でも利用できる。SlackではClaudeが標準モデルとなり、アシスタント機能「Slackbot」などを支える。Salesforceによると、Claudeを組み込んだSlackbotは同社社内で年換算810万時間分の生産性向上効果を生み、前四半期比で2倍超に拡大したという。

 「SaaSの死」論争に対して、Salesforceは今回の発表で自社の立場を示した。企業向けソフトウェアは何十年もの間、利用者が固定的なUIを操作することを前提としてきたが、エージェントがデータやワークフロー、ルールへ直接アクセスできるようになった今、ソフトウェアはあらゆるインタフェースを支えるシステムになるという認識だ。画面としてのSaaSが役割を縮小しても、その裏側のデータと業務ルールは価値を持ち続けるという立場を採る。

 Salesforce in Claudeは一部のパイロット顧客向けに提供中で、2026年9月にオープンβ版の提供開始を予定する。営業以外の部門向けスキルは2026年後半から追加する計画だ。

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本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。

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