インテル、ビットワレット、マイクロソフトは12月7日、3社が進めている「スマートデジタルライフ推進プロジェクト」について、進捗状況を説明するとともに、12月から開始する実証実験について発表した。
スマートデジタルライフ推進プロジェクトは、非接触IC技術「FeliCa」と電子マネー「Edy」による個人認証やEC(電子商取引)の普及を目指す3社の共同プロジェクトだ。(1)FeliCaリーダー/ライターのPCなどへの標準搭載や外付け機器の普及促進、(2)個人認証・決済手段として、Edyを採用する事業者を増やす(PCサイト)(3)ユーザーの認知・利用を促進といった3つの目標に向け、1年間それぞれの立場で活動を行う、としていた(6月13日の記事参照)。
6月に同プロジェクトがスタートしたとき、3社が掲げていた具体的な目標は以下の通りだ。
FeliCaを利用する決済方式は複数あるが、このプロジェクトではFeliCa対応のサービス、決済といった場合は、ビットワレットが運営する電子マネーEdyとほぼ同義となる。
4月末の時点で、FeliCa(Edy)対応サイトは約1400。6月にプロジェクトが発足して約半年が経った現在(12月初頭)、対応サイト数は約3000まで増加、約半年で目標の2倍を達成したことになる。2007年春には1万サイトが対応予定だ。
また、FeliCa対応のリーダー/ライターを搭載したPCも増えている、とする。インテルによれば、2005年6月から2006年6月の1年間に、FeliCa用リーダー/ライターを内蔵したPCの出荷台数は約100万台。目標ではこれを2007年6月までの1年間で300万台に伸ばすことになっている。2006年6月から12月頭までに出荷した対応PCの出荷台数は約75万台。目標値の約25%だが、「これから冬と春にPCは大きな商戦期を迎える(ので、目標値は達成できるだろう)。また来年1月30日からはVistaが発売され、Vista搭載PC(の登場)で出荷が加速するだろうという期待もある」(インテル)と、楽観的な見通しだ。
3つめの目標であるオンライン取引高だが、これは現状で、取引高の総額が明らかになっていない。Edyのオンライン取引高は現在、目標の200%のうち160%まで達しているという。ビットワレットでは10月より、ネットでEdy決済を利用すると、5%分をEdyギフトで還元するキャンペーンを行っていることもあり、オンラインでのEdy決済件数は半年間で約20%増加したという。
インテルは本プロジェクトの一環として、シニア層をターゲットとする実証実験を行う。発表会では、その実証実験についても明らかになった。
実験は、インターネットによるサービス利用に興味があるユーザーに、タッチパネルによる操作が可能なFeliCaポート内蔵のPCを貸与し、オンライン決済を体験してもらうという内容。40〜60代のPCの操作に習熟していないユーザーを対象としており、12月8日から2007年3月7日まで、埼玉県川口市のマンション30世帯で行われる。
貸与されるのは、Core 2 Duoを搭載したFeliCaポート内蔵のノートPCで、OSはWindows Vistaの評価版がインストールされている。タッチパネルを外付けしており、電源を入れると、タッチパネルに対応した専用のポータルが立ち上がる。ポータルは銀行のATM風の大きなボタンで操作できるようになっており、Edyに対応した各種ネットショップや、地域情報へのリンクが貼られているというもの。
目的は、現在PCを持っていないシニア層にもPCを所有してもらうことにある。インテルは、実証実験で得たユーザーの声をフィードバックして、「シニア向けPC」の仕様を固めていく意向だ。
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