“使える”ハンディターミナル「DT-X7」の業務ソリューションを多数公開:自動認識総合展 カシオブース レポート
企業ユーザーの支持を広げているカシオの高機能かつスタイリッシュなハンディターミナル「DT-X7」。その多彩なソリューションが「第10回自動認識総合展」で公開された。
DT-X7バリエーション拡充
カシオは、9月10〜12日に開催された「第10回自動認識総合展」で、ハンディターミナルとその関連ソリューションの展示を行った。展示の中心となったのは、発売から約1年目を迎えた人気モデル「DT-X7」の新たなバリエーション。カシオでは、「DT-X7」のラインアップ拡充を通じて、関連ソリューションの幅を広げていくという。
DT-X7は2007年9月発売。CPUなどの処理能力はもちろん信頼性や耐環境性も高く、カラー液晶を搭載し、小型軽量で、徹底してユーザビリティを研究して見た目の良さまで意識して作られたデザインなど、これまでのハンディターミナルとは一線を画す機種として登場した。特に小売店の店頭など、まさに「客の目に触れる」現場や、女性ユーザーが多いところでの人気が高く、これまでのハンディターミナル製品より大幅に売れ行きを伸ばしているとのこと。
現時点では一次元バーコード対応レーザースキャナ搭載の基本モデル「DT-X7 M50」と無線LAN機能搭載の「同M50S」、およびそれぞれにプロテクタを標準装備としたタフネスモデル「同M50G」「同M50SG」の4機種がラインアップされているが、今回の展示では新たなバリエーションが登場した。
新たなラインアップとして今回展示の中心となっていたのは、9月末新たに発売の二次元コード対応モデル「DT-X7 M52」「同M52S」だ。M50のレーザースキャナの代わりにCMOSイメージャを装備し、その画像を処理してコードを認識する。二次元コードだけでなく一次元のバーコードも読み取れる。
カシオは、この二次元コード対応モデルが、新たな顧客ニーズの掘り起こしに役立つと期待している。同社はこれまで、ハンディターミナル関連分野においては、主に流通・小売業向けと物流業向けへの展開を得意としてきた。さらに今後は、この二次元コード対応モデルを足掛かりに、新たな分野にもソリューションの拡充を図っていく方針とのことだ。特に注目しているのが医療関連だという。
M52/M52Sが対応している二次元コードのうち、「GS1 DataBar」は、医薬品や医療材料の標準シンボルとして採用され、普及が進んでいる。そして、医療安全やトレーサビリティなどに取り組む医療機関や関連企業が増えつつある現在、医療分野におけるハンディターミナルのニーズは高まってきている。医療機関や薬局、医薬品卸などで日々大量に取り扱われる医薬品や医療材料に対して、標準シンボルを利用した迅速で確実な確認業務を行うためには、今後ハンディターミナルの導入が必要不可欠になってくると考えられるためだ。そこで今回の展示会では、実際に医薬品等のコード読み取りデモを行い、こうした分野へのアピールを行った。「来訪者の引き合いも強く、十分な手応えを感じている」とカシオ計算機 システム企画部の須藤剛氏は話す。
将来に向けた非接触ICカード対応
さらに用途を広げる試みとして、今回はDT-X7をベースにしたRFID・非接触ICカード(NFC)対応モデルも参考出品されている。このモデルはバーコードスキャナ周辺にアンテナが内蔵されており、バーコードを読み取るのと同じ操作感で非接触ICカードの情報を読み取れる。
展示コーナーでは、FeliCaをはじめとする主要3方式の非接触ICカードを読み取るデモが体験できた。例えばレジなどの専用端末を設置する場所の確保が困難な駅の売店や、イベント会場の売店などのようなところで、こうしたハンディターミナルを決済端末として使うことも考えられる。さらに、社員証やポイントカードなどのサービスに活用するなどのアプリケーションの広がりも考えられるだろう、と須藤氏は話す。
近年、電子マネーや会員カード、交通系の定期券として非接触ICカードの普及が進み、用途も広がってきた。一方、従来はバーコードで管理していた分野でもRFIDによって管理しようとする動きが出てきている。アパレル業界による高級ブランド商品の管理が一例としてあげられる。今後、ハンディターミナルはさらにRFIDや非接触ICカード対応のニーズが高まってくると考えられ、多くのメーカーが続々と非接触ICカードリーダー対応モデルを出品してきているのが現状だ。その中でも、DT-X7をベースにした今回の参考出品モデルは、幅広い業種の来訪者から数多くの問い合わせを受けるなど、かなりの注目を集めていた。
多彩なソリューション
カシオブースでは、DT-X7をはじめとするハンディターミナル関連ソリューションなどの展示も行われていた。用途に応じたバリエーションを展開すると同時に、さまざまなベンダーとのソリューション連携を進めることで、ユーザーの幅を広げてようという狙いが感じられる。
「Mobile Voice Communicator」は、DT-X7などハンディターミナル向けのVoIPパッケージ。単に通話を行うだけでなく、留守電や着信拒否機能、インスタントメッセージ機能なども備えている。また、IP電話ソリューションと連携させることで、既設の内線や外線との通話も可能となっている。DT-X7で通話ができれば、業務に欠かせないハンディターミナルとは別に、構内PHS端末などを持ち歩く必要がなくなるので、そうした面でも評価が高いという。
DT-X7をはじめとするカシオのハンディターミナルの主要モデルはWindows CEをベースとしており、アプリケーション開発環境が充実していることが大きな特徴となっている。また、無線LAN搭載モデルでは、端末にデータを残さないWebアプリケーションも利用可能だ。そして、さらにソリューションの幅を広げるものとして、リッチクライアント用ミドルウェアにも対応している。ブースでは、アクシスソフトの「Biz/Browser」とシェアードシステムの「HaiSurf」の利用例が展示されていた。高度な処理を行うシステムでも開発が容易になり、ソリューションの幅を広げるだけでなく、これらのミドルウェア上で使えるアプリケーションであれば互換性を保てるため、ユーザーの選択肢が広がるというメリットもある。
また、携帯型Bluetooth内蔵プリンタとの連携を提案する展示もあった。ハンディターミナルからBluetoothによって印刷データを転送、ラベルを印字するデモを行っていた。スーパーなどでは、時間帯に応じた値引きを行う値引きラベルの発行に便利そうだ。また、宅配業者などでは、ハンディターミナルとは別にプリンタを腰のベルトなどに携帯することができるため、ハンディターミナル自体は軽く取り回せる。荷物を扱うため、ほかに手に持つものは軽い方が好まれるという。
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提供:カシオ計算機株式会社
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