ホンダのHPがアクセス急増 「インサイト」効果でトヨタ、日産抜く:製品の革新性がWebに波及
新型ハイブリッド車「インサイト」の製品力や価格が利用者の関心を引き、ホームページのアクセス数が急増。総利用者数でトヨタ自動車や日産自動車を抜き、トップに躍り出た。
自動車メーカーが運営するホームページ(HP)における2月の利用者数で、本田技研工業(ホンダ)が首位に立ったことがネットレイティングスの調査で明らかになった。新型ハイブリッド車「インサイト」の発売を皮切りに専用サイトに訪れる利用者が急増し、一人当たりの滞在時間や総利用時間で、トヨタ自動車や日産自動車に差を付けた。
2月におけるホンダのホームページの利用者数は約338万人だった。日産自動車が約331万人、トヨタ自動車が約261万人と続いた。3位以下はダイハツ(約40万人)、スバル(約35万人)などが名を連ねるものの、トップ3との開きは大きい。「コンテンツの充実度や内容の濃さなどでトップ3と下位メーカーのWebサイトに差がある。Webに対するメーカーの力の入れ方が結果に現れている」とネットレイティングスは分析する。
ホンダが1位に躍り出たのは、インサイトの発売による効果が大きい。専用ページのアクセス数は約82万に上り、総利用者数の4分の1を占めた。発売キャンペーン前の12月の総利用者数は194万人だったが、告知を開始した1月、新型インサイトを発売した2月にかけて利用者数が7割以上伸びた。
利用者の急増は、「製品の革新性」にあるとネットレイティングスは説明。「既存の車のモデルチェンジなどでは、こうした顕著な増加は起こらない。低価格なハイブリッド車というコンセプトが受けた」という。「リファラーを見ても、メールマガジンやバナー広告からWebサイトに来た数は少なかった。製品の名称を検索して、専用サイトにアクセスした利用者が多かった」(同)
同社によると、自動車メーカーのWebサイトの利用者数は、キャンペーン時を除くと、各社とも横ばいか微増の状態が続いていた。ネットレイティングス社長兼ニールセン・オンラインチーフアナリストの萩原雅之氏は「ホンダの急激な伸びはインサイトがけん引した。購買力のある高年齢層の関心を引いたことも売れ行きにつながった」と話す。製品の関心度の高さがWebサイトにも波及した格好だ。
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