iPhoneを打ち負かすには――競合企業が抱える10の課題:PalmやAndroidに勝ち目はあるのか(2/2 ページ)
Palm PreやAndroid携帯は、iPhoneの前では競合関係を維持するのさえ難しいのが現状だ。だが10の課題を実行できれば、iPhoneを打ち負かすのは不可能ではない。
課題5:デザインは重要
iPhoneキラーを目指す上でデザインは重要でないと思う人がいるとすれば、その人の考えは甘い。iPhoneは洗練されたデザインの美しいデバイスだ。ポケットにもスッと入る。そのディスプレイは動画を楽しむのに十分な大きさだ。光沢のある表面仕上げは、デバイスの美学にこだわる人々をも魅了する。この製品に対抗しようと思う企業は、こういった魅力をすべて自社の端末のデザインに織り込む必要がある。iPhoneと同じレベルのデザインで勝負しなくてはならないのだ。
課題6:物理キーボードをやめる
多くのユーザーがAppleの仮想キーボードで苦労しているが、不思議なことにiPhoneは何百万台も売れているのだ。物理キーボードは使いやすいが、エンドユーザーの気持ちとしては、それは携帯電話の名残のように思えてしまうのだ。仮想キーボードは未来を感じさせる。仮想キーボードは効率的でないと思うメーカーは、効率を改善する方法を見つけるべきだ。
課題7:話題を盛り上げる
自社製品に関する話題づくりが最も上手だったのはPalmだろう(もちろんAppleを除けばであるが)。同社は鳴り物入りで製品を発表し、出席者全員を興奮の渦に巻き込んだ。そして人々からPreに関する問い合わせが殺到した。Preの唯一の問題は、製品がリリースされたときに、ユーザーが望んでいたエクスペリエンスを提供できなかったことだ。製品をリリースするまでのPalmの動きはすべて適切だったのだが。
課題8:製品発表を「イベント化」する
Appleは製品発表を「イベント化」するのが非常に上手だ。iPhoneがリリースされた年には、同製品を購入して店を出る顧客全員を同社の従業員が拍手で送り出した。それは印象的な演出だった。これも一種の「エクスペリエンス」だった。Appleはエクスペリエンスを提供することにかけては天下一品だ――iPhone上でも直営店においても。iPhoneと競争しようと思う企業は、同社を見習わなくてはならない。
課題9:問題が起きたらすぐに対処する
製品をリリースしたからといって、そのメーカーの仕事が終わったわけではない。製品をサポートする必要があるのだ。問題が発生したら(大抵は発生する)、メーカーは直ちにその問題に対処する方針だということをコンシューマーにはっきり伝えなくてはならない。この点に関してもAppleは抜かりがない。問題が起きたら同社はすぐに対処するのだ。同社は問題への対応の早さでは定評がある。iPhoneに対抗する企業は、PalmがPreで採用したような「沈黙主義」を守ってはならない。
課題10:アプリケーションにフォーカスする
製品をリリースしたら、ユーザーが利用できるアプリケーションの数を増やすことが急務となる。携帯電話市場ではアプリケーションが重要な戦場となったのだ。アプリケーションがなければ、Appleに対抗できる見込みはない。しかしiPhoneと競争できるほどの数のアプリケーションをそろえることができれば、事情が一変する可能性がある。
競合企業がiPhoneを打ち負かせる可能性は確かに存在するが、それは容易ではない。労力もお金も必要だ。Appleは当分、心配する必要がなさそうだ。状況が変わる可能性はあるが、今のところ、同社と渡り合える企業は見当たらない。
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