レッドハットが新事業戦略を発表、仮想化やストレージに注力
仮想化やストレージ、クラウド関連など、Linuxディストリビューション以外の事業分野の売り上げ規模を2倍以上に拡大していくという。
レッドハットは4月3日、2013年度(2012年3月〜2013年2月期)の事業戦略を発表した。廣川裕司社長は、同社の売り上げの約85%がLinux関連であることを明かし、2013年度はそれ以外の「仮想化」「ストレージ」「クラウド」「ミドルウェア」などの事業領域に特に注力していくと説明した。
「最も注力する」(廣川社長)という仮想化分野では、サーバ仮想化技術「KVM」や「Red Hat Enterprise Virtualization」の普及を目指す。またストレージ分野では、2011年に買収したGlusterの分散ストレージ技術を用い、いわゆる“ビッグデータ”の活用やクラウド向けに適したストレージ環境を提供していくという。
クラウド分野では、パブリッククラウド事業者との協業を進めるとともに、IaaS構築基盤「CloudForms」などの製品群も拡充していく。また、「JBoss」を中心としたSOA・ミドルウェア事業にも注力していくという。
廣川社長は、これらのLinux以外の事業領域を「BEYOND LINUX」事業と表現。2013年度は営業部門の増員や、パートナーとの連携強化、ユーザー企業のIT責任者との関係強化を通じ、BEYOND LINUX事業の売り上げ規模を「2倍以上に成長させる」としている。
一方、「Red Hat Enterprise Linux」を中心としたLinuxディストリビューション事業も引き続き強化する。主に金融業、通信キャリア、政府などで用いられているUNIXのリプレイスなどを通じ、前年度比で20%以上の売り上げ増加を見込む。
米Red Hatは会見に先立つ3月28日(現地時間)、2012年度のグローバルでの業績を発表している。売上高は前年度比25%増の11億3000万ドルと、オープンソース専業企業としては初めて10億ドルを突破したという。廣川社長は「日本はグローバルの売り上げの10%程度を占めている」と話し、2013年度は日本法人全体で前年度比30%以上の売り上げ増加を目指すと意気込んだ。
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