「コミケの文化を世界に」――Windows Azureで動く「コミケWebカタログ」開発の舞台裏(3/3 ページ)
30年以上の歴史を持つ「コミックマーケット」で、初の「Webカタログ」が公開された。取り組みの背景と狙いを、開発を担当したCircle.msに聞いた。
コミケは「ジパング」 Webカタログで「オタク文化を世界に」
Webカタログは、コミケ当日の参加者に限らずさまざまな地域の人々に見てほしいと佐藤社長。「コミケ参加者は関東在住が7割で、参加サークルも関東のものが5割。オタクは日本中にいるのに、コミケに来られない人がたくさんいる」
また「今は海外にもオタクがたくさんいる。コミケは昔でいう“ジパング”のように『日本にはすごいイベントがあるらしい』と海外でうわさになっている」と佐藤社長。Webカタログの提供を通じて「距離に関係なく、日本のサークルがコミケに出しているものを誰でも見られるようにしたい」という。
来年スタートする正式版では、コミケにコスプレで参加している人が自分の写真などをWebカタログ上に掲載できる機能を予定している。言語を超えて伝わる「写真」というコンテンツも含めて「コミケが作ったオタク文化を世界中に発信できれば」と佐藤社長は期待を込める。
また今後、毎回1万を超える“抽選漏れサークル”などの情報も、Webカタログ上に掲載できるようにする。その回のコミケに参加できなかったサークルの情報もWebカタログ上に継続的に掲載し、そのサークルがオンライン書店へのリンクを張って同人誌を販売したりできるようにする計画だ。「コミケWebカタログを通じて“コミケ4日目”(コミケ終了の翌日に同人誌書店などがにぎわう現象)をネット上で再現したい」(佐藤社長)
pixivやTwitterをはじめ、外部サイトとの連携も積極的に展開していくという。「最終的に目指すのは“オタクWebカタログ”。コミケはある意味オタクの代名詞だが、本だけではなく、オタクにまつわるものが全部集まるものを用意したい」と佐藤社長は意気込んでいる。
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