全てを取り込むWindows 10のアプリ戦略 Microsoftの切り札とは?:Enterprise IT Kaleidoscope(4/4 ページ)
Microsoftの開発者向けイベントではWindows 10に、iOSやAndroidアプリをも取り込んでいく具体的な戦略が示された。Microsoftの“切り札”とはどんなものだろうか――。
10億台のプラットフォームをテコに
Microsoftは、2018年にWindows 10がインストールされたデバイスが10億台になると予測している。これは、新規に発売されるPCやスマートフォン、タブレットだけでなく、既存PCからのアップデートを含んでいる。
逆にいえば、Windows 7/8/8.1からWindows 10へのアップグレードを1年間無料にしたのは、iOSやAndroidなどよりも最も市場のシェアを持つOSにすることが、今後のMicrosoftの成長を左右すると考えているのだろう(海賊版のWindows 7/8/8.1からもアップデートできるが、海賊版という状態は変わらない)。
新規のPCやタブレットに関しても、一定の規格を満たせば、OS自体が無償もしくは無償に近い金額でメーカーに供給されるだろう。現在もWindows 8.1 With Bingとして無償提供されているが、Windows 10ではさらに幅広いPCやタブレット、スマートフォンに広がるかもしれない。
とにかくMicrosoftは、iOSやAndroidよりもWindows 10デバイスの方が圧倒的に台数を多いことを示さないといけない。そうしないと、アプリ開発企業などからWindows 10用アプリ(UWPA)に取り組んでもらえなくなり、同社の存亡にかかわってくる。
PC用OSとして圧倒的なシェアを持っているからこそ、これまで多種多様なアプリが提供され、個人でも企業でもWindows OSが選ばれてきたからだ。その圧倒的なシェアがあるからこそ、サーバOSやサーバアプリケーション、クラウドなども伸びてきている。このまま状況に甘んじていると、好循環しているサイクルが断ち切られてしまうという危機感が同社にはあるのだろう。
iOS、AndroidなどのアプリをWindows 10に取り込むのも、ある意味形振りを構っては居られないような状況になり始めているのかもしれない。こういった状況を打破するために、Microsoftのサティア・ナデラCEOはドラスティックな方針に転換してきたのだろう。
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