検索
Special

ZendeskとAWSのパートナーシップが卓越したCXサービスの実現につながった理由進化するCXを最新テクノロジーで実現

カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上がビジネスに欠かせない要素となっている現在、CX向上につながるとして注目を集めているのがZendeskの統合型カスタマーサービスだ。同社は優れたCXを提供するためにAWSとパートナーシップを締結。相互に良い影響を与えているという両社の関係とは。

PC用表示
Share
Tweet
LINE
Hatena
PR

 クラウドファーストのトレンドをリードしてきた「Amazon Web Services」(AWS)は、日本でも金融や製造、小売りをはじめとする多様な業界で活用されており、多くの企業のビジネスアジリティー向上に寄与している。

 これを支えるのが、各業界の課題を深く理解した「AWSパートナー」の存在だ。本企画は、企業の課題解決とビジネスアジリティー向上において特に高い実績を誇るAWSパートナー企業にクラウド活用のヒントを聞いた。

オムニチャネル化が進むコンタクトセンターを支えるZendesk

 カスタマーエクスペリエンス(CX)の向上はあらゆるビジネスにおいて欠かせない要素だ。企業と顧客のあらゆる接点が対象で、商品やサービスの検討、購入、購入後などで顧客が適切なサポートを受けることで体験の満足度を高めればブランドの評価が上がり、次の購入やリピート購入につながることを多くの企業が認識するようになった。

 マーケティング担当者のミッションが広告や販売促進といった新規顧客の獲得にとどまらず顧客の継続利用やロイヤリティーの向上にも関与するようになったことで、カスタマーサポートとCXの改善の両方に取り組んでいるケースも増えた。

 「マーケティングとカスタマーサポートが同じ役割を担うようになり、CXへの投資が加速しています。成熟したマーケットは商品そのものでの差別化が難しいので、『サポートによる体験の向上』に投資する企業が増えているのです」と話すのは、Zendeskの日本法人で社長を務める冨永 健氏だ。

photo
Zendeskの冨永 健氏

 Zendeskは「世界中のユーザーに優れたカスタマーサービスを提供する」ことをミッションに掲げ、統合型カスタマーサービス「Zendesk」によってCXの向上をサポートしている。電話やチャットツール、メッセージングアプリ、SNSなど、さまざまなチャネルからの連絡をZendeskで一元管理して顧客対応を効率良く管理可能だ。過去のやりとりやサポート履歴も確認できるので、顧客ごとにパーソナライズした対応や迅速な課題の解決につなげられる。

 「コンタクトセンターへの問い合わせはこれまで電話が中心でしたが、昨今は電子メールやWebフォームなどの時間に縛られない問い合わせ窓口を求める顧客が増えています。そうしたニーズを背景に、オムニチャネルをサポートしているZendeskが効果を発揮しています」

photo
Zendeskの製品群と各サービスの役割(提供:Zendesk)

インフラとコンタクトセンターでAWSを採用した背景

 Zendeskが優れたCXを提供できている理由の一つとして、AWSとのパートナーシップが挙げられる。両社の関係はZendeskがAWSを採用した2011年にさかのぼる。

 「2007年のZendesk設立以来、自社でデータセンターを運用していましたが、ユーザーが増えるたびにハードウェアを購入するのは非効率だと考えました。スケーラビリティを高めるためにオンプレミスからAWSに移行し、現在は全サービス基盤をAWSで運用しています」

 AWSは、音声通話などの機能をそろえたコンタクトセンター向けサービス「Amazon Connect」を2017年にリリースした。Zendeskは独自のコンタクトセンターを保有していたが、Amazon Connectを融合させることでよりパーソナライズされたCXを実現できると考え、AWSとのパートナーシップを2019年に締結した。

 Amazon Connectを採用することでZendeskが抱えていたインフラの課題も解決した。Zendeskはサービスのクラウドリフトを進めていたが、音声通話に必要なPBX(構内交換機)がオンプレミスに残ってしまうという技術的な課題があった。音声通話の業務だけはPBXが設置された場所に限られていたが、Amazon Connectを統合することでこの課題も解決した。

 「Amazon Connectによって在宅でもコンタクトセンターの業務ができるようになり、場所を問わない運用が強みのZendeskと見事にマッチしました。Amazon Connectは多機能で大規模なコンタクトセンターに対応しており、数千席規模の運用実績もあります」

 冨永氏の話を受けて、アマゾン ウェブ サービス ジャパンの渡邉宗行氏(パートナーアライアンス事業統括本部 常務執行役員 事業統括本部長)は連携の効果を次のように語る。

 「CXの重要性が高まり、オムニチャネル対応と最新テクノロジーの活用が不可欠になっています。パートナーシップを結ぶことでAmazon ConnectとZendeskの強みを掛け合わせられるようになり、これまでにない高付加価値のCXサービスをお客さまに提供できます」

photo
アマゾン ウェブ サービス ジャパンの渡邉宗行氏

複雑化、多様化する問い合わせをAIがフォロー

 AWSとの連携はZendeskのサービスインフラとAmazon Connectの利用にとどまらない。「常に最先端のテクノロジーを取り入れていることがAWSの魅力です。今はAWSのAIに注目しています」と冨永氏は語る。

 いちユーザーでもあるZendeskの期待に対して、渡邉氏は「AWSはユーザーのニーズを起点にインフラと要素テクノロジーを開発しています。Zendeskさまから寄せられるさまざまな要望を機能改善などにつなげることで、共により良いサービスを提供する世界を目指しています」とパートナーシップの価値を語る。

 ZendeskはすでにAWSのAI機能をサービスに組み込んでいて、各社のAI機能と組み合わせて顧客とのやりとりの要約にAIを使っている。コンタクトセンターが電話で対応した後に、問い合わせ客に電子メールで資料を送付し、それでも解決しなかった質問にチャットで答える――こうしたケースでは、問い合わせを引き継いだオペレーターがこれまでの全ての経緯を把握するのは難しい。Zendeskは、生成AIを使って顧客とのやりとりを要約し、時系列で整理してオペレーターに表示している。

 「お客さまが抱えている問題は年々複雑化していて、コンタクトセンターのオペレーターが一問一答で答えられる時代は終わりつつあります。複数の部門や担当者が協力して対応することが必須ですが、お客さまが『たらい回しにされている』と感じてしまってはいけません」(冨永氏)

 推奨される回答を生成AIを使ってオペレーターに提示する仕組みもある。学習データの調整やRAG(検索拡張生成)を導入によってハルシネーションを抑制。「入力した住所が間違っていたので変更したい」「商品が壊れていたので返品したい」といった一定の回答パターンがある問い合わせはAIによる対応で完結させられる予定だ。

 「カスタマーサポートとAIは相性が良く、将来的には問い合わせの約80%をAIだけで回答できるようになると考えています。ZendeskがAI活用を進めるとき、その裏にはAWSのAIが稼働しています。AWSはプラットフォームとしてもはや不可欠であり、支え合う関係です。最先端のAIテクノロジーに今後も期待しています」(冨永氏)

photo
Zendesk製品のAI機能(提供:Zendesk)

 「AWSは生成AIサービス『Amazon Bedrock』を提供していますが、これが今後もベストだというわけではありません。より良いモデルが登場すれば取り入れますし、新しいモデルに入れ替えてもそのまま動く仕組みを用意しています。Zendeskさまとグローバルレベルで結んでいるパートナーシップを基に、最先端のテクノロジーをより早く、よりスムーズにリリースします」(渡邉氏)

AWSアカウントでZendeskをそのまま利用できる「AWS Marketplace」

 ZendeskとAWSの連携で外せないポイントが「AWS Marketplace」だ。Zendeskはソリューションを同社公式Webサイトで販売しているだけではなく、AWSのオンラインストアであるAWS Marketplaceでも購入できるようにしている。

 「AWSを利用する延長線上でZendeskのコンタクトセンターを利用することでAWSアカウントに請求を集約できます。社内の稟議(りんぎ)プロセスなどを簡素化でき、迅速な意思決定につながるといった声も頻繁に聞きます」(冨永氏)

 「ZendeskとAWSの共通点はスタートアップやスモールビジネスから口コミで広まったこと」と冨永氏が語る通り、クレジットカード1枚でどちらもすぐに利用できる。システムインテグレーションは不要で、コンタクトセンターを1席から立ち上げられる。AWSアカウントを保有していれば最短数時間でコンタクトセンターを立ち上げて問い合わせを受けることが可能だ。

言語のギャップを超えて日本マーケットのニーズに応える

 Zendeskは日本ならではのニーズにも対応すると冨永氏は強調する。同社はデンマークで創業し、その後資金調達のためにシリコンバレーに拠点を移した。こういった経緯から、同社はグローバリゼーションを強く意識するようになった。

 「AIを基にした機能の品質は使用する言語によって差が出るので、最新情報のキャッチアップに努めています。日本語は世界的に見ると特殊な言語なので、AWSとのパートナーシップを生かして新しいテクノロジーを積極的に活用し、品質をより高めていきます」(冨永氏)

 ゆくゆくはAWSの音声読み上げサービス「Amazon Polly」を日本語の自動応答に適用する考えだ。フリーダイヤルなど日本独自のサービスに対応し、より満足度の高いサービスへと進化を続けると冨永氏は明かす。

 「ZendeskさまはCXに関してグローバルレベルで先端を走る企業です。AWSのサービスをうまくご活用いただくことで、お客さまにより良いテクノロジーを、より早く、より低コストで届けることができるはずです」(渡邉氏)

photo

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2024年12月3日

ページトップに戻る