「Amazon Prime Video」「Netflix」「Hulu」など、有料サブスクリプション(購読)型の動画配信サービスが人気を集めています。もちろん、基本的に無料で楽しめる「YouTube」も、若い人を中心に根強い人気を誇っています。
手持ちのテレビなど、これらの動画配信サービスを大きな画面で楽しむなら「セットトップボックス(STB)」と呼ばれる映像機器があると便利です。この記事では、STBを選ぶ上でチェックすべきポイントを確認しつつ、それを踏まえたおすすめ機種を紹介します。
狭い意味でのSTBは、本体ボタンやリモコンなどを使って、再生する動画や音楽を選択する機能を備えます。テレビチューナー(またはそれに相当する機能)を備え、番組を録画する機能を用意しているものもあります(USBハードディスクを別途用意する必要があるものもあります)。
最近のSTBの一部は、スマートフォンでおなじみのAndroid OSをテレビに最適化した「Android TV」を採用しており、後からアプリを追加することができるようになっています。アプリを追加することで、新しい動画サービスに対応したり、大画面でゲームを楽しんだりできるので、買った時よりも“機能強化”できます。
Android TVを搭載するSTBは、USB端子やBluetoothを介してキーボードやマウス、ゲームパッドをつなぐこともできます(※1)。特にゲームを楽しむ際は、ゲームパッドをつなぐと快適になります。
(※1)これらを接続できない、あるいは接続することが非保証であるSTBもあります
一方、このようなSTBは多機能であるが故に、値段も高くなりがちです。動画や音楽を流すこと“だけ”に専念するような使い方をするなら、広い意味ではSTBに含まれる「キャストデバイス」がおすすめです。
キャストデバイスは、スマートフォン、タブレットやパソコンのアプリからの指示を受けて、インターネット上にある動画や音楽を再生するための機器です。狭い意味でのSTBと比べると、1台でできることはほとんどありませんが、購入費用をグッと抑えることができます。
STBの形状はさまざまです。特にキャストデバイスに多いのが、本体のHDMI入力端子に本体を直接差し込む「スティック(直挿し)タイプ」です。その多くはUSBケーブルを使って電源を確保するのですが、USB端子を備えるテレビなら、テレビへの接続だけで全てが完結します。
ただし、USBケーブルで電源を取るタイプのSTBをUSB端子のないテレビで使う場合は、ACアダプターを別途用意しなくてはいけません。その点だけは気を付けてください。
一方で、いわゆる「据え置きタイプ」のSTBもあります。テレビとはHDMIケーブルで接続し、電源は付属のACアダプターで取ります。テレビチューナー(相当の機能)を備えるものは、おおむね据え置きタイプで、録画用のハードディスク(HDD)を内蔵しているものもあります。
STBを設置する主目的は、テレビで動画や音楽を楽しむことだという人が多いと思います。その際に少し気を付けてほしいのは、自分の使っているサービスに対応しているかどうかです。
Android TVを使っているSTBや、Amazonの「Fire TV」シリーズではアプリをインストールすることで対応するサービスを追加できます。ただし、アプリ側の対応も必要なので、自分が買おうとしているSTBが使おうとしているサービスに対応しているかどうか確認することをおすすめします。
ちなみに、Android TVを使っているSTBは、「Chromecast」に対応するスマホ、タブレットやPCのアプリからのキャストにも一部を除いて対応しています。直接アプリを導入できない場合は、スマホなどからのキャストで視聴できます。
上記のポイントを踏まえて、おすすめのSTBを4つご紹介します。
据え置きタイプのNTTドコモ純正STBで、Android TV 9を搭載しています。「ひかりTV for docomo」を始めとするドコモの映像サービスの視聴に対応している他、別途アプリをインストールすれば「Amazon Prime Video」や「AbemaTV」「TVer」なども楽しめます。もちろん、「YouTube」も視聴できます。税込みの実勢価格は1万8000円弱です。
最大で4K(3840×2160ピクセル)での映像出力に対応しており、出力先のテレビが対応していれば、明暗差をよりクッキリと表現できる「HDR(ハイダイナミックレンジ)」コンテンツの再生も可能です。
ちなみに、ひかりTV for docomoを契約していると、地上波デジタルテレビ放送(地デジ)、BSデジタルテレビ放送やBS 4Kも受信できます(※2)。外付けのUSB HDD/SSDを用意すれば、番組の録画も可能です。
(※2)放送の再送信に同意している放送局のみ受信できます。地デジの視聴と録画は一部地域のみ対応します。テレビ機能の詳細はNTTドコモのWebサイトで確認してください
Amazon純正のスティックタイプのSTBです。自社のAmazon Prime Videoだけではなく、アプリを追加することで、YouTube、AbemaTVや「Netfix」など幅広い動画配信サービスも楽しめます。価格は税込みで6980円です。
その名の通り、最大で4Kでの映像出力に対応しており、4Kテレビに接続することでAmazon Prime Videoにある4K作品をバッチリ楽しめます。HDR映像にも対応します。
基本的にはWi-Fi(無線LAN)環境が必須ですが、別売の「有線LAN接続用アダプタ」(税込み1780円)を用意すれば、有線LANしかない環境でも利用できます。PORTERとコラボした持ち運び用のトラベルケース(税込み8980円)もあるので、旅行先などにも持ち運べます。
「4Kテレビに接続する予定はない」という人には、下位モデルの「Fire TV Stick」がおすすめです。映像の最大出力解像度がフルHD(1920×1080ピクセル)までとなり、HDR出力に非対応であること以外はFire TV Stick 4Kと同じ機能を備えます。価格は税込みで4980円です。
Google純正の4K対応キャストデバイスで、税込みの実売価格は1万円弱となっています。HDR映像にも対応していますが、あくまでもキャストデバイスであるため、動画や音楽を再生する際はスマホ、タブレットやパソコンのアプリからの再生指示が必要です。
ただし、端末で表示している映像をChromecastに直接伝送する機能を備えている一部のAndroidスマホ/タブレットなら、キャスト非対応のアプリの映像や音声も伝送できます。
「4Kテレビに接続する予定はない」という人には、下位モデルの「Chromecast(第3世代)」がおすすめです。税込みの実売価格は5000円程度です。
ピクセラのBS/CS 4K放送対応テレビチューナーで、税込みの実売価格は1万円半ば〜2万円程度です。
別途アンテナを用意すれば、地デジ、BSデジタルテレビ放送、110度CSデジタル放送やBS/CS 4K放送を楽しめます。別途USB HDD/SSDを用意すれば録画もできます(※3)。Android TVを搭載するSTBとしての機能も備えており、YouTubeはもちろん、Netflix、HuluやAbemaTVなども楽しめます。
なお、このチューナーに付属するリモコンは必要最低限の機能を備えるものなので、テレビチューナーとしての機能をもっと便利に使いたい場合は、別売のリモコン(税込み実売価格4500円前後)を購入することをおすすめします。
(※3)テレビの録画機能を利用する場合、本体の出荷時期によっては購入後にソフトウェア更新を行う必要があります
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