9月に発売された「iPhone 13」「iPhone 13 Pro」シリーズはカメラに関するアップデートが多くありました。
従来機種と比べて進化したカメラと撮影機能について、5つのポイントにフォーカスしておさらいしましょう。
まず、カメラ周りのスペックを確認しましょう。画素数は変わらないものの、13/13 Proはセンサーサイズが大きくなり、レンズも明るくなりました。
具体的には、iPhone 13/13 miniでは、1.7μmピクセルのセンサーを搭載し、従来機種から光を47%多く取り込むことができるようになりました。
また、iPhone 13 Pro/13 Pro Maxでは、さらに大きい1.9μmピクセルのセンサーを搭載。f値については、広角カメラが従来モデルのF1.6からF1.5へ強化され、超広角カメラがF2.4からF1.8へ強化されました。
その結果、暗所など厳しい条件下でより美しい写真や動画が撮影できるようになり、ナイトモード時の処理時間も短くなりました。
加えて、13/13 Proのシリーズ4機種で光学式手ブレ補正の「センサーシフトOIS」を採用した点も大きなトピックです。
iPhone 13シリーズでは「トーン」と「暖かみ」という2項目を事前に調整し、写り具合を事前にカスタマイズできる「フォトグラフスタイル」という機能が追加されました。同機能はフィルターとは異なり、撮影後の再調整はできません。
単純なフィルターと異なるのは、機械学習によって、被写体の肌の色味の変化を抑えつつ、背景の色味を変えていけるということ。ただし、「トーン」や「暖かみ」の値を大きくしすぎると、肌の色味が変わってしまうので、完全に影響がゼロというわけではないようです。
動画では、被写体に合わせて近景や遠景をぼかせる「シネマティック」モードでの撮影が可能になりました。その名の通り、まるで映画の様な奥行を生かした動画が撮れます。
操作方法はシンプルで、カメラの操作画面で、「写真」と「ビデオ」を切り替えるように「シネマティック」モードを選べば、あとは撮影するだけ。基本的には、画面に映った被写体に応じて、自動で焦点が定められていきます。画面タッチでの調整も可能です。
また、動画データに深度情報が記録されていることも特徴。撮影後に「写真」アプリ内の編集機能から、近景と遠景のボカす位置や、ボケの強さなどを再調整できます。
13 Proの2機種に関しては、プロフェッショナル向けのコーデック「ProRes」での撮影にもアップデートで対応予定です。なお、一部容量の小さいモデルでは、対応するフォーマットが制限されます。
逆光など明暗差が大きいシーンで撮影すると、明るい部分が真っ白(白飛び)に、暗い部分が真っ黒に(黒つぶれ)になってしまう場合があります。こうした場合に明るい部分も暗い部分も描写できるのがHDR機能です。
iPhoneでは「スマートHDR」と呼ばれ以前から搭載していますが、13/13 Proでは技術名も「スマートHDR 4」へと進化。具体的には、複数人が逆光で映っているような写真において、それぞれの人のスキントーンを正しく認識して最適化できるようになったことがポイントです。
iPhone 13 Pro/13 Pro Maxに関しては、搭載する望遠カメラの仕様が光学3倍相当へと進化しました。
従来の光学2倍または2.5倍と比べて、より遠くの被写体を鮮明に捉えられるようになっています。また、はじめて望遠カメラがナイトモードに対応したこともトピックです。
さらにProシリーズの2機はマクロ撮影に対応したこともポイント。撮影モードの切り替えなどは必要なく、被写体にカメラを近づけるだけで、自動でモードが切り替わり、最短2cmの距離で被写体を撮影できます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.