移動手段でもある車の中で寝泊まりする「車中泊」は、マイペースに自由な旅行を楽しむ手段として人気が高まっています。
単に車内で寝るだけならシートを倒せばいいのですが、よく眠って十分に旅の疲れを取ったり、車内の時間を楽しんだりといった本格的な車中泊を楽しみたいなら、さまざまな工夫が必要になります。
ベース車の選択も大切なポイント。さまざまな車がある中から、今回は、コンパクトカーと軽自動車の現行車種の中から、車中泊に使いやすい車種をピックアップして紹介します。
*掲載した車の価格(税込)は2023年3月14日現在のものです。
Fav-Log編集部員としてアウトドアや家電、ガジェット、車などを担当。ITmediaで長くITトレンドやネットの話題、業界事情、ガジェットなどを取材する一方、学生時代の野宿旅行から各地でキャンプを楽しんできました。キャンプのポリシーは「シンプルに」。最近は三浦半島に通って海釣り(主にライトゲーム)を楽しんでます。ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定AFP)。思い出のキャンプ地は大雪山・旭岳のテント場。最愛のガジェットはJornada 690。好きな魚はカサゴとオオモンハタ。
本格的な車中泊では「快適に眠れること」が最重要ポイントの1つ。車のシートではなかなか熟睡はできないものですし、しっかり眠れないと翌日の運転にも響きます。
ですから、本格的な車中泊を楽しみたい方におすすめなのは「車内で快適に眠れる環境を作れる車」です。ゆったりと横になり、脚を伸ばして眠れる環境を車内に作れるような車が望ましいということになります。
具体的には、車内のシートを倒すなどして「フルフラット(平ら)」にできる、ハッチバックを備えた車が車中泊に向いています。車によってフラットになるシートアレンジはさまざま。最近は車メーカーも車中泊を意識し、フルフラットなアレンジができることをうたい文句にする車種も増えています。
フラットとはいってもシートの間に隙間ができたり、多少の凹凸ができたりする場合もあるので、基本的にはマットなどを敷くのが前提です。フルフラットにならない車でも、市販のマットなどを使うなど、さまざまな工夫をすることで快適なベッドを作っている人もいます。
ネット上にはこうした先人のノウハウが集まっており、特に人気の車種は車中泊に特化したカスタム例や社外品のカスタムパーツも豊富です。自分が今乗っている車種で検索してみるのもよいでしょう。
価格(税込)::195万円〜310万8000円
コンパクトミニバンの人気モデル「シエンタ」。2022年に登場した新型は、3列シートの7人乗りと2列シートの5人乗りが設定されており、それぞれ多彩なシートアレンジが可能になっています。
特に2列シート車は、後席を倒すことでフルフラットになります。バックドアの開口部が縦横に広く、荷室フロア高が約50cmという低床なので、車中泊の際の乗り降りや荷物の積み卸しが楽なのもポイントです。
ハイブリッドモデルは、オプションで荷室などにアクセサリーコンセント(AC100V)を設置でき、1500Wまでの家電を利用できます。
価格(税込):227万5900円〜327万8000円
ホンダのコンパクトミニバン「フリード」は、さまざまなシートアレンジが可能で、車中泊のベース車として人気の車の1つです。
特に2列シート・5人乗りの「フリード+」(フリードプラス)は、リアシートを倒すことで余裕のあるフラットな空間が生まれます。荷室の床下にも荷物を収納できるスペースがあるので便利です。
価格(税込):142万8900円〜223万円
ホンダの軽ハイトワゴン「N-BOX」。先代モデルでは、室内をフラットにできる「N-BOX+」という車中泊に最適なグレードがありましたが、2017年のフルモデルチェンジで残念ながら消滅してしまいました。
ただ、現行モデルでもフラットに近いシートアレンジが可能な上、人気車種だけに車中泊向けの社外パーツも豊富なのがポイントです。
価格(税込):127万6000円〜187万2200円
ホンダの軽バン「N-VAN」は荷物配達などを想定した商用車として開発されていますが、車中泊にも向くことがうたわれている車種の1つです。
商用車の軽バンだけあって、荷室と収納の自由さが特徴。低床な荷室だけではなく、助手席までフラットにすることができ、かなり余裕のある空間を作ることができます。
乗用車的な利用を想定した「+STYLE FUN」グレードはデザインもかわいらしく、ターボの設定もあるので走りも楽しめます。
価格(税込):136万5100円〜181万7200円
スズキの軽自動車「ハスラー」は、クロスカントリー風のエクステリアデザインでアウトドア好きにも人気の車種です。
広々とした車内空間とシートアレンジの豊富さも人気の理由。左右独立式の後席と前席を倒すことでフルフラットな空間を作れます。
フルフラットになる車種に、車中泊のために作られている専用マットを敷けば快適な空間が出来上がります。ショッピングサイトで人気の車中泊マットをチェックしてみてください。
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