2022年秋に発売された「iPhone 14」。2023年3月に新色の「イエロー」が追加されました。
明るくて良い色ですが、そういえばイエローのiPhoneが出たのは何年ぶりでしたっけ? 今回は、iPhoneのカラーバリエーション展開について振り返りつつ、最近の傾向について考えてみたいと思います。
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
過去のiPhoneの仕上げについて、振り返ってみましょう。まず、初代iPhoneは、カラーが1色のみ。「iPhone 3G」からは「ブラック」と「ホワイト」、そして「iPhone 5」で、その派生である「ブラック&スレート」「ホワイト&シルバー」が出てきます。この辺りが初期iPhoneのカラーラインアップですね。
その後のモデルも含めて、一覧表にまとめてみると以下の通り。すこし文字が小さいですが、全体の傾向を把握する用途として作ったので、ご容赦ください。
ポップなカラーが並ぶようになったのは、2013年のこと。例えば、廉価モデルの「iPhone 5c」では、「ホワイト」以外にも、「ブルー」「グリーン」「ピンク」「イエロー」といったバリエーションが用意されました。同時に「iPhone 5s」では、「ゴールド」「シルバー」「スペースグレイ」という、その後も長く愛されることになる基本色が採用されました。
最近では、すっかりおなじみとなった赤い「(PRODUCT)RED」も、iPhoneシリーズとしての初登場は2017年です。「iPhone 7/7 Plus」で初採用されてから、スタンダードモデルとSEのシリーズで継続的に採用されています。ちなみに、iPhone 7〜8の世代では、翌年春に新色として追加される特別モデルという扱いでしたが、「XR」以降からは、発表時に基本のラインアップに追加されている状態になりましたね。
ちなみに、春に新色が登場する流れは、(初期のiPhone 4のホワイトが翌年春に伸びたことを除けば)この「(PRODUCT)RED」が出始めたころから見られるようになったルーティンのようです。毎年ではありませんが、2017年から継続的に追加色が翌年に発売されているのがわかります。
その後、明らかにカラーのバリエーションの傾向に変化があったのは、2018年の頃です。例えば、「iPhone XR」では「ブラック」「ホワイト」「ブルー」「イエロー」「(PRODUCT)RED」そして「コーラル」という6色展開となりました。この「コーラル」が出始めたころから、各世代における特徴的な仕上げが目立つようになります。
例えば、「iPhone 11」では「パープル」が、「iPhone 11 Pro/Pro Max」では「ミッドナイトグリーン」が、「iPhone 12 Pro/Pro Max」では「パシフィックブルー」、「iPhone 13 Pro/Pro Max」では「シエラブルー」や「アルパイングリーン」、「iPhone 14 Pro/Pro Max」では「スペースブラック」や「ディープパープル」などの新しい仕上げが採用されました。また、これらの仕上げは、その世代のみで採用されており、何世代も継続されることはいまのところありません。
一方、長く続いた「スペースグレイ」という基本色は、2019年の「iPhone 11 Pro」を最後に登場していません。変わりに登場したのが、「グラファイト」や「ミッドナイト」「スペースブラック」です。
名前が同じでも、同じ色とは限りません、例えば、同じ「ブルー」という名称でも、すべての世代でその青さが共通しているわけではないのです。一方で、「グラファイト」「ミッドナイト」と名称が異なっても、名称を知らない人ならば、「黒いモデル」として認識するかもしれません。
そこで、ここでは先ほどの表組を、こうした色の系統ごとに整理してみました。
世代ごとに仕上げの名称は変化していますが、2018年以降については、ブルーやグリーン、パープルなどの系統も強化されていて、カラーが満遍なく提供されている傾向がわかります。その評価はさまざまですが、選べる色が増えるのは、ユーザーとして楽しいですね。
ちなみに、皆さんの思い入れのあるカラーは何だったでしょうか? 筆者としては「シルバーが欲しかったのに、店頭で売っていなくて、しぶしぶ購入したゴールド」が懐かしいです。
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