文科省の取り組み「GIGAスクール構想」により、児童・生徒1人に1台、パソコンやタブレットなどの端末と高速ネットワークが整備されるようになりました。パソコン・タブレットを自宅に持ち帰って使える学校もありますが、利用用途が学習に限定されているところが多いようです。
せっかく慣れ親しめるようになったパソコンやタブレット。自宅で子供も使えるようにすれば、より習熟度が高まるでしょう。子供が安全に使えるモード(キッズモード)を搭載していればトラブルに遭遇することを防げ、利用時間や使用するアプリを保護者がコントロールすることも可能です。
また、予算が気になりますが、Androidタブレットなら2万円前後から、標準のiPadなら5万円前後からと、比較的安価に購入できます。子供が自分だけのタブレットを欲しがったら、子供向けに作られた製品を検討してみましょう。
徳間書店にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。業界で数少ない女性ライターで、スマートフォンなどのモバイル端末紹介を中心に、Web媒体や雑誌で執筆活動を行う。
Twitter:@fusano
Androidタブレットの場合、Googleが提供するキッズモード「Google キッズスペース」に対応しているか確認してみてください。Google キッズスペースは13歳未満向けに提供されていて、年齢や興味に適したアプリ、書籍、動画を利用できます。利用するには子供用のGoogleアカウントを作る必要があります。
Google キッズスペースには「ホーム」「あそぶ」「よむ」「みる」「つくる」の5つのタブがあり、Google Playのアプリや書籍、YouTube Kids動画などのコンテンツを利用できます。アプリと書籍は幼児・児童教育の専門家とメディアの専門家の審査を受けています。
保護者は「ファミリーリンク」からGoogle キッズスペースのアプリを管理できます。ファミリーリンクでは、アプリを子供がインストールする際に保護者の承認を得ることを必須にするかどうか、広告を含むアプリを表示するかどうかなどを指定できます。また、利用時間の管理、アプリのブロック、YouTube Kids動画の設定変更、子供のGoogleアカウントで利用できるその他のサービスの管理も行えます。
子供用のApple IDを作成し、「ファミリー共有」でペアレンタルコントロールを設定すると、子供に見られたくないデータにはアクセスできないようにしつつ、1台のiPadを子供と共有して使うことができます。
スクリーンタイムを使って、子供のiPadの使用状況を確認・管理できるほか、子供が購入やアプリの無料ダウンロードを実行するときに、保護者の承認を必要とするかどうかなどを設定できます。
子供専用のiPadを購入し、ペアレンタルコントロールを設定することも可能です。その場合は「スクリーンタイム」の「コンテンツとプライバシーの制限」から設定します。
10.61インチの液晶ディスプレイを搭載した、レノボ(Lenovo)の「Tab M10 Plus(3rd Gen)」は、Google キッズスペースを搭載したAndroidタブレットです。
ディスプレイは視野角が広く、色の再現性にも優れているので、鮮やかできれいな映像を楽しめます。4つのスピーカーを搭載し、迫力の上質なサウンドを実現する「Dolby Atmos(ドルビーアトモス)」に対応。動画を臨場感あふれるサウンドとともに楽しめます。
「リーディングモード」にすると目に優しい画面表示になり、紙の本のような感覚で見ることができます。電子書籍を読むときなども、色調を抑えた設定やモノクロ、グレイスケールに切り替えることで、目の疲れを軽減します。
バッテリーは約12時間稼働。メモリーは4GB、ストレージは64GB、プロセッサーはクアルコムのSnapdragon 680で、日常的な使い方には十分のスペックです。他に、最大1TBまで対応可能なmicro SDカードスロット、35mmのイヤフォンジャックも備えています。公式オンラインストアでの販売価格は、3万5800円(税込、以下同)です。
オウガ・ジャパンの「OPPO Pad Air」は、10.3インチの液晶ディスプレイを搭載し、薄さ6.9mm、重さ440gと薄型・軽量なAndroidタブレットです。Google キッズスペースを搭載しています。
周囲の状況に応じて、画面の明るさを調整する自動輝度調整機能や、ブルーライトを軽減し長時間の使用から目を保護する機能などを備えています。
ドルビーアトモスに対応した4つのスピーカーが左右対称に配置されているので、迫力のサウンドで映像を楽しめます。約12時間のビデオ再生が可能なバッテリーは、18Wの急速充電にも対応しています。充電を忘れていても、少しの時間の充電で使用することができます。
プロセッサーはクアルコムのSnapdragon 680、メモリーは4GBですが、7GBまで拡張可能。ストレージは64GBです。最大512MBまで対応可能なmicro SDカードスロットも備えています。販売価格は3万7800円です。
Amazonの「Fire HD 10」は、10.1インチのディスプレイを備え、32GBモデルなら2万円を切るリーズナブルな価格帯が魅力のタブレットです。Amazon Prime Videoをはじめとする各種動画配信サービスや、Kindleなどの電子書籍を気軽に楽しむことができます。
「Alexa(アレクサ)」と呼びかけて、天気やニュースを聞いたり、Alexa対応家電の操作ができたりするのも便利です。
「ペアレントダッシュボード」を使って、子供が楽しめるコンテンツの追加や削除、ブラウザの制御、学習目標や15分単位での利用時間の設定も可能です。年齢に応じて楽しめる数1000点のコンテンツを提供する「Amazon Kids+」を、1カ月間無料で利用できます(初めて利用する人のみ)。
プロセッサーはMediaTek製のオクタコアプロセッサー、メモリーは3GB、ストレージは32GBと64GBのものがあり、最大1TBまでのmicro SDカードが利用できます。バッテリーは最大12時間稼働します。
なお、AmazonのFireタブレットではGoogle Playを利用することはできませんが、Amazonアプリストアからアプリをダウンロードできます。Google Playほどラインアップは多くありませんが、基本的なアプリはそろっています。
「Fire HD 8 キッズモデル」はAmazonの子供向けタブレットで、この8インチディスプレイモデルのほかに、7インチモデル、10インチモデルもラインアップされています。
Fireキッズモデルは、Fireタブレット本体のほか、カバーと2年間の限定保証付きです。また、3〜12歳の年齢に沿った豊富なコンテンツがそろう「Amazon Kids+」が、最初の1年間は追加料金なしで利用できます(その後有料期間へ自動更新)。
1日のタブレット利用時間を15分単位で設定でき、時間が過ぎたら自動的に画面が変わって使いすぎを防ぎます。アプリ・本・ビデオのコンテンツごとに利用時間を設定したり、ウェブサイトへのアクセスを制限したりもできます。
保護者はスマートフォンやパソコン、タブレットから「ペアレントダッシュボード」にアクセスし、子供のタブレットを一時的にロックすることもできます。
プロセッサーはヘキサコア(6コア)で、メモリーは2GB、ストレージは32GBです。バッテリーは最大13時間稼働します。
10.2インチの液晶ディスプレイを備えた「iPad(第9世代)」は、現在、Appleの公式ストアで購入できるiPadで、最も買いやすいモデルです。iPadはGIGAスクール構想で利用できるタブレットとなっており、学校で使っているなら操作に迷わず使えるでしょう。
スペックでは最新モデルにおよびませんが、独自のプロセッサー「A13 Bionicチップ」が非常にパワフルで、快適な操作感です。別売りの「Apple Pencil」を使ったスケッチやメモ書きも非常にスムーズ。アプリも豊富にそろっています。
本体下部のホームボタンが指紋センサーになっていて、ロック解除が可能です。ストレージは64GBと256GBから選べます。バッテリーは最大10時間です。販売価格は、64GBのWi-Fiモデルだと、4万9800円です。
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