子供が小学生になると、学校や習い事、友達との外出など、出かける頻度がぐっと増えます。昨今は、スマートフォンから子供の位置情報を見守れるサービスが多く提供されているので、これらを検討してもよいでしょう。
費用も、デバイス本体の代金に5000〜1万円、通信量として月額500円強がかかる程度です。不測の事態を予防するためなら、決して高くはないといえるでしょう。
今回紹介するのは、「子供の見守り用GPS」です。スマートフォンと比べると、子供のアプリ利用によるトラブルを招きづらく、スマートフォンの持ち込み禁止の学校でも利用しやすいのがメリットです。充電頻度も少なくて済みます。
また、荷物に装着する紛失防止タグの類と比べると、GPSデバイス側からスマートフォンに通知やメール、音声メッセージを送れるなど、子供側から保護者へアクションを取れることも魅力です。
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
BBソフトサービスの「+Style(プラススタイル) まもサーチ3」は、2023年2月に発売されたGPSトラッカーです。「日本PTA全国協議会」および「全国子ども会連合会」の推奨商品にも認定されています。
公式サイトにおける本体通常価格は5280円(税込、以下同)で、通信料は月額528円または年額5500円から選べます。サイズは4.9(幅)×4.9(高さ)x1.55(奥行)cmと、手のひらに収まる大きさです。専用のソフトカバーは別売(1780円)で、10色から選択できます。
「+Style(プラススタイル) まもサーチ3」を子供に持たせると、今どこにいるのか、どんな経路を通ったのかを、登録しておいたスマートフォンのアプリ(まもサーチ)から、地図上で確認可能。移動履歴は過去90日分を保存できます。また、学校や塾など、いつも訪れる場所を登録しておくことで、そのエリアからの到着や出発を検知して、スマートフォンに通知が届きます。
子供側の操作としては、「+Style(プラススタイル) まもサーチ3」本体のボタンを約3秒間長押しすることで、現在地をスマートフォンに知らせることができます。
通信方式は、LTEの一部周波数帯のみを使用する「LTE-M(Cat.M1)」。ソフトバンクのLTE通信エリアでの通信が可能です。IP65の生活防水・防塵性能を備え、温度もマイナス10〜50度までサポートするので、天候を気にせず使えます。
バッテリー持ちは使用するモードによって異なり、「頻度優先モード」なら最長6週間、「バッテリー持ち優先モード」なら最長2カ月間となります。なお、USB Type-Cコネクターで充電が行え、満充電にかかる時間は約3時間です。
「どこかなGPS2」は、ソフトバンクが2022年12月に発売した製品です。前世代モデル「どこかなGPS」と比べると、2周波GPS(L1信号+L5信号)に対応し、測位精度が向上しています。
公式サイトでの価格は7480円。6カ月間は無料で利用でき、7カ月目以降は月額プランとして528円がかかります。サイズは約5.2(幅)x 5.2(高さ)x2.02(奥行)cmです。
基本的な機能は、「+Style(プラススタイル) まもサーチ3」と共通しています。現在地や移動経路などをアプリ(どこかなGPS)の地図上で確認でき、指定した地点への到着・出発の通知にも対応しています。自宅のWi-Fiを登録することで、より正確に帰宅の有無が分かります。
移動速度によって乗り物に乗っているかどうかを判断する「のりもの検知機能」などを備えているのもうれしい点です。
子供側の操作としては、本体側面のボタンを押すことで、メールが送信されます。なお、見守りが可能なスマートフォンは最大4台です。
通信方式は「LTE Cat.M1」で、ソフトバンク4G LTEエリアでの通信が可能です。防水・防塵性能はIP67と高めです。バッテリー持ちは、初期設定(3分更新)で最大1.5カ月です。
「あんしんウォッチャー」は、KDDIが、au HOMEブランドとして2021年7月に発売した製品です。
公式サイトでの本体価格は1万1000円。1年間は無料で利用でき、13カ月目以降はau Home基本利用料として、月額539円がかかります。サイズは約5(幅)x5(高さ)x1.88(奥行)cm。カラビナ・ストラップ付きの専用シリコンカバー(別売1760円)は3色から選べます。
こちらも現在地や移動経路などをアプリ(au HOME)の地図上で確認できます。指定した地点への到着・出発の通知にも対応。子供側の操作としては、本体ボタンを約3秒押すことで、スマートフォンのアプリに現在地を知らせることができます。
なお、au HOMEアプリの家族招待機能を使うと、複数の家族のスマートフォンからユーザーを見守ることができます。招待できる家族は、最大9人までです。
通信方式は、こちらもLTEの一部周波数帯のみを使用する「LTE-M」。KDDIのLPWAエリアでの通信が可能です。防水・防塵性能はIP55で、温度もマイナス5〜40度までサポートしています。バッテリー持ちは、最大1.5カ月間です。
なお、「あんしんウォッチャー」として提供されているプランは、やや難解。「あんしんウォッチャーLE」という製品もありますが、両製品の仕様は変わらないので、ハードウェアとしては同じという認識で問題ありません。
1台目の購入に向いているのが1年間月額無料で利用できる「あんしんウォッチャー」、2台目以降のデバイスとして本体費用を安く抑えられるのが「あんしんウォッチャーLE」のように理解しておくとよいでしょう。
「みてねみまもりGPS」は、MIXI(旧ミクシィ)が家族向け写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」のブランドとして、展開している子供用GPSタグです。最新世代は、2023年3月に発売された第3世代モデル。
本体価格は5808円(5月31日までは5227円)で、月額通信費として528円がかかります。サイズは4.8(幅)x4.8(高さ)x2.2(奥行)cmで、ストラップ・ケースも同梱されています。カラーは4色から選べます。
位置情報を見守れる機能を備えるほか、エリアの発着通知に関しては、子供がよく訪れる場所を自動で学習するAI機能を搭載しているのもポイントです。そのほか、歩数計としての機能も備えます。
子供側の操作としては、「お知らせボタン」を3秒間押すことで、保護者のスマートフォンに通知が届きます。また、ボタンを押してからの30分間は「緊急モード」に切り替わり、30秒間隔で位置情報を測位し、現在地をこまめに確認できるようになります。
同製品は、ドコモのLTE通信エリアでの通信に対応。防水・防塵性能はIP55で、温度は0〜45度までサポートしています。バッテリー持ちは、省電力モード利用時で最大2カ月間です。
ちなみに、お知らせボタンを備えない第2世代モデルも、やや安価に併売されています。
子供用GPSの中には、音声メッセージの受送信に対応したモデルも多くあります。例えば、Bsize(ビーサイズ)が2022年3月に発売した「BoTトーク」などが代表的な例です。
端末価格は5280円。通話に対応した「GPS&トーク」プランを選ぶ場合、月額料金は748円です。サイズは5(幅)x5(高さ)x2.1(奥行)cmとなっています。
「BoTトーク」は、位置情報や移動履歴などの確認のほか、AIによる行動エリアの学習機能や、エリアからの発着通知にも対応しています。また、スマートフォンからGPSへの音声メッセージ送信、およびGPSからスマートフォンへの音声メッセージ送信が、追加料金なく無制限で利用できます。
通信はドコモのLTEエリアに対応。バッテリー持ちはGPS&トークプランで「バッテリー優先モード」を使用した場合、1〜2週間強です。
少し子供側の操作が複雑になるので、おすすめ5選としてはピックアップしませんでしたが、カーメイトの「coneco」のようにテキストメッセージの送受信に対応した子供用GPSなども存在します。
子供の年齢や能力によっては、こうした製品も検討候補に加えてみるとよいでしょう。
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