筆者は2020年〜2022年まで、車中泊仕様に改造したボンゴバンで日本を一周していました。長い時では半年ほど車内で生活することもあったため、「家のように過ごせる車」をコンセプトに車内を改造。自作のキッチン、テーブル、ベッドを取り付けて、快適に過ごせるように工夫を凝らしました。
その中でも特にこだわったのが「ベッド」です。1日、2日の車中泊なら我慢できるものの、毎日寝るベッドとなると寝心地に妥協はできません。しかし、車内の空間は限られています。そこで筆者が選んだのが「伸縮ベッド」です。
今回は、そんな筆者がこだわった伸縮ベッドの作り方を紹介します。合わせて、おすすめの寝具や使ったアイテムについても紹介します。
全国を旅するアウトドアライター。コロナ禍をきっかけに前職を辞め、車中泊で旅をする「バンライフ」を始めました。自分でDIYをしたバンに乗っています。キャンプをしたり、登山をしたりと自然に触れることが好きです。日本を2周した経験を生かしつつ、「車」や「アウトドア」関連のことを記事にします。音響の仕事をしていたので、オーディオ関連の紹介も得意です。
筆者が制作した伸縮ベッドは、寝る際にベッドを伸ばして、マットレスを置くことで眠れる仕様です。はじめに、車内全体の大まかなイメージを考え、ベッドのサイズを決めていきます。筆者は身長153cmなので、160cmに合わせてベッドを作りました。枕を置くスペースが必要なので、身長よりも10cmほど大きめにするのがおすすめです。
1人分の場合、幅は70〜90cmのマットレスを使うのが理想。筆者は80cm幅のマットレスを使っていますが、元々は70cmで想定していたので、ベッドは70cmで作っています。マットレスが左右に5cmずつはみ出るものの、使用する分には問題ありません。
ベッドは本体と、伸縮部分の2つに分けて作ります。設計図の黒塗り部分は、枠下に取り付ける脚の部分です(写真参照)。筆者の設計図では、中央の脚の長さが左右で25cmと8cmで違う設計になっています。筆者が乗っているボンゴバンにはタイヤハウスがあり、荷室に出っ張りがあるためです。
この土台ができたら、図のようにスノコを載せていきます。このスノコが、本体と伸縮部分を重ねたときに身体を支えてくれる仕組みです。
設計図を書いたら、材料を準備します。今回使ったのは2×4(ツーバイフォー)材とイレクターパイプ、イレクターパイプのジョイント、その他工具・ねじです。イレクターパイプはベッドを伸ばした時、伸縮部分が土台からずれないためのストッパーの役割です。
材料を購入したら設計図に従って木材を切っていくのですが、筆者の場合はホームセンターのカットサービスを利用しました。店舗によっては工具を無料で貸し出していたり、有料で店員さんがカットしてくれたりします。家からの距離や木材の品ぞろえなどをチェックして、行きつけのホームセンターを見つけておくとよいでしょう。
切り出した木材を、設計図通りに組み立てていきます。まず、木材のねじを打ち込む位置に印を付けて、ドリルで穴を開けてからねじで固定します。最初は土台の枠組み部分を作り、脚を付け、スノコを付けます。
土台部分が完成したら、伸縮部分も同様に組み立てます。スノコ部分の幅を正確に測らないと、うまく組み合わせられないので注意しましょう。外側のスノコと脚を先に付けて、一度土台に載せてから中のスノコの位置を決めるのがおすすめです。
次に伸縮部分の裏にイレクターパイプのジョイントを取り付けます。イレクターパイプを取り付けたときに、土台の枠に当たらないように注意しましょう。ジョイントの位置を決めたら、一度イレクターパイプを取り外します。
最後は荷室にベッドを載せて、裏からイレクターパイプを取り付け、L字金具などで固定したら完成です。
なお、車中泊仕様へのDIYは、構造変更申請手続きが必要な場合や車検が通らなくなる場合もあるため、注意して行ってください。
筆者が実際に使っている寝具を紹介します。車の種類や作るベッドサイズによっても変わってくるので、参考にしつつピッタリなものを選んでみてください。
筆者は、IKEAの子供向け伸縮式ベッド用のマットレス「オムスィント」を使用しています。このマットレスは、子供の成長に合わせて130cm、165cm、200cmの3つの長さに変えることができます。
小さくたたむことはできませんが、マットレスを分解できるのが使いやすいポイント。寝心地を重視する人におすすめの商品です。
Coleman(コールマン)の「アドベンチャークッションバッグ/C5」は、横幅150cmの大きな寝袋です。半分にすれば別々の寝袋として使え、幅も75cmになるのでちょうど良いサイズ感です。快適温度は5度以上と、春〜秋の車中泊に対応可能です。
使わないときは、クッション型の収納袋に収納できるのも魅力です。
アイリスオーヤマの「充電式ドライバドリル18V JCD25」は、ドリルとしても使える電動ドライバーです。充電式なので、使用場所を選ばないのも使いやすい点です。
LEDライトも付いているので、暗い場所でも作業がしやすいのもポイント。アイリスオーヤマの他の電動工具とバッテリーを使い回せるのも、うれしい点です。公式オンラインストアでの販売価格は1万800円(税込)です。
DCM の「充電式丸のこ 165mm 18V」は、ケーヨーデイツーやDCMホーマックなどを展開する「DCM」のオリジナルブランド商品です。通常の丸のこに比べ安く、1万円以下で購入できるのがうれしい点です(別途バッテリー必須)。同シリーズであればバッテリーを使い回すこともできます。
DEKOの「168点 ホームツールセット」は、基本的な工具がそろうツールセットです。ドライバーセットやペンチ、ハンマー、メジャーなどが入っています。
DIYだけでなく、車やバイクのメンテナンスなどにも使えるので、1つあると便利です。DIYでは電動ドライバーだけでは締めにくいところもあるため、手動タイプのドライバーがあると安心です。
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