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ジャパンモビリティショーで来場者の心をつかんだ「大排気量クラスのバイク」 話題になった新機種3モデルを紹介

» 2023年11月27日 16時00分 公開
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 10月26日から11月5日までの11日間の会期中に111万2000人が来場した「ジャパンモビリティショー」。2019年開催の前回までは「東京モーターショー」と呼ばれていたこの国際的な見本市では、四輪・二輪を問わず各メーカーが魅力的なニューモデルを展示していました。

 今回は「大排気量バイク」の新機種の中から、特に話題となった3モデルを紹介しましょう

ジャパンモビリティショー・大排気量クラス ジャパンモビリティショー2023

大屋雄一

大屋雄一

モーターサイクル&自転車ジャーナリスト。短大卒業後、好きが高じて二輪雑誌の編集プロダクションに就職し、6年の経験を積んだのちフリーランスへ。ニューモデルの試乗記事だけでもこれまでに1500本以上執筆し、現在進行形で増加中だ。また、中学〜工高時代はロードバイクにものめりこんでいたことから、10年前から自転車雑誌にも寄稿している。キャンプツーリングも古くからの趣味の一つであり、アウトドア系ギアにも明るい。

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ジャパンモビリティショー2023・大排気量クラスのバイク:ヤマハ XSR900GP

ジャパンモビリティショー・大排気量クラス ヤマハ XSR900GP
  • 価格:未発表
  • エンジン形式:890cc水冷4ストロークDOHC4バルブ並列3気筒
  • 最高出力・最大トルク:119ps・93Nm
  • 車重:200kg
  • シート高:835mm
※諸元は欧州仕様

 ヤマハがレースで培ってきた歴史と精神を表現するべく、ネオクラシックモデルの「XSR900」をベースに、1980年代のグランプリマシンYZR500風の外装を与えたのが、「XSR900GP」です。

 以前からXSR900のフルカウルモデルが登場するとのうわさがあり、7月にイギリスで開催されたグッドウッドフェスティバルでは「XSR900 DB40 プロトタイプ」という名のマシンが披露されるなど、長らく“匂わせ”の状態が続いていました。

 ジャパンモビリティショー(以下、JMS)が開催される前日にヨーロッパで「XSR900GP」が正式発表されるや否や、この車名がSNSのトレンドで急上昇するという事態に。それだけ待ち望まれていたモデルなのです。

 自動車工業会の調べによると、日本のライダーの平均年齢は54.2歳とのこと。そんな彼らが20代の頃に経験したのがレーサーレプリカブームで、当時の憧れといえばホンダの「NSR500」やヤマハの「YZR500」といったグランプリマシンだったのです。

 XSR900GPは、カラーリングも含めてまさに当時のYZR500風のスタイルで登場したのですから、最も多い50代ライダーの心をわしづかみにするのは当然でしょう。なお、日本仕様の詳細なスペックは公開されていませんが、国内での発売時期については来夏以降とJMSで発表されています。非常に楽しみな1台です。

ジャパンモビリティショー・大排気量クラス ヤマハ YZR500

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ジャパンモビリティショー2023・大排気量クラスのバイク:カワサキ ニンジャZX-10R 40th Anniversary Edition

ジャパンモビリティショー・大排気量クラス カワサキ ニンジャZX-10R 40th Anniversary Edition
  • 価格:239万8000円(税込)
  • エンジン形式:998cc水冷4ストロークDOHC4バルブ並列4気筒
  • 最高出力・最大トルク:203ps・115Nm
  • 車重:207kg
  • シート高:835mm

 先述したXSR900GPと並び、50代ライダーのハートを捕らえて放さなかったのが、JMSで世界初公開となった「ニンジャZX-10R 40周年記念EDITION」です。

 すでに販売されている「ニンジャZX-10R」の外装を、緑・白・青に塗り替えただけといってしまえば確かにそうなのですが、この爽やかなカラーリングは1989年に発売された「ZXR400」というレーサーレプリカをモチーフとしています。

ジャパンモビリティショー・大排気量クラス カワサキ ZXR400R

 まさにXSR900GPと同様に、50代ライダーにとってはストライクゾーンど真ん中であり、あまりの懐かしさに感涙にむせぶ人もいたとかいないとか。

 実はこちらにも伏線はあったのです。2年前の2021年、量産車によるロードレース世界選手権において、カワサキチームはアルゼンチン戦に類似のカラーリングを施したZX-10Rで出場しています。

 これは川崎重工の創業125周年を記念したもので、当時も大きな話題となったのですが、イギリスで販売されたのみで終わってしまいました。つまり、今回発表された緑・白・青カラーは、ファンにとっては待ちに待ったという言葉がピッタリ当てはまります。しかも12月23日に日本でも発売されることが決定しました。

ジャパンモビリティショー・大排気量クラス カワサキ ニンジャZX-10R 40th Anniversary Edition

 車名の「40周年記念EDITION」とは、ニンジャというモデル名の誕生40周年を記念したもので、ZX-10R以外に「ZX-6R」「ZX-4RR」でも同様のカラーリングがリリースされます。フレームを当時のZXR400と同様にシルバーで塗装したり、燃料タンクに記念ステッカーをあしらったりするなど、カラーだけとはいえかなり凝っています。

 それでいて、ZX-10Rはベースモデルに対して3万3000円アップに抑えられているのはうれしいですね。

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ジャパンモビリティショー2023・大排気量クラスのバイク:カワサキ ニンジャ 7 ハイブリッド

ジャパンモビリティショー・大排気量クラス カワサキ ニンジャ 7 ハイブリッド
  • 価格:未発表
  • エンジン形式:451cc水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒
  • システム最高出力・最大トルク:69ps・61Nm
  • 車重:227kg
  • シート高:795mm
※諸元は欧州仕様

 ノスタルジックな2台に続いて紹介するのは、バイクとしては世界初となる量産型ストロングハイブリッドを導入した「ニンジャ 7 ハイブリッド」です。

 エンジンは451ccの水冷並列2気筒で、最高出力は59psですが、これに組み合わされるトラクションモーターによって最大で69psまでパワーアップします。

 スペック的には700ccクラスに相当することから、車名の数字が「7」なのでしょう。ライディングモードは、スポーツハイブリッド/エコハイブリッド/EVの3種類から任意に選択でき、さらに変速操作が不要なオートマチックモードや、モーターの動力によって前進・後退が可能なウォークモードまで導入しています。

 JMSのあとに開催されたミラノショーでは、これのネイキッド版である「Z7 ハイブリッド」が発表されるなど、カワサキの並々ならぬ注力ぶりがうかがえます。

 なお、ニンジャ 7 ハイブリッドについては、時期未定ながら国内導入が発表されていますので、気になっている方はもうしばらくお待ちください。

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