神秘的な銀世界を堪能できる雪山登山。夏山とはまた違った感動が味わえますが、過酷な環境の中を歩くため無雪期よりも必要な装備がたくさんあります。何からそろえればよいか迷う人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、雪山登山を始める人がまずそろえたいアイテムを紹介します。適切な選び方についても触れるので、ギア選びの参考にしてみてください!
フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信!リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
雪山を歩くには、保温性が高く雪や風から足を守る冬用の登山靴が必要です。低山ハイキング程度なら、防水性が高くアイゼンが装着できる硬いソールのある3シーズン用の登山靴でも歩くことはできますが、厳冬期の高山にも挑戦したいなら冬山用登山靴を購入しましょう。
冬山用の登山靴の特徴の一つは、保温性が高いこと。靴の内側に断熱性・保温性の高い素材が使用されており、外側もゴアテックスなど防水性の高い素材が採用されています。さらに、ソールが硬くフラットなのもポイント。雪の上や凍った道でも蹴り込みやすく、滑らずに安定して歩くことができます。
また靴の前後または後ろのみに、コバと呼ばれるスリットが入っており、アイゼンを装着するのに使います。
一言で冬用登山靴といっても、使えるシーン(厳冬期・残雪期、高山・低山など)によってさまざまなモデルがあります。また、靴と自分の足との相性も非常に重要。ショップに足を運び、複数のモデルを試し履きして選ぶのがおすすめです。
アイゼンは、雪や氷の上など滑りやすい場所での歩行をサポートするアイテム。底面に4〜6本の爪がついているものを軽アイゼン、10〜12本のものをアイゼンと呼びます。
1000m以下程度の低山で、滑落などの危険箇所が少ないスポットであれば軽アイゼンでも登ることはできますが、本格的な雪山を登るなら12本のアイゼンを購入するのがおすすめ。爪で雪面をしっかりととらえるため、急な斜面でも安定して歩くことができます。
アイゼンを選ぶ上でチェックするべきポイントは、ビンディングのタイプと登山靴との相性です。ビンディングとは、アイゼンを登山靴に装着するための器具のこと。前後にコバのある登山靴で使用できるワンタッチ式、かかと側にコバがあれば装着できるセミワンタッチ式、前後ともハーネスで固定するストラップ式と、3種類から選びます。
アイゼンは靴との相性がとても重要。靴の形に合わないアイゼンを使用すると歩行途中で外れる恐れもあるため、できれば自分の登山靴をショップに持ち込んで装着してみて、相性を確かめるのがおすすめです。
ピッケルは、雪の上を歩く際に体を支えたり、バランスをとって登ったりするために使う道具です。先のとがったピックを雪面に突き立てて登ったり、杖のように使ったり、転倒時にピックを雪に刺して滑落を止めたりなど、シーンに合わせてさまざまな使い方をします。
平坦な道を歩くスノーハイキングなどではトレッキングポールで十分ですが、急な斜面を上下するシーンではピッケルが必要。本格的な雪山登山をしたいなら、冬用登山靴とアイゼンの次にそろえたいアイテムです。
一般的な登山で使用するなら、シャフト(柄)がまっすぐ、または緩やかにカーブしているものがおすすめ(※シャフトが大きくカーブしているものはアイスクライミング用)。ヘッド(シャフトに対して左右に伸びている、ピックを備えた部分)を握った状態で、腕とピッケルを下ろした時、ピッケルの先端がくるぶしあたりにくる長さがよいとされています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.