トレッキングを楽しむ上で、シューズ選びは重要です。最近では、スニーカー感覚で履けるような軽量トレッキングシューズが注目されていますが、本当に軽ければ軽い方が良いのでしょうか?
軽量トレッキングシューズにはいくつかのメリットがあり、初心者から上級者まで幅広い層に人気があります。しかし、軽さを追求するあまりに見落としがちなデメリットも存在するのです。そこで今回は、軽量トレッキングシューズの魅力と注意点を解説します。
おかだあきほ
フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信!リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
かつてトレッキングシューズといえば、サポート力や保護力の高い重厚感のあるものが主流でした。しかし、最近ではスニーカー感覚で履ける軽量なトレッキングシューズが人気を集めています。
軽いトレッキングシューズは一般的に、重いものよりも取り回しが良く、足を前へ前へと動かし続ける強い推進力が得られるのがメリット。長時間の歩行でも足に負担がかかりにくい特徴があります。
しなやかな履き心地のものが多く、トレッキングシューズでの歩行に慣れていない初心者が違和感なく使えるのもポイント。また通気性に優れており、運動量が多い山行や気温が高い日にムレにくいのも人気の理由です。
一方で、軽量性を実現させるため、耐久性や保護力など、何かしらの機能性が犠牲になっている可能性もあります。そのため、トレッキングシューズを軽さだけで選ぶのはNG。いくつかのデメリットを押さえておきましょう。
まず、軽量シューズはサポート力が不足しがちで、使うフィールドによっては、つま先や足首、足裏の保護が不十分になることがあります。というのも、軽量なシューズは、アウトソールが柔らかいモデルが多く、岩場を歩くときや重い荷物を持って長距離を歩く際には、安定感に欠けることがあります。
岩稜帯や縦走などでの歩行には、多少重くなったとしても、硬いアウトソールのモデルを選ぶのがおすすめです。加えて、軽量なシューズはつま先が硬い素材で保護されていないものも多く、岩に足をぶつけた際に指や爪を傷めてしまう可能性があることも覚えておきましょう。
登山では、使用する山のレベルやコースタイムによってトレッキングシューズを使い分けるのがおすすめです。例えば、低山での2〜3時間の日帰りハイクには、しなやかな履き心地で通気性の高い、軽量なシューズがぴったり。
一方で、高山でのトレッキングや縦走では、ソールやつま先部分が硬く、ある程度のサポート力を持つシューズが適切です。またフィールドを問わず、雨天やぬかるみ対策として、防水性やグリップ力が高いものを選ぶようにしましょう。
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