大自然と触れ合いリフレッシュできる登山。しかし、不安定な道を長時間歩き続けることで疲れがたまり、楽しさが半減してしまうことも少なくありません。
そこで今回は、「登山で疲れにくい歩き方のコツ」を紹介します。快適かつ安全に登山を楽しむための歩き方をマスターして、美しい自然を満喫しましょう。
おかだあきほ
フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信!リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
登山において、疲れを最小限に抑えるための基本的なテクニックの一つが「小股で歩く」こと。長時間の山行では、大きな一歩で距離を稼ぎたくなりがちですが、普段よりも歩幅を小さくすることを意識し、チョコチョコと足を細かく動かして歩くのがおすすめです。
歩幅が広すぎると一歩ごとに体にかかる負担が大きくなり、ふくらはぎや足首の疲労が増加し、関節にも負担がかかります。特に急な斜面では、無理に大股で歩くとバランスを崩しやすく、ケガの原因になることも。
小さな一歩を刻むことで足の負担を軽減し、長時間の登山でも疲れにくくなります。小股で歩くことで体がグラつきにくく、滑りやすい路面でもグリップをきかせられるでしょう。
登山中の足の使い方にも注意が必要です。そこで、「フラットフッティング(フラット歩行)」と呼ばれる、足裏全体を平行に接地させ、つま先とかかとを同時に上げる歩き方を意識してみましょう。
通常のかかとから着地してつま先で蹴り出す歩き方は素早い足運びができる一方で、不安定な路面やぬれた木道では、足を滑らせたり、体のバランスを崩したりする原因になることもあります。
登山では足裏全体で地面を捉えることで、靴底のグリップ力を最大限に発揮させることができ、体のバランスも崩しにくくなります。足元が滑って体がブレたり転倒したりしてしまうと、心身ともにグッタリと疲れる原因に。はじめは違和感を覚えるかもしれませんが、意識して歩けば自然と身につくはずです。
上半身の姿勢も重要なポイント。山を歩く際には、上半身をなるべくまっすぐに保つことが重要です。
荷物が重い場合は、つい前かがみになってしまいます。前傾姿勢や足元に注意しながら歩くことは必ずしもNGではありませんが、背中が丸まっていたり、腰が引けていたりすると、背中や腰に余計な負担がかかり、疲れやケガの原因になります。
上半身をまっすぐに保つためには、肩をリラックスさせ、背筋を伸ばす意識を持ちましょう。また可能な限り、視線を前方に向けることで自然と姿勢が整います。疲れを感じた時に姿勢が崩れやすいため、こまめに姿勢をチェックし意識的に正すことが大切です。
急な斜面では、直線的に登るのではなく、ジグザグに登ることを心がけましょう。斜面に対して直線的に登る方が一気に標高を上げることはできるものの、一歩ごとに大きな力が必要となり、筋肉や関節への負担が大きいです。
ジグザグに登ることで、小さな段差を少しずつ上がることができ、足への負担を軽減することができます。斜面を斜めに横切るように歩くため歩行距離は増えますが、疲労感を抑えながら快適に歩き続けられるでしょう。
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