Appleは9月10日未明に行われたApple Eventにて「iPhone 16/iPhone 16 Pro」シリーズを発表しました。
ここではiPhone 16/iPhone 16 Proシリーズについて注目したい3つの進化ポイントを解説していきます。
井上晃
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
今回のモデルチェンジで最も注目すべきは、スタンダードモデルである「iPhone 16」および「iPhone 16 Plus」のスペックが強化されたことです。
画面サイズはこれまでのモデルと同じく6.1インチと6.7インチで変更はありませんでしたが、背面カメラの並びが斜めから縦に変わったことで外観の印象が少し変わりました。
スペック面では、搭載するプロセッサーが前モデルの「A16 Binonic」からナンバリングを2つ増やした「A18」へと進化したことがトピック。OpenAIのChatGPTとも連携する「Apple Intelligence」が利用できることは見逃せません。
また2023年に発売された「iPhone 15 Pro」のメリットだったAAAタイトルのゲームがプレイできる処理性能や、端末側面にアクションボタンが搭載されてカメラ関連の操作などが行えることにも注目です。
背面カメラは、メイン(4800万画素)+超広角(1200万画素)のデュアル構成ですが、メインカメラのイメージセンサーの中心部(1200万画素分)を使うことで実質的に2倍の望遠撮影ができるのは従来通りです。
このように数世代前のProシリーズのメリットもある程度カバーできているので、Proシリーズならではの機能で使いたいものがなければスタンダードモデルを選択すれば十分でしょう。
一方で搭載するUSB Type-CはUSB 2(最大480Mb/s)のまま。Proシリーズが搭載するUSB 3(最大10Gb/s)と差があるので、その点は理解しておきましょう。
上位のProシリーズは「iPhone 16 Pro」と「iPhone 16 Pro Max」の2モデル展開ですが、画面サイズはそれぞれ6.3インチと6.9インチへ微増。コンテンツ表示に、より適したモデルとなっていそうです。
サイズと重さについて前モデルiPhone 15 Proシリーズの仕様と比較すると以下の通り。サイズ自体も数ミリ増しています。
iPhone 15 Proの登場時は、モデルチェンジのたびに重さの増加が続いていたなかで「軽くなった」ことがひとつのトピックでしたが、機能強化とともに、また徐々に重くなっていくのかもしれません。
Proシリーズの仕様としてはプロセッサーによりハイスペックな「A18 Pro」を搭載していることがポイント。前モデルiPhoen 15 Proと比べても、同じ負荷の作業を20パーセント少ない電力で15パーセント高速に処理できるとしています。
とはいえ、大部分のユーザーにとってiPhone 15 Proの処理性能で困ることはほぼないレベルだったので、さらに処理性能と電力効率が良くなったと理解しておけば問題ないでしょう。
iPhone 16 Proも光学5倍望遠カメラを備え“Max”との違いが減ったなど、さまざまな新機能・仕様がありますが、ここでは3つの機能をピックアップして紹介します。
1つ目は「4K/120fpsのスローモーション」撮影ができるようになったこと。フレームごとのカラーグレーディングも映画レベルで処理できるようになっているとのことで映像作品を作るうえでより幅広い表現が可能になったことは見逃せません。
2つ目は「空間ビデオ」だけでなく「空間写真」も撮影できること。母数はまだまだ限られるでしょうがApple Vision Proユーザーは注目です。
3つ目は録音用マイクが強化されたこと。4つのスタジオ品質のマイクを備えたことで、ビデオ撮影時に空間オーディオを適用できるようになったほか、楽器やボーカルの録音にも利用しやすくなりました。機械学習処理によって不要なノイズを低減する機能なども備えており、録音周りでのユーザー体験がかなり変わると予想されます。
最後に気になる価格を紹介。公式ストアApple Storeでの価格は、iPhone 16が12万4800円〜(税込、以下同)、iPhone 16 Proが15万9800円〜です。
決して安くはありませんが、この記事で紹介した以外にも、Wi-Fi 7対応や最大25Wでのワイヤレス充電およびQi2のサポートなど重要な仕様の変化もたくさんありました。
数年ごとに買い替えを検討している人にとっても今年はかなり“買い”と言えるでしょう。そのほかの機能についても気になる人は公式サイトなどでチェックしておくことをおすすめします。
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