MRO(えむあーるおー)情報システム用語事典

maintenance, repair and operations / 間接材調達物

» 2003年02月28日 00時00分 公開

 企業が購買・調達する物品のうち、間接材調達物の総称。

 もともとは主に製造業で使われる言葉で、工場・工作機械などのメンテナンス(補充)、リペア(修理)、オペレーション(操業)に必要な備品・消耗品のことを意味する。製造業で購買・調達する物品は、生産に直接関係する原材料・資材・部品などの直接材(原資材/主要生産財)と、それ以外の経費購買対象となるプラント、工具、装置、保安資材、消耗品、補修用品・部材、燃料などの間接材(副資材)に分けられる。このうち後者をMRO材(グッズ)という。

 1990年代中ごろから、インターネットを使ったB to Bの電子商取引の仕組みを活用して、企業の間接材調達業務の効率化を図る動きが現れ、その中でMROという言葉が使われるようになった。この場合は、原資材に対比的に使われるわけではなく、企業内で日常的に使用される文具・紙・オフィス家具・OA機器・サプライ用品一般のことを指している。

 特定の調達先と大量あるいは定期的な取り引きを行う直接材調達は、システム化した場合の効果が大きく、早くから合理化が進められてきた。しかし、MRO材はサプライヤに中小・零細企業が多い上、アイテム数も多く、不定期に少量・多頻度で調達を行うため、標準化やシステム化が困難な分野だった。購買部門を設置するほどの発注ボリュームがないため価格交渉もしづらく、また購入する社員が自分の業務を中断しなければならないなど、非効率な面が問題視されていた。

 インターネット(イントラネット)が普及してくると、グループウェアワークフローシステムの中でMRO調達のシステム化に取り組む企業が増えるとともに、MRO調達支援サービスを提供する事業者が登場してきた。特に文房具のネット販売で大きな成功を収めたアスクルの登場は、文房具ネット調達の流れを強く刺激するものだった。

 MRO調達のオンライン化・システム化は、単に安価で購入するというだけではなく、「いかに手間をかけずに、早く低コストで購入し、適正在庫化を行うか」という業務プロセス改善のテーマとしてとらえられるものといえる。

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