CI(しーあい)情報システム用語事典

corporate identity / コーポレートアイデンティティ

» 2007年01月05日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 その企業における個性・独自性を確立し、それを統一的なビジュアルデザインや具体的な企業行動などを通じて、社内外の人々に認識してもらうことで、企業イメージを明確化して他社との識別・差別化を図る組織的活動。

 人々は企業が行う諸活動・表現に接触するたびに何らかの知覚を持ち、その積み重ねによって一定の印象(コーポレート・イメージ)を作る。接触の度に感じが異なれば、コーポレート・イメージは薄いもの、あるいは混乱したものとなり、よい印象を与えない。そこでコーポレート・イメージの向上・統一を目的に、企業における表現や行動を統一的に定義・管理する経営手法※がCIである。

※ 広義のデザイン活動、あるいはマーケティング活動ととらえる向きもある。

 もともとは1950年代に、シンボルマークやロゴタイプなどの視覚的デザインの統一を通じてコーポレート・ルック(見た目)をそろえることで、コーポレート・イメージの統合が必要だと考えられたことに由来する。欧米では1950年代末から1960年代前半にかけて先進企業で実施され、1960〜1970年代に多くの企業がCI導入に踏み切った。

 当初は、店舗の看板と包装紙のロゴの統一といった表層レベルのデザインに関する活動だったが、次第に企業の理念や経営ビジョンの明確化から、企業の社会的役割や存在意義に関する認識、社風や従業員の意識・行動にいたるまで、広範な理論化が行われた。現在ではブランド戦略の中で語られることが多い。

 日本では1970年ごろから取り組む企業が増え始め、1980年代には一大ブームとなった。しかし、一部の企業を除いてキャッチフレーズの設置、タグラインの統一、シンボルマークやロゴタイプなどの再構築といった活動に留まったという批判もある。

参考文献

▼『コーポレートアイデンティティ――企業のイメージ戦略「CI」のすべて』 加藤邦宏=著/日本能率協会/1981年4月

▼『コーポレート・アイデンティティの再考――企業のイメージ戦略「CI」のすべて』 ブレーン編集部=編/誠文堂新光社/1992年6月


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