「日本の経営トップのCIOやITに対する意識はグローバルより3年遅れている」と主張する刺激的なレポートを、ガートナー ジャパンが3月19日に発表した。グローバルの調査結果で2005年から1位になっている項目が、2008年になって日本の経営トップの答えでも1位になった、というのが3年遅れの理由だ。
レポートは世界33カ国、1500人以上のCIOに行った調査の結果。日本では28人のCIOが答えた。日本の回答企業のIT予算の合計は約5500億円で、1社当たりの平均は200億円弱。
日本がグローバルにやっと追いついたというのは、経営トップがCIOやITに期待すること。CIOがビジネス面で自らが期待されることとして答えた。 2007年は4位だった「ビジネス・プロセスを改善する」の項目が2008年の調査では1位になった。「ビジネス・プロセスを改善する」はグローバル調査では2005年から4年連続で1位で、ガートナーは「CIOに対する経営トップの意識が、IT機能や業務処理サービスを提供するコンピュータ・システムの開発・運用担当者から、全社を横串に見るプロセス・マネジメントの責任者に移行したと考えられる」としている。
日本のCIOが考える、テクノロジ面で最も優先度が高いのは「顧客へのセールスおよびサービスのためのテクノロジ」。2007年に1位だった「セキュリティ技術」は2008年は4位となった。守りのITから顧客側を向いた攻めのITへの転換と取ることができる。ただ、グローバルで1位の「ビジネス・インテリジェンス」は日本では3位。2007年の9位からは上昇しているが、グローバルとの差はまだある。また、ERPなどのエンタープライズ・アプリケーションの優先度は、グローバルでは2位だが、日本では9位。
ガートナーは日本のCIOが今後取るべき施策として「自社の差別化要因を再評価し、(顧客に選択されるような)ビジネス面での独自性を打ち出すITソリューションを必要とする領域を特定する」などを挙げている。
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