NRIセキュアテクノロジーズは5月22日、インターネットのユーザーを対象にしたセキュリティ意識についての調査結果を発表した。個人所有のPCを使っているユーザーへの調査結果によると、1年間に支払っているセキュリティ対策の費用の平均は3629円だったが、半数以上がセキュリティ対策を行ううえでの問題点として「お金がかかる」を挙げている。
調査はインターネットを利用している2000人(ビジネスパーソンはうち966人)に対して実施した。過去1年間に遭遇したネット上のトラブルでは 51.8%が「スパムメール」を挙げた。次いで「コンピュータウイルスの感染」で、割合は22.3%だった。これらの被害を防ぐためにユーザーはセキュリティ対策製品やサービスを購入し、対策している。製品、サービスを使った対策で最も多いのは、「ウイルス対策ソフト」でユーザーの78.9%が使っている。また、半数程度のユーザーは「スパイウェア対策ソフト」「パーソナルファイアウォール」などを併用している。
これらのソフトウェアやサービスなどセキュリティ対策のためにユーザーが支払っている金額の平均は年間3629円。比率の分布では5000円程度を支払っているユーザーが最も多く20%となっている。3000円程度は16.1%。1000円未満は7.7%だった。また、ユーザーがセキュリティ対策に支払ってもいいと考えている金額で最も多いのは3000円程度(24.5%)で、23.3%の5000円程度が続いた。「セキュリティにお金をかけようとは思わない」という回答も13.4%あった。平均金額は3601円だった。
ユーザーは平均3629円支払っているが、その金額には不満が多いようだ。パソコンのセキュリティ対策を行ううえでの問題として最も多く挙がったのは「お金がかかる」で58.5%だった。「手間がかかり、面倒である」(41.7%)や「対策を行うと、利便性が損なわれる」(37%)という回答も多く、NRIセキュアは「これらはセキュリティ対策を行う上で絶えずつきまとう問題」と指摘している。
966人のビジネスパーソンだけを対象にした調査では、セキュリティ対策について社内ルールが強まっている反面、その徹底や周知が進んでいないことが分かった。51.8%のユーザーは業務で使うノートPCの社外持ち出しを禁止するルールが会社にあると回答しているが、そのうち2.3%は「許可を得ずに会社のノートPCを持ち出したこともある」と回答。そもそもノートPCの持ち出しについて、「(社内ルールがあるかどうか)分からない」というユーザーも21%いて、ユーザーの無関心さを映し出している。NRIセキュアは「一般的な意識啓発だけでなく、企業としてルールの周知徹底などの対策を行うことが必要」としている。
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