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» 2008年11月04日 00時00分 公開

情報システム用語事典:要求開発(ようきゅうかいはつ)

requirement development

[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 ビジネス上の戦略や計画に基づいて業務の設計・再設計を行ううえで、情報システムが担うべき機能をシステム要求として合理的かつ能動的に創り出す活動のこと。情報システム開発に採用されてきた工学的諸手法を、情報システム企画の段階に適用することを意図したアプローチで、具体的な活動範囲としては業務構造の可視化、業務分析、業務設計、IT化のスコープ決定、システム化計画立案などが含まれる。

 一般に情報システム開発の最初の段階は「要件定義」である。システム開発担当者(SEなど)は、システムオーナー(発注者)やエンドユーザー(現場利用者)にヒアリングやインタビューを行い、システム要件をまとめていく。しかし、発注者や現場利用者が開発されるシステムについて、正しい認識やあるべき姿を知っているとは限らず、発注や利用者ごとに要求が異なることもしばしばである。

 要求開発はこのような課題を超えて、企業の経営や業務に整合的な情報システム開発が行えるよう、正しいシステム要求を導出しようとする活動である。要求開発では要求(システム要求)とは「もともと存在していて収集・定義できるもの」ではなく、上位の目的(ビジネス要求)に基づいて「意識的に“開発”すべきもの」と考える。このようにして導き出されたシステム要求に基づいてこそ、ビジネス目的に適合した情報システムを開発できるというのである。

 要求開発は2005年3月に発足した日本の団体「要求開発アライアンス」が提唱するもので、同アライアンスでは要求開発を実践するための方法論「Openthology」(オープンソロジー)の策定を行っている。Openthologyは「戦略マップ」「ビジョン分析ツリー」「問題分析ツリー」「ユースケース」「クラス図」などのモデリング技法を使って、ビジネス要求をシステム要求に変換していくもので、クリエイティブコモンズの下で公開されており、商用利用も可能である。

参考文献

▼『要求開発――価値ある要求を導き出すプロセスとモデリング』 山岸耕二、安井昌男、萩本順三、河野正幸、野田伊佐夫、平鍋健児、細川努、佐田智夫=著/日経BP社/2006年3月


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