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» 2009年02月25日 00時00分 公開

MS、企業向けクラウドサービスの国内提供発表へ上半期中に「Microsoft Online Services」開始

[垣内郁栄,@IT]

 マイクロソフトは企業向けのクラウドサービス「Microsoft Online Services」の詳細を早ければ3月初旬にも発表する。2009年6月末までにサービス提供を開始する予定で、同社が考える「ソフトウェア+サービス」のメリットを顧客にアピールする。

 Microsoft Online Servicesは米国で2008年11月にサービスを開始済み。一般ユーザー向けの「Windows Live」「Office Live」と異なり、企業がターゲットのサービスで、国内向けには2009年上半期に提供開始する、と2008年10月に発表していた。

 分かりにくいが、Microsoft Online Servicesは同社が企業に提供するオンラインサービス全体のブランドで、米国や日本で実際に提供するのはグループウェアサービススイートの「Business Productivity Online Suite」(BPOS)となる。Microsoft Online Servicesブランドの下に、将来的にはシステム管理サーバ製品の機能をネットワーク経由で利用できるサービスも提供する。BPOSについては3月初めに世界展開についての発表があり、それを受けて国内展開が発表されるとみられる。

 BPOSは4つのサービスで構成する。電子メールと予定表共有、会議室予約の機能がある「Exchange Online」と、ファイル共有、ポータル、掲示板、情報共有サイトが使える「SharePoint Online」、インスタントメッセージと在席情報の機能を使える「Office Communications Online」、Web会議とアプリケーション共有がある「Office Live Meeting」の4つだ。エンドユーザーはマイクロソフトが運営するデータセンターにアクセスして機能を利用する。

シンガポールのデータセンターにアクセス

 BPOSの国内提供では、エンドユーザーはシンガポールにあるマイクロソフトのデータセンターにアクセスする。サービスレベルは米国と同じ99.9%に設定する。マイクロソフトのインフォメーションワーカービジネス本部 ビジネスオンラインサービスグループのマネージャ 磯貝直之氏によると、すでにサービスを提供している米国では99.99%の稼働実績があるという。

 米国での価格はExchange Online単体の利用で1ユーザー当たり月額10ドル、SharePoint OnlineとCommunications Online、Live Meetingを組み合わせた全サービスの利用では月額15ドルで提供している。日本でもこの価格に準じた形になる見通し。米国では大規模ユーザーに対して最大20%のボリュームディスカウントも行っているという。

 BPOSにはマルチテナント型の「Standard」と、利用ユーザー数が5000を超える大企業をターゲットにした専用型の「Dedicated」がある。2009年6月末までに国内で始めるのはStandard。実はDedicatedについては日本企業もすでに使うことはできる(ただ、ユーザーインターフェイスは英語)。

 また、エンドユーザーの利用形態としてはクライアントアプリケーションの「Microsoft Outlook」およびWebブラウザからのアクセスの両方に対応した「通常版」と、Webブラウザからのアクセスに限定した「デスクレス版」の2つがある。デスクレス版はSharePoint Onlineの機能にも制限があり、ファイルは読み取りだけが可能で、書き込みはできない。また、1ユーザーが使える電子メールのディスクスペースは通常版が5GBなのに対して、デスクレス版は500MB。国内では通常版、デスクレス版とも提供する。上記の価格はStandardの通常版で、デスクレス版の場合はこの価格の5分の1程度で提供している。

既存IT環境との親和性を強調

 クラウド型サービスのグループウェアはグーグルの「Google Apps」が代表的。マイクロソフトもGoogle Appsを意識した機能設計を行っていて、特に既存のIT環境と共存可能なことで差別化を使用としている。BPOSの管理機能では既存のActive Directoryに接続して一部ユーザーだけをBPOSに移行させることが可能だ。本社ではサーバ版のExchange Serverを使い、支店や子会社ではExchange Onlineを使うなどの利用ケースを想定している。Exchange ServerやPOPサーバ、IMAPサーバから電子メールを移行する機能もある。ウイルス対策やスパム対策の機能も標準で備える。

 また、BPOSのライセンスをBPOSだけでなく、Exchange Serverなど自社運用するサーバのクライアントアクセスライセンス(CAL)としても使えるようにするなど、既存IT環境との親和性を高めている。磯貝氏は「いままではコスト削減か、生産性向上かの二者択一だった。しかし、BPOSでは両方のいいとこ取りができる」と話した。

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