MS Projectで学ぶプロジェクトマネジメントの基本MS Projectで学ぶプロジェクトマネジメント(1)(2/3 ページ)

» 2010年01月13日 12時00分 公開
[新谷健司トーマツイノベーション]

1.スケジュールの作成

 あなたは、家族で行ったキャンプでカレーを作ることになりました。

 後で「ああっ、ジャガイモがない!」「えっ、まだ米が炊けてないの!?」という事態が起こらないよう、まずはスケジュールを作成します。

 スケジュールは、

A. 作業の洗い出し

B. 作業規模の見積もり

C. 作業の前後関係の整理

の手順で作成します。

A. 作業の洗い出し

 まず、カレーを作るために必要な作業を“漏れなく”洗い出します。作業の洗い出しは、スケジュール管理の中で最も大切な作業です。

 もし、作業の事前洗い出しに漏れがあると、プロジェクト進行中に「これをやるはずだった」「あれをやらないと、それができない」とやるべき作業がさみだれ式に見付かり、現場は右往左往して、仕事の押し付け合い、手戻りの多発、スケジュールの遅延が起こる……。想像するだけでも恐ろしいですね。

 よって、「作業を漏れなく洗い出す作業」には細心の注意を払います。

 作業を漏れなく洗い出すためには、以下のコツを参考にしてください。

【作業を漏れなく洗い出すためのコツ】

  • 作業の洗い出しに、ホワイトボードや付箋などを活用する(いきなりPCを使用しない)
  • 思い浮かんだ作業はすべて書き出す(不要なものは後で削除する)
  • 「本当にこれらの作業だけで、プロジェクトが完了するのか?」を何度も自分に問いかける
  • 考えても分からないときは、分かりそうな人に聞く

 そして最後に、洗い出した作業をMS Projectに入力しましょう。

 では、まずMS Projectを起動し、「タスク名」列に作業名を記入します。このとき、作業名は「誰が見ても何をするのかが想像できる表現かどうか?」を入念に確認してください。

ALT 「タスク名」列に作業名を記入する

B. 作業規模の見積もり

 タスク名がすべて記入できたら、次に作業ごとに予想作業時間を算出します。算出した時間は、MS Projectの「期間」列に記入します。

※カレー作成作業の時間単位は分ですが、ここでは便宜的に日を使用します

ALT 算出した時間をMS Projectの「期間」列に記入する

C. 作業の前後関係の整理

 最後に、作業の前後関係を整理します。洗い出した作業すべてが同時並行でできればよいのですが、なかなかそうもいきません。例えば、「かまどの準備」が終わっていなければ、「野菜・肉を炒める」ことはできません。

 このように、作業に前後関係がある場合、その直前に終わっていないといけない作業の番号を「先行タスク」列に入力します。

ALT 作業に前後関係がある場合、その直前に終わっていないといけない作業の番号を「先行タスク」列に入力する

 ここまで完了したら、画面の右側を見てください。自動的にスケジュール表(ガントチャート)ができあがってしまいました。ツールの力を実感する場面です。

ALT 入力が終わると、自動的にガントチャートができ上がる

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