mashup
ネットワーク上に提供されているソフトウェアサービスやデータを使って、新しい機能や情報サービスを作ること。そのための開発手法や技術、ないしはその結果得られたWebページやWebアプリケーションをいう場合もある。
厳密な定義はなく、“既存リソースを最大限に再利用してニーズに合った新たなサービスを簡易に生み出す手法”ぐらいの意味の言葉である。もともとは異なるソースの情報や機能をブラウザ側で併せて表示する手法を指すことが多かったが、サーバサイドで情報加工してからブラウザに渡す方式も登場している。
マッシュアップの例としてよく挙げられるのが、地図表示サービスの利用である。Web APIなどを介して任意の場所の地図を自分が開発するWebページに表示できるというのが最も単純な使用法といえる。マッシュアップの真骨頂は、異なるソースの機能やデータの組み合わせで新たなサービスを作ることで、天気情報サービスからデータが得られれば「天気マップ」を、犯罪発生情報が公開されていれば「ハザードマップ」を作ることができる。
従来のマッシュアップはインターネットで公開されたWeb API、RESTやXML Web Servicesなどによるデータ連携、RSS/Atomなどによるシンジケーションを使って、ITエンジニアがWebアプリケーションを開発することを指すことが多かった。近年では、企業内のITリソース(業務アプリケーションやデータ)をエンドユーザーが組み合わせてニーズに沿ったプロセスや機能を実現する「ビジネスマッシュアップ」が注目されている。
「mashup」は音楽業界からの借用語で、異なる楽曲を混ぜ合わせて1つの曲のように聴かせる手法をいう。リミックスほどには原曲を分解せず、速度やピッチを調整した程度のものを重ね合わせることをいい、“即興”のニュアンスが強い。ITにおけるマッシュアップもシステムを素早く簡便に作る方法として受けとめられている。
▼『イノベーションを加速するオープンソフトウェア』 相原憲一、松田順=著/ITSC静岡学術出版事業部/2008年12月
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