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» 2011年08月26日 00時00分 公開

米CA Technologies クレスト氏に聞く:どうやったら完全なバックアップができるのか?

[大津心,@IT]

 3月11日に発生した東日本大震災以降、自社のBCPやバックアップポリシーの見直しを試みている企業は多い。すでにBCPを策定していた企業であっても、よりリスクを下げるための方法を模索し、未策定の企業はトップダウンでその作成に入るなど、何らかの必要性を感じ、その検討や行動を始めていることだろう。そんな中、「ARCserve Backup」でバックアップツール市場でシェア1位を獲得している米CA Technologies(以下、CA)は、「どうしたら完全なバックアップやディザスタリカバリ(DR)を実現できるだろう?」という命題を日夜模索しているという。今回は2010年12月に続き、米CA Technologies データマネジメント事業部 ジェネラル・マネージャ マイク・クレスト(Michael Crest)氏に、日本のバックアップ市場の動向を聞いた。

クレスト氏写真 米CA Technologies データマネジメント事業部 ジェネラル・マネージャ
マイク・クレスト氏

 クレスト氏は2010年12月にインタビューした際、当時のバックアップ市場について、「クラウドや仮想化への移行が加速している」と説明し、データ管理で重要なのは「リスク」「コスト」「時間」の3つの視点だと説いていた。その後、CAは2011年5月にARCserveシリーズをWindows Azureのクラウドプラットフォーム上で提供することを発表するなど、着実にクラウド環境への対応を進めているようだ。「Disk to Disk(D2D)」のクラウド型サービスである「D2D Ondemand」も近日中にリリースするという。

 クレスト氏は、同社のクラウドサービスへの取り組みについて「Azureをプラットフォームに選んだのは、マイクロソフト社と当社の20年来の付き合いの深さに加え、開発ツールが充実していた点などがある。これらのクラウドサービスはスタンドアロン型で提供するほか、オンプレミスとも当然連携できる。事実、D2Dを実施した上で、さらにクラウド上へバックアップする『D2D2C』を行う企業も現れた。当社は、差分バックアップ技術である『i2テクノロジ』を持っているため、クラウド環境であってもネットワークトラフィックを減らし、ストレスやリスクを低減できる。この点は、クラウドバックアップを実施する上では強みだ。日本市場では、パートナー企業と共にクラウドサービスの展開を考えていきたい」と語った。

 また、CAは9月8日に「ARCserve R16」シリーズのローンチを予定している。この新バージョンでは、D2Dを強化しているほか、「データ保護を簡素化するためのソリューションを強化した」(クレスト氏)という。具体的には、ARCserve Backupの管理コンソール上で、同社のオンデマンド型バックアップやD2Dなどの管理も可能にするというものだ。

 「例えば、従来はデータ管理で問題が起きた場合、ポイントソリューションで対応してきた企業が多い。『レプリケーションに問題が出たのでA製品を導入』や『イメージバックアップをする必要が生じたのでB製品を購入した』といった具合だ。今回のR16では、こういった構造を簡素化し、1つにまとめて管理できるようにしたい、といったニーズから生まれたものだ。この“簡素化”を実現するために、ユーザーインターフェイスや各種機能を強化して対応している」(同氏)と説明した。

 東日本大震災以降のバックアップ市場では、すでにBCPやバックアップなどに取り組んでいる企業がさらにリスクを低減させるために、「どうしたら完全なバックアップやディザスタリカバリ(DR)を実現できるだろう?」といった問題に取り組むケースが増えたという。

 その際のポイントとして、クレスト氏は「完全なバックアップを実現するためには、まず『完全なるオンプレミスの戦略』を持つことが重要だ」と説く。その上で、さらにデータセットやハードウェア等の見直しを図るべきだと言う。また、これを実現する上でパートナー企業に対しては「ハードウェアや人材の派遣だけでなく、これらをトータルにしたサービスを求められる傾向が強い。もはや、製品ではなく、サービスが求めれられる時代になった。このような新しい姿勢がパートナー企業にも求められる」とコメントした。

 そして、東日本大震災以後にBCPやバックアップに取り組む企業に対しては、「大震災以降、日本企業だけでなく、世界中の企業がリスクに対して考え始めている。これからは、能動的にリスクを考え、バックアップや災害対策に取り組むことで能動的にデータ管理の問題を解決できるようにするべきだ。これこそが、リスクに耐え得るバックアップ戦略への近道ではないだろうか」というメッセージを送った。

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