
(istock/mapo)
日々の業務を効率化したい──そんな思いから、SaaSなどのITツール導入を検討する企業は年々増え続けています。この記事をご覧になっている方の中にも、SaaS導入検討のプロジェクトリーダーを任されたという人もいるのではないでしょうか。
しかし、一口にSaaSと言っても、そのサービス種類や導入目的はさまざまです。1つの企業が同じ目的のSaaS製品をいくつも使うケースは多くありませんから、あるカテゴリーの製品導入は「初めて」という場合がほとんど。そのため、製品選定にあたってどんなポイントに注意すべきか、分からないのは当たり前です。
そうした背景も相まって、経営者の約7割が「SaaS製品の導入に失敗した経験がある」という調査結果もあります。導入するのは簡単ですが、目的に合わない製品を入れてしまってからのリカバリーは一筋縄ではいかないのがIT導入の難しいところ。失敗を回避するにはどうすればよいのでしょうか? 本記事ではそのヒントをご紹介します。

目次
この記事のポイント
- SaaS導入失敗の状況とは: 導入したシステムが業務の現場で定着せず、当初の目的であった効率化や課題解決を実現できない状態を指します。
- SaaS導入失敗の主な要因: 調査結果から、営業担当者による期待値の過度な上昇、コスト試算の不足、既存システムとの相性の悪さが上位を占めています。
- 失敗を避けるシステム選定のポイント: 機能数や価格などの目に見えやすいスペック比較だけでなく、自社の実務プロセスに適合するかを深く検証することが重要です。
- 失敗を回避する選定計画のコツ: 分からなければひとりで悩まず「専門家に聞く」手段もあります。例えば、比較サイトを賢く活用し、中立的なアドバイスを受けることも近道の1つです。面倒・大変なことを過度に苦労するより、作業を最も肝心な工程である「冷静な判断」を維持できるようにしていきましょう。
多くの企業がSaaS導入に失敗する理由
67.4%の経営者はSaaS導入に失敗した経験がある──IT製品レビューサイト「ITreview」を手がけるアイティクラウドの調査でそんな結果が出ています。

67.4%の経営者が「過去にSaaS製品の導入に失敗した経験がある」と回答(出典:アイティクラウド「SaaS製品選びに関する経営者の実態調査」より)
失敗した理由の1位は「営業を受ける中で期待値が上がりすぎた」(50.5%)。以下「コストについて試算ができていなかった」(48.5%)、「運用ルールが定まっていなかった」(47.1%)などが続きます。
また、導入してから失敗と判断するまでの期間については、63.2%が「半年未満」と回答しています。
自社なりに検討を重ねて「これでいこう!」と決めたSaaS導入のはずが、いざ運用を始めてみると、すぐに「これじゃなかった……」と気付き、業務効率化の夢はかなわず、社内に嫌なムードが立ち込める。そんな悲劇が、多くの日本企業の中で繰り返されているようです。
経験者が語る! SaaS選定の“しくじりポイント”
SaaS導入に失敗した企業は、具体的にどんな点に失敗を感じているのでしょうか。アイティクラウドのアンケートから、回答者の声を抜粋してご紹介します。
- 45歳:課題の解決に至らなかった
- 47歳:限定的なメンバーで評価したため、全社的な運用が想定できていなかった
- 46歳:重複するサービスをすでに利用中だった
- 55歳:既存システムとの相性
- 43歳:ビジョンをもっと具体的にしておくべきだった
- 52歳:理想と現実にギャップがあった
- 53歳:比較検討がうまくできていない
- 44歳:使いこなせなかった
この中でも注目すべきは「重複するサービスをすでに利用中だった」「既存システムとの相性」といった声でしょう。
SaaSを選ぶ際には、機能一覧や価格などのスペックを基に比較検討するのが一般的です。ただ、そうした選び方で見過ごされがちなのが「自社ビジネスや既存システムとの相性」です。
これらのポイントは製品のスペックシートのマルバツ表からは見えてきませんから、自社内の状況を把握した上で、マッチする製品を選び抜く必要があるのです。
こんなはずじゃなかったのに……知らないと損する落とし穴
しかし、どんな製品が自社にマッチするか見極めるのも簡単ではありません。目的に沿ったカテゴリーの製品にどんなものがあるかを把握することから始まり、自社ならではの選定条件を基に絞り込んでいく必要があります。
そんなときに役立つのが、SaaS製品の比較サイトです。あるカテゴリーにどんな製品があるかを一目で俯瞰でき、気になった製品については気軽に資料請求を行えます。
一方、そんな比較サイトの利用にあたっても注意点があります。多くの比較・マッチングサービスでは、資料請求をする際に自分の名前や企業名・部署、メールアドレスなどを、資料請求先の製品提供会社に共有します。そのため、まだ検討段階なのに営業電話が鳴りやまない……といった事態になってしまうことも多いのです。
特にSaaSにおいては製品がたくさんあるので、資料請求を10製品、20製品まとめて行うことも珍しくありません。資料請求をすればするほど、その分それぞれの会社から営業電話がかかってくることになります。この状況の中で自社に合う製品を冷静に選ぶのはなかなか大変なことです。何より、自分の仕事時間を営業電話の対応で削られ続けるのは……自身のメンタルもごっそり削られてしまいます。
いくつもの会社から営業を受ける中で、A製品の説明にあった機能をB製品にもあると勘違いしてしまった……そんな事態もあり得るでしょう。「営業を受ける中で期待値が上がりすぎた」という失敗ケースに陥らないよう、事前の注意も必要です。
よくある質問(FAQ)
SaaS導入の失敗を回避し、導入を成功させるための具体的な疑問に専門的な視点から回答します。
Q1. SaaS導入の失敗を招く主な原因は何ですか。
原因の1つは、営業を受ける過程で製品への期待値が上がりすぎてしまうことです。失敗経験を持つ経営者の50.5%がこれを理由に挙げています。次いでコスト試算の不足や、運用ルールの未整備が大きな要因となります。
Q2. SaaS導入の失敗を判断するまでの期間はどのくらいですか。
導入後、63.2%の経営者が「半年未満」で失敗と判断しています。導入初期に現場での運用イメージが固まっていない場合、極めて短期間で利用が停滞し、形骸化するリスクが高まります。
Q3. SaaS導入の失敗を防ぐための効果的な比較検討方法はありますか。
スペック表による機能の有無(マルバツ比較)だけで判断しないことが重要です。自社の既存システムとの連携性や、全社的な運用に耐えうる操作性があるかなど、実務シーンに即した多角的な検証が成功の鍵となります。
Q4. SaaS導入の失敗を回避するために、比較サイトはどう活用すべきですか。
一括資料請求は効率的な情報収集手段ですが、資料請求したベンダーからの営業連絡が集中し、過度な時間を取られることもあります。こういったことも避けたならば、ITセレクトのようなコンシェルジュサービスの活用し「専門家に聞いてしまう」手段も推奨します。専門スタッフのヒアリングとともに、自社の課題に適する製品をある程度絞り込むことで、冷静な比較が可能になります。
SaaS導入の失敗を避ける方法とは?
以上、SaaS導入の際に陥りがちな失敗ケースとその理由についてご紹介してきました。
SaaSは上手に導入すれば業務効率を飛躍的に高め、自社の競争力を高めることにつながります。ただし、そのためには「自社内の状況・課題」と「目的に合った製品選定のコツ」の2つを知る必要があります。これは、初めてそのカテゴリーのSaaS製品を選ぶ担当者にはハードルが高いといえるでしょう。
本サイト「ITセレクト」では、SaaS・IT製品検討にまつわる状況を経験豊かな専門スタッフが丁寧にヒアリングし、課題にマッチしたおすすめ製品を紹介するコンシェルジュサービスを無償でご提供しています。
また、気になった製品があれば遠慮なく製品資料を請求してください。ITセレクトならこの段階では製品提供会社に個人情報が渡らないため、各社から営業電話がかかってくることはありません。
ITセレクトは、IT専門メディアとして国内最大級の「ITmedia」と、IT案件に特化したビジネスマッチングサービス「発注ナビ」が共同で2024年1月に立ち上げたサービスです。SaaSで業務を効率化したい、でも失敗したくない──そんな方はぜひ一度、ITセレクトの利用をご検討ください。
ビジネスマッチング紹介実績1万6500件!(※)
経験豊かな専門スタッフが丁寧にヒアリングし、貴社におすすめの製品をご紹介します
(※)ITセレクトを共同運営する発注ナビ株式会社による、ユーザー企業への発注先紹介実績(2024年2月現在)
調査引用元:アイティクラウド株式会社
調査期間:2022年9月27~28日
有効回答:新たにIT製品・SaaSの導入を検討している企業の経営者・役員101名
運営サイト:https://www.itreview.jp/





