
「注文書のFAXが読みにくく、入力ミスで誤発注してしまった」「電話での受注対応に追われ、他の業務が遅延する」「ベテラン担当者の退職で、主要な取引先との関係性が途切れてしまった」。こうした受発注業務の悩みは、多くの企業にとって他人事ではありません。
この記事では、受発注システムの基本機能から導入のメリット、自社に合った製品の選び方、そして料金・無料プランで比較できるおすすめ68製品(2026年9月更新版)までを、受注側・発注側双方の視点から解説します。
機能で比較「受発注システム」おすすめ製品一覧
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目次
- 受発注システム主要製品の機能比較表
- FAX・電話の受発注を続ける4つの経営リスク|受注ミス・属人化・機会損失・データ活用の欠如
- 受発注システムとは? 受注管理・発注管理の主な機能とシステムタイプ
- 受発注システムの最新動向2026|BtoB取引の電子化率とAI-OCRによる脱FAX
- 【立場別】受発注システム導入のメリット|受注側(メーカー・卸)と発注側(小売・飲食)
- 受発注システムとEDIの違い|Web-EDIを含めた比較と自社に合う選び方
- 導入前に知っておきたい受発注システムのデメリットと失敗パターン4つ
- 受発注システムの選び方|5ステップで自社に合う製品を絞り込む
- 無料で使える受発注システムはある? 無料プラン・無料トライアルの違いと注意点
- 【タイプ別】中小企業におすすめの受発注システム3選|汎用型・BtoB EC型・業種特化型
- ITセレクトおすすめの受発注システム68選(製品の詳細資料あり)
- よくある質問(FAQ)
- まとめ:受発注システムは「取引先も使えるか」で選ぶと失敗しない
- レビュー別ランキング
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受発注システム主要製品の機能比較表
ITreview製品満足度ランキングの上位10製品を対象に、料金・提供形態・得意な業種と、受発注業務で重視されやすい13機能の対応状況をまとめました。自社の条件に近い製品から詳細をご確認ください。掲載していない製品も含む全製品は、製品一覧ページでご覧いただけます。
| 製品名 | 初期費用 | 月額費用 | 無料プラン | 無料トライアル | 提供形態 | 得意な業種 | 在庫管理 | 顧客情報管理 | 請求書処理 | 支払い処理 | 受注処理 | 製品/サービスカタログ | 配送管理 | リアルタイムな情報更新 | カスタマイズ対応 | 分析・レポート | アクセス管理 | 顧客サポートと問合せ管理 | モバイルデバイス対応 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 小売・流通特化型DX一気通貫プラットフォーム KOURI2 | 50,000円 | 1,980円〜9,800円(税込、プラン制) | なし | あり | クラウド(SaaS) | 小売・流通業 | ─ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ─ | ─ | ○ |
| 受発注システムCO-NECT(コネクト) | 要問い合わせ | 要問い合わせ(無料プランあり) | あり | あり | クラウド(SaaS) | 業種を問わず利用可能 | ○ | ○ | ○ | ─ | ○ | ○ | ─ | ○ | ─ | ○ | ─ | ○ | ○ |
| TS-BASE 受発注 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | なし | あり | クラウド(SaaS) | 業種を問わず(メーカー・商社・印刷・カーディーラー等の導入実績) | ○ | ○ | ─ | ─ | ○ | ○ | ─ | ○ | ○ | ○ | ─ | ─ | ○ |
| GMOクラウドEC | 要問い合わせ | 要問い合わせ | なし | なし | クラウド(SaaS) | 業種を問わず利用可能(BtoB EC全般) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ─ |
| ecbeing BtoB | 要問い合わせ | 要問い合わせ | なし | なし | クラウド(SaaS) | 業種を問わず幅広い実績(製造・商社・医療・食品など) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 特攻店長 | 0円 | 10,000円〜57,500円(税別、プラン制) | なし | あり | クラウド(SaaS) | 業種を問わず利用可能(EC・通販事業者全般) | ○ | ○ | ─ | ─ | ○ | ─ | ○ | ─ | ○ | ○ | ─ | ─ | ─ |
| テープス | 0円 | 0円(Freeプラン)〜19,800円〜(税別。上位プランは要問い合わせ) | あり | あり | クラウド(SaaS) | 業種を問わず利用可能(EC運営事業者全般) | ○ | ○ | ─ | ─ | ○ | ─ | ─ | ○ | ─ | ○ | ─ | ─ | ─ |
| Aladdin EC | 要問い合わせ | 要問い合わせ | なし | なし | クラウド(SaaS/Web受発注システム) | 業種を問わず利用可能 | ─ | ─ | ─ | ─ | ○ | ○ | ─ | ─ | ○ | ○ | ─ | ─ | ○ |
| urutto(うるっと) | 1,980,000円 | 50,000円〜(サーバー・ドメイン・SSL費用は別途) | なし | あり | 個別カスタム開発型(サーバー・ドメイン費用別途) | 業種を問わず利用可能(BtoB・BtoC両対応) | ○ | ─ | ─ | ─ | ○ | ─ | ─ | ─ | ○ | ─ | ─ | ─ | ○ |
| DX-Maker | 2,800,000円 | 50,000円〜 | なし | なし | クラウド(SaaS) | 製造業 | ○ | ○ | ○ | ─ | ─ | ─ | ─ | ─ | ○ | ─ | ─ | ─ | ─ |
| ※2026年9月時点のITreview製品満足度ランキングTOP10より選定。残りの製品58製品はこちら ※2026年9月時点のITセレクト製品データベース情報および製品公式Webページ情報より、AIを用いて作成 ※AIは誤った情報を生成することがあります。最新情報は各製品・サービスの公式情報を参照の上ご活用ください ※掲載情報についてのお問い合わせ |
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この記事のポイント
- 受発注システムとは: 企業間取引における発注・受注業務をデジタル化し、EDIやクラウドを通じて正確かつ迅速なデータ交換を行う仕組みのことです。
- 導入のメリット: FAXや電話といった「人」による手作業を削減し、入力ミスや転記漏れを防止することで、事務工数の大幅な削減と在庫管理の精度向上が期待できます。
- システム選定の基準: 自社の取引規模や既存の基幹システムとの連携性、取引先にとっての操作性が重要です。分からなければ「専門家に聞く」手段もあります。
- 成功の鍵: 社内運用だけでなく、取引先の協力獲得に向けたスマートフォン対応や直感的なインタフェースを備えた製品選びが不可欠です。
FAX・電話の受発注を続ける4つの経営リスク|受注ミス・属人化・機会損失・データ活用の欠如
FAXや電話、メールといった旧来型の受発注業務は、単に手間がかかるだけの問題ではありません。気づかぬうちに自社の競争力を蝕む、重大な経営リスクとなり得ます。まずは、従来型のアナログな管理を続けることで引き起こされる、4つの具体的な失敗シナリオを紹介します。
- 受注ミス・誤発注による直接的な損失
- 業務の属人化による事業継続リスク
- 機会損失と顧客満足度の低下
- データ活用の欠如による非効率な経営
リスク1:受注ミス・誤発注による直接的な損失
読みづらい手書きのFAXやメモ、電話での見間違い、聞き間違いによる誤発注は、誤った製品の出荷や不要な在庫の発生に直結します。返品や再発送にかかるコストだけでなく、取引先からの信頼を失うという、金額以上の損失につながる可能性があります。
リスク2:業務の属人化による事業継続リスク
「この取引先への発注は、ベテランのAさんしか分からない」といった業務の属人化が発生している状況はそれだけで危険です。その担当者が急に休んだり、退職してしまったりした場合、業務が止まってしまうリスクがあるからです。ノウハウや取引履歴が個人に依存している状態は、企業として安定した事業継続の妨げとなります。
リスク3:機会損失と顧客満足度の低下
電話がつながらない、メールの返信が遅いといった状況は、発注側にとって大きなストレスです。自社視点では仕方ないと思うかもしれませんが、その結果「もっとスムーズに注文できる仕入先に切り替えよう」と判断され、気づかないうちに売上機会を失っています。自社都合だけの処理やアナログな対処による納期の遅れ、対応漏れは、顧客満足度の低下を招きます。
リスク4:データ活用の欠如による非効率な経営
FAXや一般的なメールでのやり取りは、データとして蓄積・活用することが困難です。「どの製品が、いつ、どれくらい売れているのか」という販売履歴を即座に分析できないため、在庫の予測やマーケティング施策に活かせません。結果として、非効率な在庫管理や、勘に頼った経営判断を続けることになります。
受発注システムとは? 受注管理・発注管理の主な機能とシステムタイプ
受発注システムは、受注から発注、在庫管理、出荷、請求までの業務をオンライン上で一括管理し、業務の効率化と精度向上を支援するITツールです。ここでは、まず主要な機能を整理し、次にシステムタイプの分類を解説します。この章で分かることは、次のとおりです。
受発注システムの主要機能一覧
| 機能名 | 概要 | 受注側/発注側 |
|---|---|---|
| 受注管理機能 | 受注情報をリアルタイムで一元管理。複数チャネルから受注を自動取り込み、納品書や受注伝票の発行が可能です。 | 受注側 |
| 発注管理機能 | 定量発注や発注書の生成・送付が可能。再注文タイミング設定による自動発注も支援します。 | 発注側 |
| 在庫管理機能 | 在庫残数を即時更新し、発注フォームやダッシュボードに反映。欠品・過剰在庫リスクを低減します。 | 両方 |
| 出荷管理機能 | 出荷スケジュール作成、出荷指示書の発行、配送追跡による出荷状況の可視化が可能です。 | 受注側 |
| 請求管理機能 | 受領書や納品書から請求書を自動生成、支払ステータスの管理ができ、ミスのない請求を支援します。 | 受注側 |
| メール自動発信機能 | 受注・出荷・請求の各タイミングで取引先へHTMLまたはテキストメールを自動送信できます。 | 両方 |
| 発注者ログイン機能 | 取引先が自社管理画面にアクセスし、過去の発注履歴や納期情報を確認できます。 | 発注側 |
| 他システムとの連携機能 | 販売管理・生産管理・会計システムなどとAPIまたはCSVで連携し、入力工数を削減します。 | 両方 |
| マスタ管理機能 | 取引先マスタ、商品マスタ、価格マスタなどを管理します。 | 両方 |
| 経営的な分析レポート機能 | 売上分析、在庫回転率、受注残高分析などを支援します。 | 受注側 |
| 帳票カスタマイズ機能 | 取引先ごとの帳票形式対応、インボイス、電子帳簿保存法対応が可能です。 | 受注側 |
受発注システムの4タイプ|汎用型・業種特化型・クラウド型・オンプレミス型の違い
受発注システムは、自社の業態や規模に応じて、どのようなタイプを選ぶかが重要です。利用目的とシステム構成で分類される主な4タイプを、以下に整理します。
業務機能での分類-1.汎用タイプ
あらゆる業種・販売チャネルに対応できる基本機能を備えたタイプです。受注管理・発注管理・在庫管理・出荷処理などの標準機能が揃い、中小企業の業務を幅広く支援します。スモールスタートで導入しやすく、初期段階に適しています。
業務機能での分類-2.業種特化タイプ
建設・医療・食品業など、特定の業界特有の処理(ロット管理、賞味期限管理、現場別請求など)に対応できる機能が組み込まれています。汎用型では対応が難しい商慣習や業務フローに適合し、導入後のカスタマイズ工数を削減できます。
システムとしての分類-1.クラウド(SaaS)型/Web受発注システム
ベンダー提供のクラウド上で動作するサービス(SaaS)型です。自社でサーバやインフラの構築が不要なため初期費用は低廉で、アップデートや保守もベンダー任せにできます。サブスクリプション課金型でスケーラブルな利用も可能で、初期費用を抑えて短期間で導入したい企業や、多拠点・リモート勤務が多い企業に適しています。ブラウザから利用できることから「Web受発注システム」と呼ばれることもあります。
システムとしての分類-2.オンプレミス・パッケージ型
自社のシステム環境/サーバやPCにインストールするタイプで、自社特有のニーズを踏まえたカスタマイズ性やセキュリティ制御に優れる特徴があります。特に情報統制が重要な大企業や、独自運用が前提の企業に向いています。ただし、初期導入・運用コストや保守負担が高くなる点には注意が必要です。
おすすめ クラウドシステムの基礎知識|クラウド製品・サービスの種類と利点をおさらい
受発注システムの最新動向2026|BtoB取引の電子化率とAI-OCRによる脱FAX
受発注システムを検討するうえで、業界全体の電子化がどこまで進んでいるかを押さえておくと、自社の立ち位置を客観的に把握できます。
経済産業省が2025年8月26日に公表した「令和6年度電子商取引に関する市場調査」によれば、2024年の国内BtoB-EC市場規模は514.4兆円(前年比10.6%増)、BtoB-EC化率は43.1%(前年の40.0%から3.1ポイント増)に達しました。企業間取引の電子化は、業界全体で着実に進んでいる状況です。
併せて、注文書をAIが自動でデータ化する「AI-OCR」の活用も広がっています。手書きのFAXや紙の注文書をスキャンするだけで、受注データとして自動登録できるため、脱FAXの初期ハードルを下げる手段として注目されています。
導入コストが気になる企業には、2026年度向け「デジタル化・AI導入補助金」(旧・IT導入補助金)制度も用意されています。対象要件や申請時期は年度によって変わるため、検討時点の最新情報を公式サイトで確認することをおすすめします。
【立場別】受発注システム導入のメリット|受注側(メーカー・卸)と発注側(小売・飲食)
受発注システムは、注文を受ける側と出す側の双方に、大きなメリットをもたらします。それぞれの立場で、どのような課題が解決されるのかを見ていきましょう。
受注側(メーカー・卸売業など)のメリット
受注処理を自動化し入力ミスを削減できる
Webフォームやecサイト、EDI連携など、多様なチャネルからの受注データを自動的に取り込み、一元管理できます。電話やFAXで発生しがちな転記ミスや入力漏れを防止し、業務効率が向上します。
在庫連携により欠品と過剰在庫を防げる
在庫管理システムと連携することで、リアルタイムの在庫状況を発注側と共有できます。欠品による販売機会の損失や、過剰な在庫を抱えるリスクを軽減します。
発注履歴の可視化で顧客満足度を高められる
発注側は24時間いつでも注文でき、発注履歴や納期状況をオンラインで確認できます。こうした購買体験を提供することで、顧客満足度を高め、取引関係の強化につなげられます。
受注スピードを上げて競争力を強化できる
受注スピードが上がることで競争力を強化できます。たとえば自動再注文のようなニーズにも、追加開発なしで対応できます。
操作ログの記録で内部統制を強化できる
操作ログと承認履歴を保存・管理することで、内部統制を強化できます。
発注側(小売店・飲食店など)のメリット
いつでもどこからでも発注できる
PCやスマートフォンから簡単に発注できます。よく注文する製品をリスト化したり、過去の履歴から再発注したりする機能を使えば、煩雑な発注作業の手間と時間を大幅に削減できます。
発注ミスと発注漏れを防げる
システム上で製品名や数量、金額が明確に表示されるため、「頼んだつもりが、FAXが送れていなかった」「電話で言い間違えた」といったヒューマンエラーを防止できます。
発注データの一元管理でコスト精度が上がる
複数の取引先への発注データが一元管理されるため、「いつ、どこに、何を、いくらで発注したか」が正確に把握できます。仕入コストの分析や予算管理の精度が向上します。
スマートフォンから24時間発注できる
営業時間を気にせず、思いついたタイミングで発注できます。発注担当者が不在の日でも、業務を止めずに済みます。
取引先にとっての導入しやすさが選定の決め手になる
取引先側の負担を減らすには、発注側が無料で使える製品、スマートフォンから発注できる製品、操作画面がシンプルな製品の3点を優先して選ぶと、協力を得やすくなります。
受発注システムとEDIの違い|Web-EDIを含めた比較と自社に合う選び方
BtoBの企業間取引を電子化する仕組みとして、業種、業界によっては「EDI(電子データ交換)」も一般的に用いられています。受発注システムとEDIは目的こそ似ていますが、それぞれに特徴があります。
| 比較項目 | 受発注システム | Web-EDI | 従来のEDI |
|---|---|---|---|
| 導入コスト | 比較的安価(クラウド型は初期費用無料のプランも存在) | 比較的安価 | 高価(専用回線やソフトウェアが必要) |
| 導入期間 | 短期間(数日~数週間) | 短期間 | 長期間(数カ月~) |
| 取引先の拡大 | インターネット環境があれば新規取引先も追加しやすい | 追加しやすい | 決まった取引先との接続が基本で、拡大に手間とコストがかかる |
| 画面・操作性 | Webブラウザベースで直感的に操作できる | 直感的に操作できる | 専用フォーマットが定められており、相応の管理体制が求められる場合もある
|
【どちらを選ぶべきか】
受発注システムが向いている企業は、中小企業でコストを抑えてアナログ業務から脱却したい、不特定多数の新規取引先とも柔軟にやり取りしたい、専門知識がなくても簡単に使えるツールを求めている、といった企業です。
EDIが向いている企業は、特定の大手取引先との間で大容量のデータを高速かつ安全にやり取りする必要がある、業界標準のフォーマットに準拠した取引が求められる、といった企業です。
関連Web-EDIとは? EDIとの違い、特徴と導入後のメリット/デメリットを解説
導入前に知っておきたい受発注システムのデメリットと失敗パターン4つ
受発注システムはメリットの大きいツールですが、導入前に知っておくべき注意点もあります。ここでは、起こりがちな失敗パターンと、事前にできる対策を整理しました。
| 起こりがちな失敗 | 原因 | 事前にできる対策 |
|---|---|---|
| 取引先の同意が得られず、一部の取引がFAXのまま残る | 取引先側の操作負担やITリテラシーへの配慮不足 | 発注側が無料で使える製品、スマートフォン対応の製品を優先して選ぶ |
| 初期費用・月額費用が想定を超える | 必要な機能の見積もりが甘く、オプション追加でコストが積み上がる | 導入前にMust要件とWant要件を分け、必要最小限の構成で見積もりを取る |
| 既存の販売管理・会計システムと連携できない | API連携やCSV出力の対応範囲を事前に確認していない | 選定段階で連携可否を必ず確認し、無料トライアルで実際に試す |
| 現場が使いこなせず旧フローに戻ってしまう | 操作研修やマニュアル整備が不十分なまま本稼働する | 導入時のサポート体制と、現場向け研修の有無を選定基準に含める |
中でも「取引先の同意が得られない」という失敗は、受発注システムに特有の最大の障壁といえます。自社だけで完結しない業務だからこそ、取引先にとっての使いやすさを軸に製品を選ぶことが、失敗を避ける近道です。
受発注システムの選び方|5ステップで自社に合う製品を絞り込む
受発注システムは、企業の受注・発注業務のDXを推進し、効率化と精度向上に寄与します。まずは、どのような企業に導入メリットが大きいのかを確認したうえで、製品選びで外せないポイントを5つのステップで整理します。
受発注システムの導入が勧められる企業の特徴
次のような課題を抱えている中小・中堅企業では、受発注システムを導入することで業務の標準化と効率化が望め、市場競争力の向上が期待できます。
FAXや電話、メールによる受発注業務が中心で、ミスや手間が多い ・ECや店舗、直販など複数チャネルの受注に対応していて管理が煩雑 ・在庫・出荷・請求などを別システムやExcelで個別管理しており、データ連携が不十分 ・店舗や担当者、営業拠点ごとに受発注業務が分散しており、全体像を把握しづらい
関連記事 まずは【無料版】から始めてみては?|「受発注システム」の選択肢と注意点
ステップ
自社の課題を解決し、導入を成功させるためには、以下の5つのステップで検討を進めることが効果的です。各ステップの末尾に、確認してほしい具体的な事柄を添えたので併せて参考にしてください。
ステップ1:自社の業種と業務フローを整理する
まず、自社が製造業、卸売業、小売業、飲食業など、どの業種に属し、どのような商習慣があるかを明確にします。食品業界であればロット管理や賞味期限管理、アパレル業界であればカラー・サイズ別の在庫管理など、業界特化の機能が必要かを検討します。
| 業種 | 必要になりやすい機能 |
|---|---|
| 製造業 | ロット管理、生産計画との連携、原価管理 |
| 卸売業 | 取引先ごとの掛け率設定、大量発注への対応 |
| 小売業 | POSとの連携、店舗別在庫管理 |
| 飲食業 | 賞味期限管理、レシピ・原価管理、棚卸機能 |
このステップの確認事項:自社の業種で標準的に必要とされる機能は何か。
ステップ2:機能要件を定義する(Must / Want)
「必須の機能(Must)」と「あれば便利な機能(Want)」をリストアップします。「在庫管理との連携は必須」「基幹システムとのAPI連携も希望」など、要件を具体化することで、製品の絞り込みが容易になります。
このステップの確認事項:この機能がないと業務が回らない、という条件は何か。
ステップ3:提供形態(クラウドかオンプレミスか)を選ぶ
クラウド(SaaS)型は、初期費用を抑え、短期間で導入したい企業に向いています。テレワークにも対応しやすく、中小企業を中心に主流です。オンプレミス・パッケージ型は、自社のサーバに構築するため、セキュリティ要件が厳しい場合や、大幅なカスタマイズが必要な場合に選ばれます。
このステップの確認事項:自社のセキュリティポリシーは、クラウド利用を許容しているか。
ステップ4:操作性とモバイル対応を確認する
現場の担当者や取引先が、教育に時間をかけなくても直感的に操作できるかは重要です。PCだけでなく、スマートフォンやタブレットからの発注・承認がスムーズに行えるか、無料トライアルなどを活用して確認しましょう。
このステップの確認事項:取引先は説明なしで発注操作ができそうか。
ステップ5:セキュリティとサポート体制を見極める
企業間取引のデータを扱うため、セキュリティ対策は最重要項目の一つです。通信の暗号化やアクセス権限の管理機能などを確認します。導入時やトラブル発生時に、迅速なサポートを受けられる体制が充実しているベンダーを選ぶと安心です。
このステップの確認事項:導入後のサポート窓口は、どの時間帯・手段で対応してもらえるか。
おすすめ「SaaSを導入したが活用できていない」が3割!? SaaS導入前に考慮しておくべき3つのポイント
無料で使える受発注システムはある? 無料プラン・無料トライアルの違いと注意点
「まずは無料で試したい」というニーズは根強くあります。無料で使える受発注システムには、大きく分けて「期間限定の無料トライアル」と「機能制限つきの無料プラン」の2種類があります。ここでは、無料プランを用意する4製品を例に、その範囲と注意点を整理します。
| 製品名 | 無料プランの範囲 | 制限内容・注意点 | 有料プランへの移行目安 |
|---|---|---|---|
| 受発注システムCO-NECT(コネクト) | 無料プランあり(発注側は基本無料で利用できる設計) | 詳細な上限は要問い合わせ。受注側の本格運用は有料プランが前提 | 取引先数・受発注件数が増えた段階で有料プランへ |
| テープス | Freeプランが0円から利用可能 | 上位プランは月額1万9800円〜(税別)で、機能・利用量に制限あり | 受注件数や必要機能が増えたタイミングで上位プランへ |
| Gen Drive | フリープランが0円から利用可能 | AI-OCRによる請求書処理・受注処理が主軸の製品で、在庫管理など一般的な受発注機能は対象外。有料はスタンダード月額1万円〜、プロ月額2万4000円〜 | 処理件数や必要機能が増えたタイミングで上位プランへ |
| 人材のスポット活用・採用プラットフォーム クエストボード_ | フリープランが0円から利用可能(副業人材15人までの案件依頼・蓄積) | モノ(商材など)ではなく、人材のスポット活用・採用プラットフォームで、無料利用時も紹介が成立した報酬額の10%が手数料として発生する成果報酬型。純粋な「無料」ではない点に注意 | 登録人材数や案件規模が拡大した段階でベーシック(月額3万円)・プレミアム(月額10万円)へ |
上記のうち、Gen Driveとクエストボード_は一般的な「モノ(商材など)の受発注シーン」を想定した受発注業務全般を担うシステムとは主目的が異なりつつ、受発注の管理機能も備える製品の参考例として表出しました。
無料プランを確認する際は、次の5点をチェックすると失敗を避けやすくなります。
- 無料の対象が「発注側(取引先)」か「受注側(自社)」か
- 無料プランで使える機能の範囲(発注のみか、在庫連携まで含むか)
- 登録できる取引先数や商品点数の上限
- 無料期間が終了したときの移行条件と費用
- 無料利用でも手数料や成果報酬が発生しないか
特に中小企業や、初めて受発注システムを検討する企業にとっては、取引先が無料で使えるかどうかが導入のハードルを大きく左右します。なお、無料プランや無料トライアルの範囲を超えて本格的に導入する場合の費用感は、関連記事「受注管理システムの費用相場と選び方|入力ミスを防ぎ効率化を実現するポイント」もあわせてご確認ください。
【タイプ別】中小企業におすすめの受発注システム3選|汎用型・BtoB EC型・業種特化型
受発注システムには複数のタイプが存在します。汎用タイプはさまざまな業種や受発注業務に対応し柔軟な運用が可能で、業界特化タイプは特定業界に特有の機能を提供します。ここでは、汎用型・BtoB EC型・業種特化型それぞれの代表例を3製品紹介します。
スマレジEC・B2B(旧:楽楽B2B)
| 特徴 | 取引先に応じた柔軟な設定ができるBtoB専用ECサイトサービス |
| 月額費用/購入価格 | ・Standard:月額3万9800円(税抜) ・Professional:月額6万9800円(税抜) |
| トライアル期間の有無 | 無料デモアカウントの申し込みが可能 |
| 取引先側の費用 | 要問い合わせ |
| 導入期間 | 要問い合わせ |
| 主な機能 | ・取引先ごとに掛け率、価格、商品、決済手段を設定可能 ・AIによるOCR注文書自動読み込み機能 |
Bカート
| 特徴 | BtoBの受発注業務に特化し、EC化するクラウドサービス |
| 月額費用/購入価格 | 初期費用8万円(税抜) + 月額費用(プランによって商品数と会員数の上限が変動) ・ライト:9800円(税抜) ・プラン10:1万9800円(税抜) ・プラン30:2万9800円(税抜) ・プラン50:3万9800円(税抜) ・プラン100:4万9800円(税抜) ・プラン300:7万9800円(税抜) |
| トライアル期間の有無 | 30日間 |
| 取引先側の費用 | 要問い合わせ |
| 導入期間 | 要問い合わせ |
| 主な機能 | ・取引先ごとに価格、商品、決済手段を設定可能 ・標準機能以外に必要な機能はオプションとして柔軟に追加可能 |
BtoBプラットフォーム 受発注
| 特徴 | 飲食業界に特化した受発注システム |
| 月額費用/購入価格 | 要問い合わせ |
| トライアル期間の有無 | 要問い合わせ |
| 取引先側の費用 | 無料(一部上限あり) |
| 導入期間 | 参考:契約から約2カ月 |
| 主な機能 | ・スマートフォンやタブレットに数字を入力するだけで棚卸可能 ・レシピごとの原価やアレルギー情報を管理できるメニュー管理機能 |
ITセレクトおすすめの受発注システム68選(製品の詳細資料あり)
(更新順/2026年9月更新版) →【並べ替える/機能の有無で探す】
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