「どこに何の備品が何個あるか把握できておらず、同じものを重複購入している」「PCやタブレットがどの社員に貸し出されているか台帳が更新されておらず、棚卸のたびに現物を探し回っている」──こうした物品管理の課題は、総務・情報システム部門に共通しています。物品管理システムを導入すれば、社内物品の在庫・貸出・返却・廃棄をシステムで一元管理でき、棚卸効率化と紛失防止が実現します。本記事では、システムの役割、導入メリット、注意点、選定基準を解説します。
この記事のポイント
- 物品管理システムとは: 備品や消耗品、IT機器などの社内物品について、在庫や貸出、返却、廃棄をシステムで一元管理するツールです。
- 導入のメリット: 棚卸作業の効率化、紛失や所在不明の防止、重複購入や在庫過多の防止が実現します。
- 導入時の注意点: 物品へのラベル貼付など初期作業が発生するため、段階的な導入計画と入出庫記録の定着が欠かせません。
- システム選定の基準: 管理する物品の種類への対応や、スマートフォン対応の棚卸アプリ、購買管理システムとの連携可否が重要です。分からなければ「専門家に聞く」手段もあります。
目次
物品管理システムとは
備品・消耗品・IT機器などの社内物品について、在庫状況・貸出・返却・廃棄をシステムで一元管理するツールです。バーコードやQRコードを活用した棚卸の効率化により、手作業による台帳管理の負荷と紛失リスクを低減します。
定義と基本機能
基本機能は、物品マスタ管理(品目・数量・保管場所・管理部門)、バーコード・QRコードを使った入出庫管理、貸出・返却管理、在庫アラート通知、棚卸支援(現物確認と台帳突合)、廃棄管理です。IT資産管理システムや固定資産管理システムと機能が重複する部分もあり、用途に応じて使い分けが必要です。
管理対象となる物品の種類
管理対象は、事務用品・消耗品、OA機器(PC・プリンター・コピー機)、スマートフォン・タブレットなどのモバイル端末、工具・測定器、作業服・ユニフォーム、来訪者用備品(名刺・パンフレット)など多岐にわたります。IT機器については、IT資産管理システムとの連携や役割分担を整理することが重要です。
なぜ今必要とされるのか
リモートワークの普及によりPC・周辺機器の貸出が増加し、物品の所在管理が複雑化しています。また、情報セキュリティの観点からIT機器の所在と貸出状況を正確に把握する必要性が高まっており、台帳管理のシステム化が急務となっています。
物品管理システムのメリット・デメリット
物品管理システムの導入により、棚卸効率化と在庫コスト削減が期待できますが、物品へのラベル貼付など初期作業が発生します。
導入メリット
主なメリットは、棚卸作業の効率化、紛失・所在不明の防止、調達コストの最適化です。
棚卸作業を大幅に効率化できる
バーコードやQRコードラベルをスキャンするだけで現物確認が完了し、台帳との突合が自動で行われます。従来は複数人が数日かけていた棚卸が、1〜2人で半日以内に完了するケースも報告されています。
紛失・所在不明を防止できる
物品の貸出・返却を必ずシステムに記録するフローを設けることで、「誰がどこに持っているか」が常に把握できます。返却期限のリマインド通知により、長期間の無断使用も防止できます。
重複購入と在庫過多を防止できる
在庫数をリアルタイムで把握することで、「あると思って発注したら倉庫にたくさん余っていた」という重複購入を防止できます。在庫アラートにより、適切なタイミングでの発注が可能になります。
デメリット・注意点
物品管理システムの導入時には初期作業が発生します。
物品へのラベル貼付作業が必要
既存の物品すべてにバーコード・QRコードラベルを貼付し、システムに登録する初期作業が発生します。物品数が多い場合、導入準備に相当な工数がかかるため、段階的な導入計画を立てることが重要です。
入出庫記録の継続的な入力が必要
システムに登録した物品の移動を都度記録しないと、台帳と現実がすぐに乖離します。入出庫記録が担当者に定着するよう、入力フローを業務に組み込む設計が重要です。
物品管理システムの主な機能
製品選定にあたり確認すべき主要機能を整理します。
バーコード・QRコード対応の入出庫管理機能
スマートフォンやハンディターミナルでバーコード・QRコードをスキャンして入出庫を記録する機能です。スマートフォンアプリ対応の製品は、ハンディターミナルの導入コストを削減できます。
貸出・返却管理機能
物品を誰に・いつ・いつまで貸し出しているかを管理し、返却期限前にリマインド通知を送る機能です。貸出申請ワークフローを持つ製品では、貸出依頼と承認もシステム上で完結できます。
在庫アラート・発注連携機能
設定した在庫数を下回った際に担当者に通知する機能です。購買管理システムと連携し、在庫不足をトリガーに発注依頼を自動起票できる製品もあります。
物品管理システムの選定で確認すべき3つのポイント
管理する物品の種類(消耗品・IT機器・貸出機器)への対応、バーコード・QRコード読み取りのデバイス対応(スマートフォン・ハンディターミナル)、そして購買管理システムとの連携可否の3点を確認してください。
消耗品管理とIT機器管理の要件整理
消耗品の在庫管理を主目的とするのか、IT機器の貸出・所在管理を主目的とするのかによって、適した製品が異なります。IT機器の管理にはIT資産管理ソフトとの役割分担を整理することも重要です。
スマートフォン対応の棚卸アプリ
棚卸作業をスマートフォンで行えるアプリを持つ製品では、専用ハンディターミナルの購入コストを削減できます。アプリの読み取り速度と操作性をトライアル期間に検証することを推奨します。
購買管理システムなどとの連携
運用している購買管理システムや会計システムと連携し、購入した物品の情報や在庫データを自動で反映できるかを確認します。連携できない場合、物品情報を複数のシステムへ手入力する必要が生じ、更新漏れや在庫情報の不整合につながる可能性があります。
よくある質問(FAQ)
“物品管理システム”の導入検討において、ユーザーから多く寄せられる質問に回答します。
Q1. 物品管理システムと固定資産管理システムの違いは何ですか
物品管理システムは消耗品やIT機器などの在庫・貸出・返却を幅広く管理するのに対し、固定資産管理システムは会計・税務上の減価償却対象となる資産を管理する点が異なります。両者の役割分担を整理して使い分けることが重要です。
Q2. 物品管理システムで棚卸はどのくらい効率化されますか
バーコードやQRコードをスキャンするだけで現物確認と台帳突合が完了するため、従来は複数人で数日かかっていた棚卸が、1~2人で半日以内に完了するケースも報告されています。
Q3. 物品管理システムは専用のハンディターミナルが必要ですか
スマートフォンアプリでバーコードやQRコードを読み取れる製品も多く、専用ハンディターミナルの購入コストを削減できます。読み取り速度や操作性はトライアル期間中に検証することを推奨します。
Q4. 物品管理システムは購買管理システムと連携できますか
製品によって対応は異なりますが、在庫不足をトリガーに発注依頼を自動起票できる連携機能を持つ製品もあります。連携できない場合、物品情報の手入力による更新漏れが発生しやすくなります。
物品管理システムで、備品の可視化と管理コストを削減する
物品管理システムは、社内物品の在庫・貸出・廃棄の可視化と棚卸効率化を通じて、総務・情報システム部門の管理工数と調達コストの削減に貢献します。導入にあたっては、物品へのラベル貼付と初期登録の計画を丁寧に設計し、入出庫記録が継続的に行われる業務フローを整備することが成功の鍵です。
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