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創業70年、建機の老舗企業がたった1カ月で経費精算システムの導入を実現した「スピード感」の理由

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ITセレクト編集部
/発注ナビ株式会社

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創業70年、建機の老舗企業がたった1カ月で経費精算システムの導入を実現した「スピード感」の理由

 

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この記事では、実際にITセレクトのコンシェルジュ相談サービスをご利用いただいたかたの体験談をご紹介します。

北海道札幌市で、建設機械の整備、レンタル、除雪、土木、不動産運営などの事業を展開する北日本重機株式会社。創業70年を超える長い歴史を持つ同社は、まるで創業したてでフットワークの軽いスタートアップ企業のような「早さ」「柔軟さ」を持って業務のデジタル化を進めている。

今回は、同社がITセレクトのコンシェルジュ相談サービスを使い、自社のデジタル化を「スピード感」とともに実践できた理由を、システム選定・管理のキーパーソンで総務部門を統括する富田明氏に話を伺った。

業務のデジタル化、システム化を検討しているが、自社特有の課題があるので導入に不安を感じている、まず何から検討すべきかに悩んでいる──。そんな企業の、特に中小規模企業の経営層、担当者はぜひ参考にしていただきたい。

サービス利用前の課題

  • 現場に新技術への抵抗感があり、デジタル化を進めにくかった
  • 人手依存/紙ベースでの業務フローが長年続いていた
  • ワークフローフローが未整備で、全ての決済が社長依存となっていた

利用後の効果

  • ITセレクトのコンシェルジュ相談サービスを利用し、「何をすべきか」を明確に定め「早さ」の実現につながった
  • 導入しやすい分野からのスモールスタートに成功し、効率化とコスト削減を早期に実現した
  • 会社の「DX計画」と「人材採用を加速させる」基盤を整えられた

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歴史の長い企業ならではの“昭和”のタスク 「アナログなままでは、“もうやばい”」

社名 北日本重機株式会社
所在地 北海道札幌市
設立 1954(昭和29)年6月
従業員数 38人(2025年2月現在)
事業内容 建設機械の点検整備、出張整備、車検(大型特殊自動車)、特定自主検査、建設機械車両の販売および買取、建設機械部品販売、建設機械リース・レンタル、土木工事、舗装工事、維持工事、除排雪、雪捨場管理、不動産賃貸など

──北日本重機様は、どのようなビジネスを展開されているのでしょうか。

北日本重機の富田明氏

北日本重機の富田明氏

北日本重機 富田明氏(以下略):当社は建設機械の整備、機械のレンタル、部品の発注を主な事業として展開しています。このほかに札幌市内の除雪作業、土木作業、近隣不動産の運営など、地域社会に根ざした事業を手掛けています。

会社の歴史は非常に長く、昭和29(1954)年の創業です。昨年(2024年)に創業70周年を迎えました。

──創業70年超、すごく歴史のある会社なのですね。富田様はどのような業務をご担当されているのでしょうか。また、今回のシステム導入計画はどのような体制で進行しましたか?

私は経理や総務、法務、人事、情報の分野まで幅広く管理領域を担当しています。

今回のシステム導入に際しては私が中心となり、導入計画、製品選定のフロー、製品選定と契約、導入後の社内活用フローを進行しました。具体的には、まず経費精算の行程・申請・承認・管理保管をデジタル化するSaaS型の「経費精算システム」を導入し、本年(2025年)より運用をはじめました。

 

──昨年2024年11月ごろに導入計画をスタートし、同年12月にはベンダーと契約手続きまでを約1カ月で完了、そして2025年2月には本運用開始──と、若いスタートアップとか全部クラウドでやってしまえ! といった企業のようなスピード感で実現したそうですね。なぜそこまで早い決断・決定ができたのか、その背景をお伺いしたいです。

製品候補をピンポイントに絞り込み、試用版/無料トライアルで機能を自身で全部チェックして、「これでいけそうだ」「私らのニーズに合っている」とすぐ確認できたこと、そして私が社長直下にいるので、決済をすぐ依頼できたことですね。

なお、3代目となる現社長(丸山雄司氏)は45歳(2025年現在)と若く、学生のころから既にインターネットとかPCに慣れ親しんでいた世代です。当社のスピード感はそこから来ているのかもしれません。

 

──失礼ながら……昭和時代からある古い企業の動きとはとても思えないスピード感に驚きです。改めて御社はどんな課題を抱えていたのですか?

当社は長い歴史のある、いわゆるファミリー企業です。そんな企業であるがゆえの長年の慣習から新しい技術への抵抗感が強く、例えば従業員の経費精算においても手作業/紙ベースの行程に依存していました。また、申請・承認のワークフローを設計しようとしても「基本を紙ベースで考えてしまう」ところがありました。

さらに、中小企業ではよくある例だと思うのですが、承認行程もすべての決裁が社長へ集中する形となっていました。これを続けていては中間管理職が育ちにくくなります。私はそのようなアナログで非効率な行程を徐々になくしていきたいため、「それでいいのか!」と働きかけることにしたのです。

インボイス制度(2023年10月開始)は大きなきっかけになりました。私はこれに乗じて「これは(アナログなままでは)やばいよ!」という話を常々行い、社内へ伝播させることによって、「ワークフローをきちんと整備しよう」「経費精算などから紙をなくす方向で進めよう」となるように、会社がデジタル化へ進む道を整えていったのです。

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──なるほど。このようにして御社の建設重機さながらに、会社のDXへの道を“整地・舗装した” と。

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余計な手間は掛けない──自社の「スピード感」に合致した製品探しの選択肢

──ところで、ITシステムによるデジタル化ツールは勤怠管理、会計、ワークフローシステムなど他にもいろいろあります。なぜ経費精算システムから始めたのでしょうか?

「申請・承認のワークフローを整備する」を実行するとしても、例えば有給休暇や残業申請のような勤怠管理系は「全従業員」が対象になります。それは一気にやりすぎだと思いました。当社は前述した通りの古い企業のため、従業員の中には「PCとかデジタルは苦手」な人もいます。

一方、経費精算であれば全員ではなく、当社では営業部門と役員・幹部など、必要とする従業員の範囲がある程度限られます。このようなデジタルリテラシーの差を配慮しながら段階的に進めていくと判断したのが理由です。SaaSならば、段階的に導入していくとしても業務や製品カテゴリーの単位で検討していきやすい利点があります。

 

──「ワークフローの整備」としても、まずは簡単な経費精算から。続いて勤怠管理、購買・契約稟議、帳票の電子化などを順に対策し進めていく、スモールスタート戦略的な考え方を軸に進めたのですね。

そうですね。ゆくゆくはワークフローの整備完了までたどり着ければいいと思っています。

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──今回、ITセレクトに製品選びのお問い合わせをいただいたのはどのような経緯からでしょうか?

私は普段からITmediaの読者でして、ITに関する情報源として活用していました。コンシェルジュ相談サービスを利用したのも、SaaS関連の製品資料をダウンロードするなど、情報を積極的に収集していた時期の中でちょうど案内を見かけて、それならばと利用してみたのがきっかけです。

 

──それはありがとうございます! ITセレクトのコンシェルジュ相談サービスでは、コンシェルジュが伺った要望を検討しfreee株式会社をご紹介しました。最終的にfreee株式会社の「freee経費精算Plus」の導入を決定されたのは何が決め手となりましたか?

まず、当社のニーズをもとにピンポイントに提案してもらった製品のため、それ以上探す必要がなかったこと。そして、freee経費精算Plusは無料版(無料トライアル)があり、この試用を通じて確かに自社のニーズに完全にフィットしている製品であると確認できたことです。

無料トライアルにて製品の機能を試用できたことで、欲しい機能があり、それが適当かどうかなど、要件に挙がっていた懸念点を解消できました。なお、何か機能不足や懸念点があれば別の製品を探して追加検証したのかもしれませんが、この必要はなかったことでスムーズに導入を決められました。

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おすすめ資料請求できる経費精算システム一覧はこちら

自社のデジタル化推進に向けて、見据えるべきポイントが明確になった

──結果としてfreee経費精算Plusを選ばれていかがでしたか?

現場での部品購買、交際費の精算申請がとても迅速になりました。特に、スマートフォンを用いた領収書のカメラ撮影とアップロードだけで完了する経費精算申請・承認のフロー、そして法令に沿った帳票電子化のプロセスまでが一気にスムーズになりました。

従業員からシステムに対する大きな不満はなく、運用面でのストレスも少なく、順調にシステムが活用されております。

またコスト面でも、今回当社は一定期間月額費無料となる限定キャンペーンをタイミングよく活用できたので、当面のコスト削減効果も大きく、非常に満足しています。

北日本重機札幌工場の様子

北日本重機札幌工場の様子/同社が扱う建機の1つ「トラッククレーン(ユニック車)」

──システム導入後の従業員フォローについて、例えば「従業員向けの使い方/マニュアル」を工夫されたと聞きました。どんなことを行い、何に気を付けて実行したのかを教えてください。

社内マニュアルについては私自身の考えで「こわだりを込めている」ことがあります。それは、従業員目線で「導線で困らないようにすること」「抽象的なことは一切書かないようにすること」です。

個別にマニュアルを作るのは結構大変なのですが、ベンダー制作のヘルプページを参照しろなどと他人任せにするのではなく、当社の従業員目線で「迷わずに使える」ように心掛けて作成するようにしています。

 

──なるほど、従業員のみなさんも安心。このことは新たに入社する方、新卒入社する方への分かりやすい社内マニュアルとしても有効に機能するのでしょうね。では、今回導入した製品とともに、今後どんな成果や発展を計画していますか?

今後もSaaSの柔軟性を最大限に活用し、さらなる全体的なデジタル化を図っていきたいと考えています。

実は電子請求書発行の楽楽明細、請求書受信・支出管理のTOKIUMなどを既に活用しています。現行のオンプレミス型経理システムのほか、SaaS間のAPI連携なども視野に入れつつ、目的別に最適化していく柔軟な考え方で会社のデジタルデータを効率的に集約し活用していく計画です。

 

──改めてITセレクトでの相談プロセスはいかがでしたか? 

ITセレクトのコンシェルジュ相談サービスでは、当社が求める「スピード感」の通りに迅速なやりとりで進行していただきました。コンシェルジュによる的確な提案とともに選定プロセスを迷いなく進められ、結果としてスムーズな導入完了にまでつながりました。

経費精算システムと言っても製品と選択肢がたくさんありますから、はじめはその中で全部見て調べていくのはとても大変で時間が掛かると思っていたのです。そこへ「御社に合うのはこれです」のように“おすすめ”を提案してくれる。あらかじめピンポイントに絞り込まれた中から選定できたことが、決定を判断するまでの速度と確実性を高め、そして迅速に動いていけた大きな原動力になったのだと思います。

 

──ありがとうございます。改めて、御社は特に従業員の皆さんを大切にしておられる、そして古いながらも“しがらみ”のようなものがない風通しのよい会社だなと感じました。今回成功したシステム導入を踏まえて、同じような規模感の企業、似た境遇で悩んでいる企業の方へ一言アドバイスをいただけますか?

古いとか規模感などはあまり関係なく、私は「まずはリーダー自身が積極的に動いて実践することが重要」と思っています。

当社にもIT化/デジタル化に抵抗感を持っている現場メンバーは多くいます。このメンバーへ頭ごなしにデジタル化せよと求める前に、自分自身でその価値を見出し、先頭に立って丁寧に説明しながら進めたことが変革成功の鍵になったと自負しています。現場が納得するためにも、トップ/リーダーが先に行動を示すように心掛けています。

 

──今期(2025年度)から既に本格運用を始められたとのことで、ぜひいい成果を、またさらなるデジタル化への推進で効果を出していくことを期待しています。最後に、御社が最も大切にしていることを教えてください。「こうありたい」のような会社として目指す目標あるいは計画でも構いません。

北日本重機の企業理念は、「全従業員の物心両面の幸福を追求する」です。これは京セラの稲盛和夫氏の教えに基づいています。現社長が稲盛氏の経営塾に通った結果、掲げるようになりました。

今後、新卒採用(2026年度から)も積極的に行います。 “はたらくクルマ”に憧れていた人、乗りたい人も含めて、多様な人材のアイデアややり方も積極的に取り入れながら、社内、および地域のさらなる活性化を図りたいと考えています。

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