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P2Pによるポルノ配信に「言い訳無用」

» 2004年05月07日 08時44分 公開
[IDG Japan]
IDG

 P2Pサービス上でポルノが配信されている問題をめぐり、米下院小委員会で5月6日、関係者が証言を行った。

 P2Pサービス上で児童ポルノを含むポルノが多数配信されているのはなぜかと問われ、P2Pソフトベンダーらは、ネット上の至る所にポルノがあふれていることに比べれば、それは小さな問題だと応じている。だがこれに対してKids First Coalitionのペニー・ナンス理事は、そのような言い訳で「責任を逃れることはできない」と批判した。

 小委員会メンバーのジョセフ・ピッツ議員とクリス・ジョン議員は、『このソフトの利用によって害を被ることがある』というユーザーへの告知、未成年者へのソフトの配布に際して親の同意を得ること、およびソフトのアンインストールを容易に行えるようにすることをP2Pソフトベンダーに義務付ける法案を推進している。2003年7月に提出されたこの法案ではさらに、P2Pソフトベンダーが従わなかった場合、米連邦取引委員会(FTC)がアンインストール手段を開発するよう提案している。

 ピッツ議員は、P2Pネットワーク経由で子供たちにポルノを配信して、子供たちを性的行為に誘い込もうとしている輩がいるとし、こうした犯罪行為を助長する製品に関して「どんな言い訳も通用しない」とした。

 だが、Kazaaの運営元Sharman Networksが設立したP2P業界団体Distributed Computing Industry Association(DCIA)の代表は、ピッツ議員らの法案は現状の形では支持できない、と述べている。理由は、P2P以上にポルノを簡単に入手できるWebサイトやチャットルームなどを支えるインターネット技術には対処せずに、P2Pソフトのみを標的にしているため。

 「われわれとしては、進むべき道は、より強力なフィルターの開発を続けることだと考えている」とDCIAのマーティン・ラファーティCEOは述べている。

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