新作DVD情報
“アフリカのシンドラー”と呼ばれた男――「ホテル・ルワンダ」
ホテル・ルワンダ プレミアム・エディション
この間、三谷幸喜監督の「THE 有頂天ホテル」を紹介したけれども、こちらは有頂天どころか、大虐殺から1200人もの命を救い、“アフリカのシンドラー”と呼ばれたホテルマンの物語。実話である。
舞台は1994年、アフリカ中部のルワンダの首都キガリ。ポールはベルギー系の高級ホテルで支配人として働いていた。多数派のフツ族と少数派のツチ族が長年争ってきたルワンダでは、3年間続いた内戦がようやく終息し、和平協定が結ばれようとしていた。
ある晩、ポールは市内で火の手が上がっているのを目撃。家に着くと、妻と子供、そして家を焼き討ちされた知人たちが、ポールを頼って闇の中に身を潜めていた。
そんな中、「フツ族大統領がツチ族に暗殺された」という放送がラジオから流れ、町中では、その放送を聞いたフツ族が武器を片手にツチ族を襲撃しはじめていた。ポールは家族をホテルに避難させるが……。
当時この国を支配していたフツ族が、大統領が暗殺されたことをきっかけに、ツチ族を大量虐殺したのだ。その人数、100日で100万人。アメリカ、ヨーロッパ、そして国連までもが「第三世界の出来事」としてこの悲劇を黙殺した。
ポールはフツ族だが、妻はツチ族。もし、この事実が過激派にバレたら、家族は殺されてしまう。彼はジャーナリストなどが多数泊まるホテルを最後の砦に、今まで培ってきた人脈をフル活用し、機転と話術で虐殺者を懐柔していく。はじめは家族のために、あらゆる手段を講じて必死になっていたが、やがてホテルに集まってきた1200人の人々を見るに見かねて救う事に。決してヒーローになりたかったわけではなく、彼の良心が自然と危ない綱渡りをさせたのだ。生きるか、死ぬか、かなりの緊張感をはらんだ駆け引きが続く。
本作は2004年12月、アメリカで数館の公開からスタート。ところが、あっという間に評判となり、2300館に拡大公開され、アカデミー賞では主演男優(ドン・チードル)、助演女優(ソフィー・オコネドー)、脚本(テリー・ジョージ)の3部門でノミネート。
人気スターが不在の地味な社会派ドラマのためか、日本ではお蔵入り間近だった。ところが、若いファンのインターネットを中心とした上映嘆願の署名活動が行われ、彼らの熱き思いが身を結んで、今年1月にようやく日の目を見ることになったのだ。
ルワンダの歴史的背景についても、きちんと説明されるので、予備知識は必要ない。「父の祈りを」でアカデミー賞にノミネートされた脚本家テリー・ジョージが、悲惨な歴史を伝えるとともに、夫婦愛、家族愛も描いているので、多くの人にみてもらいたい作品である。主演は「クラッシュ」「ダイヤモンド・イン・パラダイス」のドン・チードル、共演は「堕天使のパスポート」のソフィー・オコネドー。
DVDは2枚組のプレミアム・エディションでリリース。特典映像はモデルとなったポール・ルセサバギナ本人が事件当時を振り返るドキュメンタリーや、監督+ポール本人+ワイクリフ・ジョン(ミュージシャン)のコメンタリー、ドン・チードルのコメンタリー付きセレクト・シーン、インタビュー集など約100分のボリュームだ。初回生産分のみ特製アウターケース、32ページのブックレットを封入している。
関連サイト:http://www.hotelrwanda.jp/(公式サイト)
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