終了発表の縦読み漫画「comico」――元重課金ユーザーが振り返る「いつしか開かなくなった」理由(1/2 ページ)
縦読み漫画サービス「comico」が、2027年1月6日に終了する。運営元のNHN comicoが8月17日に発表した。2013年のサービス開始から約13年、「ReLIFE」「ミイラの飼い方」「こえ恋」など、多くのオリジナル作品を送り出してきたサービスが幕を閉じる。
記者は学生時代、comicoを毎日のように開き、アルバイト代の多くをつぎ込んだ読者の一人だ。覚えている範囲でも、数年間で累計10万円以上を課金した。2桁以上の作品の更新をリアルタイムで追うほど生活の一部になっていただけに、終了には驚きと寂しさを覚えた——のだが、振り返ってみると、いつの間にかアプリを開かなくなっていた自分にも気づく。
この記事では、当時の利用体験を振り返りながら、記者がなぜcomicoから離れていったのかを整理する。
「ReLIFE」「ミイラの飼い方」……ヒット作を生んだcomico
comicoは、スマートフォンやWebサイトで利用できる縦スクロール型のデジタル漫画(Webtoon)サービスだ。13年に提供を開始し、国内におけるWebtoonの先駆けとして地位を確立。17年8月には国内累計1500万ダウンロードを突破した。サービス開始当初は公式作品を無料で公開しており、その手軽さが呼び水となった。
当時を知る人なら、聞き覚えのある作品名もあるだろう。「ReLIFE」はテレビアニメ化したほか、舞台化や実写映画化も実現。「ナンバカ」「ミイラの飼い方」はアニメ化され、「こえ恋」はテレビドラマとなった。今回の終了告知をきっかけに、XなどのSNSでは、これらの作品を懐かしむ声が多く寄せられた。
記者はいつから読まなくなったのか
重課金ユーザーだった記者が、comicoからなぜ離れてしまったのか。振り返ると、一番の理由は、comicoが取り扱う作品のラインアップが自身の読みたいジャンルと合わなくなったことだ。記者はもともと、comicoを通して「パステル家族」などの日常系漫画を読んでいたが、次第にファンタジーやアクション系のジャンルを好むようになった。一方でcomicoは、記者の目には、遅くとも2019年ぐらいには女性向け作品の比重が高まっていったように映った
こうした感覚は、記者だけのものではなかったようだ。今回、サービス終了を受けたXユーザーの投稿でも、「女性向けに特化し始めた頃から読まなくなった」「路線変更してから全く開いてなかった」といった声が複数あり、注力ジャンルの変化を感じたユーザーは他にもいたことがうかがえる。
一方、Xでは別の理由からcomicoを離れたとするユーザーの声もみられた。中でも目立ったのが、16年に導入された課金制度への言及だ。それまでのcomicoでは、公式作品を基本的に無料で読むことができたが、同年11月のリニューアルで、作品ごとに用意する専用の「作品レンタル券」を使って読む仕組みが導入された。
作品レンタル券は、1枚で1話を8日間閲覧でき、使った券は一定時間後に自動で回復する。券の回復を待てば読みたい作品を無料で読めるが、まとまった話数を一気に読み進めたい場合は、有料の「応援ポイント」を購入しなければならなくなった。
当時のSNSの反応をみると、この仕様変更についてはユーザーから多くの反発が起きたようだ。Twitter(現在のX)では「#comicoリニューアル反対」というハッシュタグまで生まれ、「レンタル券をやめてほしい」「無料で読めるのが魅力だった」などの投稿が寄せられていた。今回の終了を受けたXでも、課金制への切り替えをきっかけにcomicoから離れたとする声がみられた。
記者の場合、当時は「ナンバカ」など愛読しているオリジナル作品があったため、課金制に切り替わってもcomico自体から離れることはなく、自然と課金ユーザーに切り替わった。しかし、これにより新規作品に手をつけづらくなったのは確かだ。
補足すると、当時、他の漫画アプリはすでに課金制を採用していた。ピッコマは16年4月のサービス開始当初から「待てば¥0」を展開し、LINEマンガも有料のマンガコインを導入済みだった。それでもcomicoで反発が起きたのは、「無料だから読んでいた」ユーザーにとって、それまでのサービス体験を大きく変える仕様変更だったからとみられる。
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