BenQのホームシアターDLPプロジェクター「W10000」は、1080pフルハイビジョン対応ながら、60万円台という価格が魅力。しかも、HDMI端子、8セグカラーホイール、10000:1の超高コントラスト、独自画像補正技術「Senseye」など、スペックも充実している。
ベンキューが発売したホームシアタープロジェクター「W10000」は、0.95インチDarkChip 3プロセス採用の1080p DMD素子を用いたフルHD DLP機としては最廉価な製品である。その価格は、なんと62万8000円。比較対象にもよるが、おおむね他社のフルHD DLP機と比べて半額という圧倒的な戦略価格である。同社は今年のCOMPUTEX Taipeiで、W10000を約5000ドルで販売するとアナウンスしていた。日本での価格は、おおよそ為替レート通りの価格設定だ。
しかも、低価格でありながら、スペックは大変に魅力的だ。
W10000のスペックを一通りおさらいしよう。アイリス(絞り機構)を最小にした際には10000:1のコントラストが得られ、最大輝度は1万1000ルーメン、省電力モード時は23dBの静音を実現する。カラーホイールはRGBに暗緑を加えて暗部ノイズを減らした8セグメントタイプ(通常の暗緑パート対応機とは異なり、暗緑パートが2カ所に分かれている)。
レンズは1.15倍とズーム倍率こそ低く100インチ投影に4メートルの距離を要するが、レンズシフト機構は備えており、ズーム、フォーカス、シフトの3要素をリモコンから電動メカでコントロール可能だ。投影倍率さえマッチするならば、比較的設置計画は立てやすい。
レンズそのものの解像度も、やや甘めを想像していると、きちんと解像してくれることに驚く。レンズシステムは昨年、本サイトでも紹介した720p対応のPE8720と同じものが使われており、100万円オーバーの1080p対応レンズ搭載機に比べればややエッジの立ち方はおとなしいが、明白に解像度を落とすような色収差は出ていない。
そのほか、映像回路やメニュー構成などもPE8720とほぼ同じ。カラーホイールの構成やランプなども共通であり、異なっているのはDMD素子とそれを制御するフォーマッターボードのみと思われる。
PE8720との共用パーツは多いものの、フルHD対応のDLPプロジェクターが従来機の半額というのだから、驚かざるを得ない。製品筐体のデザインや作りそのものは、決して安さを感じさせるものではなく、むしろ存在感を主張するもの。色使いもリビングでの天吊設置を意識しているのか、ホワイトを基調にした明るい配色が使われている。
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提供:ベンキュー ジャパン株式会社
DLP®および、DLP ® ロゴはテキサス・インスツルメンツの登録商標です
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年12月31日