タフなだけじゃなかった! GPSナビにスマホ連携——G-SHOCK レンジマンの先端技術(2/3 ページ)

» 2018年03月07日 10時00分 公開
[山本敦PR/ITmedia]
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ケースをまるごとGPSアンテナにした

 GPS内蔵デバイスの課題になるのは、いかに「GPSアンテナの感度を高めるか」に他ならない。新しいレンジマンの場合、「腕に装着して歩きながらGPSの電波を受信する端末のため、なおさら感度を高める必要があった」とモジュール設計に関わる岡本氏と栗原氏が口を揃える。

 「時計は様々な材質の部品で組み上げているので、時計内部にアンテナを入れてしまうと、GPSの位置情報を連続で受信することができません。そこで新しいレンジマンではベゼルから裏蓋まで、ケース全体にアンテナ機能を持たせることに挑戦しました」(岡本氏)

アンテナの役割も持たせたメタル製のベゼルケース

 新しいレンジマンは金属性のベゼルと強化サファイアガラスの間にソーラーセルをサンドイッチにするという複雑な構造を採用している。GPSアンテナを構成する要素は電極となるリングアンテナ、誘電体のケース、そしてグラウンドの役割を果たすプリント配線基板である。

「G-SHOCK RANGEMAN」(GPR-B1000)のボディーを構成するパーツ
本体を構成するシミュレーションイメージ
最終形のデザインを固めてから制作された「0次試作」のモックアップ。こちらを元にアンテナ感度のテストを繰り返してきた

 本機はユーザーの手首に触れる「裏蓋」の素材にセラミックを採用した。これは後述するワイヤレス充電を実現するためのキーパーツでもあるのだが、もう1つの役割としてGPSの受信感度向上にも貢献している。ケース全体をアンテナにするというアプローチに対して、セラミックは良い効果をもたらしてくれるからだ。

ワイヤレス充電とソーラー充電。2つの方式に対応

 新しいレンジマンは、2つの充電方式を採用したユニークな腕時計だ。何よりもまず時計としての機能を絶対に落とさないために低消費電力の液晶ディスプレイを搭載し、これをソーラー充電のバッテリーだけで駆動できるようにした。

 より多くのバッテリーを使うGPS関連の機能を動かすため、電磁誘導タイプのワイヤレス充電(非接触充電)にハイブリッドで対応した。ワイヤレス充電は専用のアダプターを時計の裏蓋側にはめ込み、アダプターにUSBケーブルをつないで給電する仕組みだ。

専用の充電器を使って内蔵バッテリーのワイヤレス充電が可能

 ステンレスの裏蓋では磁場が通過しないため、G-SHOCKとしても初めての試みとなるセラミックの裏蓋を採用したわけだ。強度については問題はないのだろうか。岡本氏は「セラミックは『硬いけれど壊れやすい』イメージがあるかもしれませんが、本機の裏ぶたに使っているパーツは厚み、強度ともに十分な性能を確保しています」と太鼓判を押した。

マッドレジストまで対応した究極のタフネス

 ワイヤレス充電方式を採用した理由は、もう1つある。時計本体から充電端子をなくし、防水、防塵だけでなく「マッドレジスト=防泥」性能まで追求したからだ。

 「本体のボタンにも全てマッドレジスト対応の工夫を凝らしています。キーパーツであるロータリースイッチは上下回転と押し込みの操作に対して摺動しますが、ボタンとベゼルケースの隙間にクッションの役割を持たせたシリコンを詰めています。4つのボタンはメタルパイプの中にシリコンの緩衝材を入れ、押し込む操作に対する動きの幅を確保しながら泥の侵入を防ぎます」(牛山氏)

 ほかにも“最強のサバイバルタフネスツール”を実現するため、新しいレンジマンに採用された技術を挙げるとキリがない。パネルは強度の高いサファイアガラス。ベルトは万が一、ウレタン素材が劣化してもちぎれないというカーボンファイバーを編み込んだ素材でできている。

本体のフレームを分解したパーツ。赤色の部分が新しく採用したファインレジン

 ベゼルケースを外側から保護するフレームには強化ウレタン素材とともに、本機ではファインレジンという硬質プラスチックを組み合わせて成型した。フレームの強度を保ちながら厚みを薄くできる効果があるという。栗原氏によると「ファインレジンだけで作ってしまうと、今度は硬すぎて壊れてしまいます。ウレタン素材との最適な配合に腐心しました」と振り返る。

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提供:カシオ計算機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2018年3月31日

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