レビュー
「Rec-POT M」の“ムーブ”機能を試す(1/3 ページ)
デジタルハイビジョン放送というのは、やっかいな代物である。その美しい映像はひとたび観ると、もはや虜となるしかない。映画もスポーツも音楽ライブも、あれもこれも、どうせ観るならハイビジョンで観たいと思ってしまう。その要求を満たせる程度に番組内容も充実し、それなりに数も揃っている。といっても、リアルタイムで全部観るわけにはいかない。仕事のある昼間にも、寝ている夜中や早朝にも、観たい番組が放映されているからだ。
別に録画すればいいじゃないか、と言われるかもしれない。たしかにそのとおりである。しかし、S-VHSや通常(NTSC)のハードディスクレコーダー、DVDレコーダーで単に録ればいいというわけでもない。もちろん、それでも悪くはないが、ハイビジョンの映像を完全な品質で保存しなくては意味がないし、せっかくならAAC 5.1chサラウンド音声もそのままで録りたい。
そうすると録画する手段は、現在のところ、D-VHSビデオデッキ、Blu-rayディスクレコーダー、そして、デジタルハイビジョン録画に対応したハードディスクレコーダーのいずれかを選ぶことになる。D-VHSビデオデッキは価格もこなれており、テープさえ買ってくればいくらでも録画できるので、タイムシフト的用途だけでなく、保存にも向いている。一般的に最もおすすめの手段といえるが、テープメディアという点が気になる人もいるかもしれない。Blu-rayディスクレコーダーは将来的には普及が見込め、さまざまな面で優れたメディアといえるが、まだまだ価格が高く、万人向けではない。
いずれも一長一短あるという感じだが、なかでもやっかいなのはデジタルハイビジョン対応ハードディスクレコーダーだろう。タイムシフト用途には最適だが、なにしろ“固定”メディアで容量にも限りがあるので、いつまでも保存しておくわけにはなかなかいかず、観たら消して新たに録画するという流れになる。つまり、保存には向かない。これまではD-VHSと併用すれば、いったんハードディスクに録画したものを、あとからD-VHSへコピーする方法も使えたが、周知のとおり、4月5日からBSデジタル/地上デジタル放送がすべてコピーワンスとなり、ムーブ対応機種でなければ、それもかなわなくなった。
まあ、最も録画機会の多いWOWOWは、ずいぶん以前からコピーワンスだったわけだが、それでも個人的にはデジタルハイビジョン対応ハードディスクレコーダー、つまりアイ・オー・データ機器の「Rec-POT S」(HVR-HD120S)を選び、愛用してきた。要は保存することをあきらめたのだ。「汝、日々観賞に励み、蓄えるべからず」という天の啓示だと受け止めたのである。実際、保存しても二度と観ないことがほとんどだし、と自分に言い聞かせた……。
ハイビジョンは豊潤なビットレートを要求し、大容量メディアですらアッという間に浪費してしまう。高級な食事を味わうだけでなく、それをあとで食べるためにとっておきたいと願うようなもの。ブルジョアでもあるまいし、あれこれ悩むなら、いっそあきらめてしまおうというわけだ。そもそも、これまでもVHS/S-VHSテープ、レーザーディスク、DVDとさまざまなメディア(しかも膨大な数)でエアチェックしたり、映像ソフトを買わされたりしてきたが、ハイビジョンを目にすると、それらもすでに単なる陳腐化資産。買うにしても、自分で録画するにしても、“保存”するのはもうやめだ! やめだ!
と思っていたら、待望の“ムーブ”機能に対応したRec-POTシリーズ最新製品が発表された。4月中旬に発売開始予定の「Rec-POT M(HVR-HD160M)」だ。コピーワンスはその名のとおり、一度しかコピーを許さない、つまり、いったん録画したらほかのメディアへは複製できないというコピー制御信号だが、複製ではない移動=ムーブは許される。そして、そのためには録画機器(送り手側となるほう)のムーブ対応が必要なのだ。
スマートな外観にシンプルな機能
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