「VAIO type A」の写真特化モデルを検証する:速くてキレイな特大ノート(1/4 ページ)
人気ミニノートPC「VAIO type P」の対極に位置するのが、18.4型ワイド液晶搭載ノートPC「VAIO type A」だ。写真特化モデルの圧倒的な性能に迫る。
写真にフォーカスした最上位VAIOノート
2008年の秋以来、なぜか家電量販店のデジタル一眼レフカメラコーナーに陳列されているノートPCがある。“写真編集に特化したPC”というジャンルを切り開いた、ソニーのハイエンドノート「VAIO type A フォトエディション」だ。
デジタル写真編集を快適に行なうため、PCに求められる要素を考えてみると、正確な色再現性を持つディスプレイはいうまでもないが、RAW現像などの重い作業をすばやく行なえるよう、高性能なCPUや大容量のメインメモリ、それに高速かつ大容量のストレージも重要だ。さらには撮影済みデータの高速読み込みが可能なインタフェースもほしくなる。すなわち、写真編集用PCのあるべき姿を追求すると、必然的にハイスペックな製品ができあがる。
今回は店頭販売向けの2009年春モデル「VGN-AW71JB」を取り上げ、ソニーが提唱する“写真編集ソリューション”の内容に迫ってみたい。具体的には、VAIO type Aが実現する動画編集ソリューションである「VAIO type A ビデオエディション」との比較を交えながら、4つの想定利用シーンに即して、機能や使い勝手について考えてみる。
ハードもソフトも底上げされた基本スペック
VGN-AW71JBは、2008年9月に投入された最初のフォトエディション「VGN-AW70B/Q」の基本デザインを踏襲しつつ、CPUやメモリ、HDDといった基本スペックを強化している。18.4型ワイドという巨大な液晶ディスプレイを装備するだけあって、本体サイズは437.2(幅)×288.9(奥行き)×36.9〜39.7(高さ)ミリと大きく、重量は約3.95キロも重い。まさにヘビー級のノートPCだ。
まずはPCとしての基本スペックを簡単にチェックしておこう。CPUは2.66GHzで動作するCore 2 Duo T9550(2次キャッシュ6Mバイト)、メインメモリはPC2-6400 DDR2-800の2Gバイトモジュールを2枚積んだ4Gバイト構成(最大8Gバイト)へとそれぞれ強化。メモリをフルに使い切るべく、OSが64ビット版のWindows Vista Home Premium(SP1)へと変更されたのもトピックだ。
なお、チップセットはIntel PM45 Expressチップセット、GPUは512Mバイトのグラフィックスメモリを積んだNVIDIAのGeForce 9600M GTを引き続き採用している。この辺りの基本スペックはビデオエディションの「VGN-AW51JGB」も共通だ。
HDDについては、両モデルとも320Gバイト/7200rpmの2.5インチSerial ATAドライブを2台搭載し、計640Gバイトの大容量を確保しているが、フォトエディションだけは前モデル同様、RAID 0のストライピングで接続されており、読み書きの速度には差がつくハズだ(ベンチマークテストの結果は後述)。なお、光学ドライブとしては2層BD-R/REへの書き込みに対応したBlu-ray Discドライブが引き続きおごられている。
もうひとつ、フォトエディションらしいスペックとしては、デジタル一眼レフカメラで撮影した写真データをすばやくPCに吸い上げられるよう、本体に内蔵されたCFスロットがUDMAに対応している点も挙げられる(ビデオエディションのCFスロットもUDMA対応)。もちろん、SDメモリーカード(SDHC対応)/MMCやメモリースティックPROの読み書きが可能なスロットも別途備えている。
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