フルハイビジョン3Dテレビの最新事情:CEATEC JAPAN 2009(2/2 ページ)
幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2009」では、2010年に登場する見込みの3Dテレビが大きな注目を集めている。ソニーやパナソニックにくわえ、今回はシャープや東芝も試作機を出展した。それぞれの展示内容からスタンスの違いも見えてくる?
新型パネルによる3Dをデモ シャープ
今回、初めて3Dテレビを展示したのがシャープだ。「LED AQUOS」に採用したUV2Aの新型液晶パネルを用い、60V型の3Dテレビ試作機を作り上げた。60V型は、同社が“これからの大画面”と位置づけるサイズでもある。
試作機の詳細や製品化の時期など公表されていないが、試作機ではフルHD/60フレームの3D表示を実現。UV2A対応パネルの高速応答性は3D表示にも適しており、クロストークのない映像と画面の明るさが最大の特徴になるという。
テレビ番組をリアルタイムに3D化 東芝
3Dテレビの早期商品化については消極的とみられている東芝も、技術展示という形で3Dテレビを参考展示した。場所は「Cell REGZA」の未来を紹介するコーナー。放送番組などの2Dコンテンツを3D変換する技術を組み合わせた点が他社と大きく異なる。
3Dテレビは、年初のCESで「Spatial Motion Interface」(空間モーションインタフェース)のデモに使用したディスプレイに手を加えたもの。「Cell REGZA」に採用した「メガLED」を装備した上、クロストークの抑制およびタイミング調整といったチューニングを施したという。このため、展示会場では空間モーションインタフェースを含めて近未来的な3Dテレビが体感できる。
2D映像の3D化は、リアルタイム処理が可能。お得意の超解像技術も組み合わせており、デジタル放送番組やDVDなども3D映像で楽しめるという。フレームレートは24〜60Hzをサポート。「いかにBDの3Dパッケージソフト(の画質)に近づけるかが課題だ」(同社)としている。
レーザーテレビは3Dレディー? 三菱電機
唯一、市販の3Dテレビを展示していたのが三菱電機。北米で展開中のリアプロジェクション82V型および60V型でデモンストレーションしている。また、65V型のレーザーテレビを昨年に続いて参考出展。3D映像のデモこそ実施していなかったが、レーザーテレビの性能は“3Dレディー”と話す。「RGBのレーザーでスキャンするレーザーテレビは、応答速度が速く、クロストークも生じない。3Dテレビに適した性能を持っている」(同社)。
ただし、国内展開についてはレーザーテレビ、リアプロジェクションテレビともに未定だ。国内向け3Dテレビについては「液晶も含めて研究中」と話していた。
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