異次元の動画変換能力だっ──プレミアムな地デジノートPC「dynabook Qosmio T750」の実力診断:REGZA連携機能もかなりイイ(3/3 ページ)
乱立する地デジ+BD搭載のオールインワンノートPCで、何を差別化ポイントにするか。SpursEngineと強力なAV機器連携機能を武器にした東芝「dynabook Qosmio T750」の実力を検証する。
総合家電メーカーならではのAV連携機能も搭載
dynabook Qosmio T750は、昨今のA4オールインワンノートPCに“ほぼ必須”というほどニーズが高まった地上デジタルチューナーも、もちろん搭載。放送の録画も当然可能だ。独自のテレビ視聴・録画ソフト「Qosmio AV Center」を搭載し、同じく付属するリモコンとマウス/キーボード操作に適したユーザーインタフェースをそれぞれ用意するのも特徴となる。
このユーザーインタフェースは東芝のBlu-ray Disc/DVDレコーダーのそれをベースに設計されており、リモコンでの操作性も家庭用AV家電であるかのように扱える。ダビング10にも対応し、録画番組はBlu-ray DiscないしDVDメディアへの記録が可能だ。あわせてSDメモリーカードへのダビングにも対応し、microSDを用いることで、対応する携帯電話での再生も行えるようになっている。
もちろんテレビ機能にもSpursEngineの実力が生かされる。本機では画質変換しながらのダビング時にSpursEngineを利用できるので、録画時間以下の時間で高速に作業できる。30分の地デジ番組をBlu-ray Discメディアに画質変換+ダビングしてみたところ、約7分ほどで完了した。カタログ値では録画時間に対して最大5倍としているのでこれにはやや及ばなかったが、上々な結果といえる。
家庭用AV機器との強力に連携できる点も魅力の1つだろう。中でもdynabook Qosmio T750に新機能として搭載された「レグザリンク・ダビング」機能は、東芝製の同機能対応テレビやレコーダーを所持するユーザーに特にお勧めだ。
レグザリンク・ダビングにより、録画した番組をLAN経由で本機へ転送し、Blu-ray Disc/DVDメディアへダビング(移動)することが可能になる。つまり、本機を組み合せるだけで、HDDしか保存先がなかったREGZAシリーズで録画した番組もメディアへの保存が可能となり、同じくハイビジョンDVDレコーダーで録画した番組もBlu-ray Discメディアへの保存が可能になる。
参考までに、手持ちの東芝「REGZAブルーレイ RD-BZ800」を用い、RD-BZ800からの本機への転送に要した時間は30分番組で12分30秒ほど。LAN環境で多少の違いはあるだろうが、録画時間の半分以下で転送できた。
本機と対応テレビ(REGZAシリーズ)においては、互いをHDMI接続して実現する「レグザリンク」にも対応する。例えば、本機で録画した番組をリビングルームのテレビで再生したり、Blu-ray Discタイトルを再生するといったことをテレビ側のリモコンで操作できる。ちなみに、テレビのリモコンでPCのオン/オフまで制御できる。
最後に、ネットワーク連携機能も強力だ。本機はDTCP-IP対応のDLNAクライアント機能を備え、LAN内のDLNAサーバ機能を持つレコーダーに録画された番組を再生できる。このほか(Windows 7の機能となるが)東芝「REGZA Z1/同ZG1/同ZS1」などのDigital Media Render機能を搭載するテレビとLAN接続すると、本機側の操作でテレビでの動画/静止画/音楽再生が行えるほか、本機独自の機能としてYouTube動画をテレビ側で再生する機能も追加されている。
このようにPCのdynabookシリーズも、同社のテレビ+レコーダーの組み合わせのように家庭内のデジタルAV環境へ自然に融合できる。リビングルームで家族共用のPCとして利用したり、テレビも置いてあるプライベートルームでレコーダーがわりに利用するといったシーンに大変便利であるわけだ。豊富かつ優れたのAV連携機能は、他社製PCにはあまり備わらない、総合家電メーカーである東芝ならではの大きな購買ポイントになりそうだ。
PC操作も地デジ&AV機能も、“他社にはない魅力”を備えたAVノートPC
dynabook Qosmio T750の魅力はやはりオールインワンの機能+SprusEngineだろう。SprusEngineはQosmioシリーズへの初搭載から2年が経過したが、その存在意義はより大きくなったと感じる。プリインストールのアプリケーションでもかなり幅広くSprusEngineが使えるようになったためだ。地デジ番組の録画やダビングなどでは、その存在を意識することなくSprusEngineを利用できる。特に高速な画質変換ダビング機能は家庭用Blu-ray Discレコーダーでも実装例はほとんどなく(東芝の2010年冬発売「REGZAブルーレイ」も録画時間の半分程度)、なにより画質変換ダビング中にほかのPC作業がストレスなく利用できる特徴は、普段使うPCだからこそ望まれる喜ばしいポイントだ。
普段はプラベートルームでリビングルームのテレビやレコーダーで録画した番組の再生に利用し、みんなでワイワイという時はdynabook Qosmio T750をリビングルームへ持ち出してテレビと連携しながら楽しむ──といった使い方もノートPCだからできる。そして「レグザリンク・ダビング」対応のREGZAユーザーであれば、本機を経由してBlu-ray Discメディアへのダビングが可能となる点は非常に大きな魅力と感じるはずだ。
dynabook Qosmio T750はハイスタンダードAVノートPCという位置付けだが、価格帯そのものは他社のAVノートPCと大きく変わらず、実売13万円前後で購入できる(2010年12月現在)。それでいてライバル機以上の動画変換/再生能力を秘めている。東芝 REGZAシリーズのユーザーで、動画編集機能やネットワーク連携機能に優れた地デジ&AVノートPCの購入を考えるなら、間違いなく候補の1台にすべき製品と言えるだろう。
直販サイトで、Core i7-740QM+フルHD液晶搭載モデルも
今回試したdynabook Qosmio T750はCore i5-460M+15.6型ワイドの液晶ディスプレイを搭載する店頭モデルだが、東芝のWeb直販サイト「東芝ダイレクトPC by Shop 1048」限定で、Core i7-740QMと1920×1080ドット表示対応の18.4型ワイド液晶ディスプレイを備えたハイスペックモデル「dynabook Qosmio T780」も用意する。
SpursEngineやREGZA連携機能とともに、PCとしてのスペックもより高いものを望む人はこちらも検討してみてはいかがだろう。
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